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 トルネードと共に歩もうと思ったのは彼の目を見てからだ。
 意志を貫こうとする青い目。
 あの『ロックマン』を思い出させる目。
 一度だけ、その『ロックマン』を見かけたことがある。
 家庭用として、普通の少年として、ライト博士の使いでガッツマンに会いに来ていた。
 そのときは気に求めなかったがチラリと視界に入った少年の顔。
 笑顔。
 青い目。
「すまない…すまない…」
 トルネードは呟きながらコンクリートの腕に寄り添う。
「お前も手がけただろう、街を破壊してすまない…許してくれ」
「気にするな、また作ればいい」
「あぁ……」
 顔を上げるトルネードの目は暗く沈んでいる。
 ロックマンのあの目とは程遠い。
 時間が経てば経つほどに、彼の心は蝕まれて行くのだ。
 重みに耐え切れず、しかし弱音を吐くこともできない、許されない。
 だから心を閉ざし、突き進むしかないのだ。
「行こうコンクリート」
 彼の表情はいつもの表情に戻っていた。
 凛とした表情、迷いのない眼光を帯びた青い目。
 よくもっている、と思う。
 きっと、仲間が…救われぬ境遇にいる仲間がいるからだ。
 絶望に染まりながらも彼は、自分たちは、希望を捨てない―――
        
  
 
 
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