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 頭が変になりそうだった。
        
         サターンは極力意識を、理性を失わないように心がけているのだが与えられる刺激と押さえ込めない高揚感に苦しんだ。
        
         アースの部屋へ呼ばれ、命じられるがままの姿になり今はベッドに縛り付けられてサターンの脚の間に入るアースの姿。
        
         柔らかい舌がナニを這う。
        
        「ン…ウッ」
        
         サターンは呻く。
        
         声は出せなかった、猿轡を噛まされているからだ。
        
         精一杯の抵抗のつもりである脚を閉じる行為はアースの命令によってできなかった。
        
         そしてイクこともできない。
        
         許可がでてないからだ。
        
        「ッッ!!!」
        
         急な刺激にサターンの身体が反射的に仰け反る。
        
         アースがサターンのものを口に咥え込んだからだ。
        
        「ッア、ウッアッ…!!!!」
        
         涙を流しながら首を振るサターン。
        
        「……」
        
         アースは目を細めてグッとナニの根元を握り締める。
        
        「…!!!」
        
         目を見開いてガクガクと身体を震わせるサターン。
        
        「イキたくなかったんだろう?」
        
        「ッ…」
        
        「ふふ、喋れないのは不便だなサターン」
        
         アースは微笑みながらサターンの頬を撫でる。
        
        「最後までシてやるよ、安心するがいい…」
        
        「!?」
        
         アースが乗りかかってくる。
        
         そしてサターンのそれに手を添えて腰を下ろし始めた。
        
        「ッ!ア、アァッ!!!!??」
        
        「そんなにイヤか?あぁ、私を穢せサターン」
  ****
 初めてだろう、おそらく初めての行為。
        
         しかしアースの中は蕩ける様に熱く、そして締め上げてくる。
        
        「ふふふ、私の中がお前で満ちているよサターン」
        
         アースはサターンの猿轡を外す。
        
        「たい、ちょ…お許し、を…」
        
        「何を許せと」
        
        「あっ」
        
         舌が絡み合う。
        
         手も自由になりたい、この人を抱きしめたい。
        
         あぁ自由が利かない、精神的にも。
        
         拘束が解かれれば、獣のように目の前の神子を貪り食らってしまいそうな自分が居る。
        
         そしてそんな自分に嫌悪を抱く理性。
        
         これは神聖な行為だ
        
         神子の戯れだ
        
        「サターン…何も考えるな」
        
        「無理、です…」
        
        「ならば命令だ。私にしたいことをしろ」
        
        「ッ…」
        
        「愛してるぞサターン…私はお前を、愛している」
        
        
        
        
 毎日のように夜呼び出され、戯れる。
        
         そして平時は何もなかったかのように接してくる。
        
         アースの体力の底が知れないが、こちらは精神的な疲労もあってか疲れてきていた。
        
         なぜアースがこのようなことをし始めたのか。
        
         心当たりはある、あぁ愛という表現を確実なものにしたいのだ。
        
         知っている、解っているのだ。
        
         しかし理性が認めない。
        
         心からアースを愛していることを認めない。
        
         それはいけないことだと認識する。
        
         右目が痛い。
        
         あぁ左目も差し上げよう。この舌も。
        
         何も見えない。何も言えない。
        
         そんな状態になれば、心はきっとアースだけのものになる。
        
        
        
        「 ち が う 」
        
        
        
         サターンは目を閉じて頭を振る。
        
         望んではいけない。
        
         それは望んではいけない。
        
        「望んでいいのだぞサターン」
        
        「!!!」
        
         後ろからアースがかぶさってくる。
        
         瞬間移動で部屋へ入ってきたのだろう。
        
         重力振にも気づかなかった。
        
         アースの吐息が耳にかかってサターンは震える。
        
        「サターン、私を見てくれ」
        
        「なぜ、です…。いけません、隊長。俺、もう持たない…きっともう…!!」
        
        「散々私の体を味わってまだいうのか?
        
         強情」
        
         アースはサターンの膝の上へ座る。
        
        「こういえばいいか?獣のようなお前が見たいと」
        
        「何故、何故…」
        
        「お前が望んでいるからだろう」
        
        「俺が!?俺が…!?」
        
         サターンはアースを見る。
        
         微笑んでいた。
        
        
        
        
 後ろから犯すこの姿は本当に獣のようだと思う。
        
         アースの身体はこのように小さかっただろうか、解らない。
        
         腕に抱きしめたアースの身体は細く折れそうだった。
        
        「アッ…あ、アァッ…!!!」
        
        「隊長…」
        
        「ンッ…!あぁぁっ…!!!」
        
         堪らず長い耳に噛み付くとアースはブルブルと震えながら甘い悲鳴を漏らす。
        
        「さた、サタぁ…!!」
        
         強請るような声にこたえるように抱き上げながらキスをする。
        
         前より甘く感じる。
        
         アースもそうなのか、何度も求め苦しいほどに貪るようなキスをする。
        
        「出しますよ、隊長」
        
        「あぁ、来てくれ…穢してくれ―――」
        
         奥で熱を放つとアースは声を上げながらだらしなく舌を垂らす。
        
        「サターンッ…」
        
         求める声。
        
         快楽に蕩けた表情に興奮する。
        
         今まで見たことがない。
        
         そうだ見なかった。
        
        「隊長ッ!」
        
        「アッ…や、だっ…」
        
         向き合う体位にかえて再び動き始めるとアースは腕で顔を覆う。
        
         腰にやっていた手を離しアースの腕を掴み上げる。
        
        「サタっ…やめ、っ見せ、たくな、い…!!」
        
        「俺は見たいです、隊長の顔」
        
        「サターン…」
        
        「好き、です隊長…許してください…壊したいぐらいに貴方が好き」
        
        「知ってる、解ってる…!ヒッ!あ、あぁぁっ…!!」
        
         ガクガク震えながらアースが呻く。
        
         あぁ一つになりたい。
        
         このまま左目を抉り出し、その柔らかい唇を感じながら押し込みたい。
        
         しかし出来ない、それを越えてはいけない。
        
         代わりに舌を捻じ込む。
        
         あぁ噛み切って欲しい。
        
         その歯で噛み切って、呑み込んで欲しい。
        
         この激情はきっとアースに伝わってしまっている、アースは相手の感情を読み取ってしまうからだ。
        
         もとから知っていた、解っていたのだアースは。
        
         あぁきっと行動に移しても受け入れてくれる。
        
         解っているからだ。
        
         だからといって、出来ない。
        
         背に回っていたアースの腕、力が篭る。
        
         爪が背に食い込む。
        
        「うっ…」
        
         アースが肩に噛み付く。
        
         サターンは何とも言えない高揚感に震えながら果てた。
        
        
        
           ****
「背中、引っ掻き傷だらけじゃん」
        
         マーキュリーがサターンの背中を指で突く。
        
        「やめろ」
        
        「治せば?地味にいたくね?」
        
        「次の調整のときに治すからいい」
        
         サターンは新しいスーツを着ながらいう。
        
        「お前ドMの変態だからな、傷を大切にしたいのはわかるぜ」
        
        「誰がドMだよ!?」
        
        「Mじゃなかったらアースに付き合えないっていうことを教えてやろう」
        
        「うっ…反論できない…」
        
        
        
        END
サタはマゾでカニバ思考があるね。
        
  
 
 
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