「…ほう、楽しそうなことをしているじゃないかマーキュリー。

 サンゴッドさまだけでは飽き足らず私からサターンも奪うつもりか」

「だからそーじゃねぇって言ってんだろ!これはスキンシップなの!」

 マーキュリーがアースに抗議する。

 マーキュリーの半身は液状化しており、それはサターンの下半身を包み込んでいた。

 先ほどまでサターンは両腕も取り込まれ動けぬ状態で下から突き上げられるように犯されていた。

 頬を朱色に染めて気持ちよさそうに鳴いていたのに今は真っ青になって震えている。

「サターン…随分と、気持ちよさそうだったな…?」

 アースの手が伸びてサターンの顔を掴む。

「ひっ…」

 涙を溢れさせる。

「なぁ?サターン…返事はどうした…?声が要らないのならその喉潰すぞ…?」

「ご、めんなさい…ごめんなさいごめんなさい」

「泣かすなよアース」

「別に泣かしていない、勝手に泣いてるんだ」

「威圧感たっぷりに脅してるからだろうがよ」

「ふん…」

 アースは手を離して椅子に座る。

「もっと乱れる姿を私の前に晒せよ」

「らしいぞサターン、もうちょっとで終わりだったのに残念だったなー」

「え、ぁっ…?いや、やめっ、マキュ…りっ……あ、あぁぁ!!!!」

 ぐじゅぐじゅと粘膜質な音を立てながらマーキュリーの体液がサターンの身体に絡みつく。

 脚は大きく開かされて接合部がアースに良く見えるような角度にされる。

 水音が大きくなる。

「あっあ、ぃあぁっあぁぁ…!!!」

 暴れるサターンだが絡み付いているマーキュリーから逃れることは不可能だ。

「ふふ…透けているぞサターン、よく見えるなぁ」

「ッ……」

 耳まで赤くしながら泣き始めるサターン。

(こいつもえらいのに惚れちゃってまぁ大変だなぁ)

 マーキュリーは同情せずとも心の中で思う。

 古株であるマーキュリーはアースのことは何となく解っている。

 サンゴッドが絡むと病的になり時には発狂するが、それ以外だと無頓着に近くなる。

 こうやってサターンを横取りされても何とも思っていないのだ。

 それがかわいそうに思えて、マーキュリーはサターンを構ってしまう。

 構ってくれるから、というのもあるのだがそれ以前に自分たちは相性がいい。

 こうやって犯して熱くなったサターンの身体を包み込んでいるのが非常にきもちいい。

 内部もとても熱くて、堅さを調整しながら出し入れを繰り返すと面白いほど身体を捩じらせようとする。

「マーキュリー」

 アースに名を呼ばれてマーキュリーは目を向ける。

「どの薬を使えば面白いんだ?」

 どこから…いや、引き出しに入れていたはずの媚薬がはいった小ビンを数本手にしている。

「お前のほうがドロボーじゃねーか。右手に持ってるやつでいいんじゃねーの」

「ふふふ。飲めサターン。こぼしたら許さん」

「お、お許しを…ほんとに、勘弁してください…」

「飲んだら許す」

「ほらほらサターン、飲んでみろって」

「あがっあっ…」

 マーキュリーに無理やり口を開かされ、媚薬を飲み干してしまう。

「たいっ…ちょ…」

「お前が素直になれば、薬なんか使わなくなるんだぞ…?」



   ****



「ブランデーティーというものを飲んだのだが良かった」

「うん、解ったけど入れすぎだと思うぞもう素直に酒飲めよ」

 アースとマーキュリーの奇妙な談笑。

 サターンはベッドの上で寝かされていた。

 二人に背を向け、小さく震えている。

「いつまで耐えるかな…」

「鬼だよなー。なぁアース、愛してるって言ってやれよ」

「言っている。あいつも。しかしあいつが遠慮をしている節がある。

 私を抱きたくないから抱かれようとしているな…抱けばいいだろうに」

「いいんだ…」

「サンゴッドさまに抱かれたいという願望はあったからな。

 別に相手がサターンに代わろうと、拒絶する気持ちはない。

 マーキュリーこそ何故サターンを抱く」

「お前ら見てると可哀想に思えて来るんだよ。ちょっと抜く手伝いぐらいしてあげたいな、と」

「下品だ…」

 眉を顰めるアース。

「お前も大概だからな!?」

「…」

 アースは静かに立ち上がってサターンのもとへ行く。

「サターン…」

 ビクリとサターンの身体が震える。

 そんなサターンに笑みを浮かべながらアースはサターンの手へ自分の手を重ねた。

「っあ…」

 硬直するサターン。

 自慰をし始めていたその手を掴まれて動けなくなったのだ。

「私がしてやろう…?なぁサターン…どう触って欲しい…?」

 静かに問いかけながら、アースは震えるサターンの手を離させて代わりにナニへ手を添える。

「隊長…手、離して…汚れる…汚れ…」

「今更」

「んぁっ、ぁ…ひっ……」

 緩やかに刺激を与え始めるとサターンはガクガクと震えながら反応し始める。

 薬のせいで息は荒く、理性もほぼ失いかけているだろう。

 アースは小さく笑いながら強く扱く。

 悲鳴のような声をあげながらサターンは熱を出してしまう。

「あ、あぁ…隊長…」

「手がお前ので汚れてしまったよ…」

 笑みを浮かべながら濡れた手を舐めるアース。

「あ、あぁぁぁっ…」

 サターンは目を見開いてアースの手を掴む。

「ダメ、だ…だめ…だから…」

「汚れたいんだよ…汚してくれサターン。お前の目を食べた時点で既にこの身体は穢れているんだ」

 アースは既に正気ではない様子のサターンにキスをして服を脱ぐ。

「抱いておくれ」

「…」

「サターン」

「隊長…」

 サターンはアースを押し倒してキスをする。

 舌が絡み合う、その感触を味わいながらふとサターンの目を口にしたときのあの感覚が思い出された。

 味など覚えていない、興奮していたからだ。

 アースはサターンの首に腕を回してもっと深く味わう。

 きっと同じ味だったに違いないと思うと、興奮した。

「ッ…は、あ…」

 糸を引かせながら顔を上げ、サターンが動く。

「あ、あっ…あぁぁぁ!!」

 アースの上へ腰を下ろして自ら咥え込んで行く。

「強情」

 苦笑するアース。

「理性を失っても自分を保とうとするのか、我侭め。私は抱けと言ったのに…」

「はっ…あ、はっ…」

 短く息を吐きながら喘ぐサターンを抱きしめる。

「気が変わった、お前はとことん虐めてやる。抱く気になるまで犯してやろう。満足だろう?」

「鬼畜だなー」

 マーキュリーが茶々を入れる。

「こいつが悪い」

「もっと可愛がってやれって」

「だいぶ可愛がってやっているぞ?」



   *****



「…う?」

 目が覚めるサターン。

「うわー!?」

 何も身に着けていないアースに抱きしめられていることに気づいて声を上げるが離してくれない。

「隊長ッ…は、離して…」

「なんで?勃つから?」

 マーキュリーが覗き込んでくる。

「な、お前いたのか!?」

「最後までつき合わされたんだよ。お前ケツ大丈夫?」

「…大丈夫じゃないかもしれない。え、てか何されたの俺…」

「可愛がっただけだから安心しろ。アースは疲れて寝ちゃってるだけだから起こすなよ

 おとなしく抱き枕になってな」

「うぐぐ…」

 唸りながらもサターンはそっとアースの腕に手を添える。

 この状態が夢のように思えて、しかし現実なのだ。

 今は幸せを感じているのにきっとこの先の自分はこれ以上を求めるようになって―――

 許されている、自分の行為はアース本人の許しを得ているのに許しを請う。

「サターン」

「!」

 アースが目を開いて見つめていた。

「考えるのをよせ…私が決める。お前は何も考えなくていい。

 初めてお前を見たときから危惧していたことがある…お前は私と似ているから」

 そして薄く笑う。

「時間はたっぷりとある。私は変化を受け入れた、お前もきっと受け入れられる…」









END