「アースよ、サターンとは上手くいっているのか?」 「は?友好的な関係を築けていると思いますが何か気になる点でも?」 少し眉を顰めながらサンゴッドに答えるアース。 サンゴッドは「ううーん」と少し唸る。 「いや、そういう関係ではなくてマーキュリーとな、お前たち二人はちゃんと恋仲になれているのかと…」 「なぜそこでマーキュリーの名が」 「今のは失言じゃ。マーキュリーと酒の席でお前たちを心配したのじゃよ」 「はぁ、とくに問題はないかと思われますが」 呆れた声色でアースは言う。 「サターンに不満はないようです」 「そうかなー」 「…はっきりおっしゃってください。怒りませんから」 「…」 サンゴッドは椅子から立ち上がってアースに歩み寄ると、その肩を掴んだ。 「サターンも男の子だよ?」 「確かに人格は雄の設定で今の肉体も雄ですね」 「マーキュリーがね、えっちの回数少なすぎるんじゃないかって!! 吾も思う!お前本当性欲無さ過ぎるよね!?アースも男の子なのにね!?」 「下品な…」 「品も何も生物として営みを重視しよ!?ううん、心を満たしあおう!?」 「……」 アースは目を細めて首を傾げる。 「満たす、とは」 アース自身、自分の心に関心が向かず、その上他人の心の「色」が見えている状態のため満ちるという言葉が解らなかった。 相手が心の中でどのように思っているのか、感じているのかを見ることができるアースはサターンの心も見えていた。 サターンはいつも自分自身に対して負を抱いているが、アースに対してそのような感情を向けたことがない。 だからサンゴッドのいうように『不満』はないはずなのだ。 「きっかけだな。うん。きっかけを作ってやろう」 微笑みながらサンゴッドはアースに小ビンを握らせる。 「何ですかコレは」 「媚薬じゃ。飲むとすぐ効くといっておった。飲むがよい。そして抱くがよい。 お前は吾に似て酒で酔いつぶせないからな。」 「……はぁ」 アースは小ビンに視線を落としながら気のない声で相槌をうつ。 「正直ここまでしてくださるのは何か裏があるのでは?と勘ぐってしまいますが」 「吾が楽しいからしてるだけじゃ!」 「でしょうね。まぁサンゴッドさまのご命令ですから言うとおりにしますけど… マーキュリーに色々吹き込まれるのはいい気分がしません」 「妬かなくても吾とマーキュリーは友のような関係じゃ、気にしなくても良いぞ!」 「…」 アースは小さくため息を吐いて媚薬を懐に仕舞うと、一礼して部屋を出て行った。 アースがやってくるのは瞬間移動で唐突になのだが、重力震を感じるサターンはアースの瞬間移動を 察することが出来るので驚きは無かった。 「珍しいですねこんな時間にくるなんて…って何持ってるんですか」 「手錠だが」 「なんで!?」 「確認するためだ、手を後ろに回せ」 「えぇぇぇ…アンタ何したいの……」 言いながらサターンは抵抗せずアースの言うことをきいて後ろ手に手錠で拘束される。 「一口飲め」 「んん…」 小ビンの中の液体を一口飲む。 そして床に座らされ、アースは足を組んで椅子に座る。 (な、なんなんだ…一体なんなんだ…) 何を飲ませられたのか解らないがおそらく中身の効果を確認したいのだろう。 アースは表情ひとつ変えることなく見下ろしてくる。 サターンは顔を伏せてこれが終わるのを待ちたかった――― 「ッ…ゥッ…ンッ……」 サターンは身を縮めて震えていた。 全身が熱い。 熱い息を吐き出したいが、それに混じって声が漏れそうで必死に耐えていた。 勃起した自身がズボンに擦れて、その刺激がもどかしい上に苦しい。 何を飲まされたのか察することができたが熱で思考が鈍る。 「サターン…」 「…?」 名を呼ばれサターンは視線をアースに向ける。 アースは表情ひとつ変えずに片方のブーツを脱ぐとその白い素足を伸ばしてくる。 「脚が邪魔だ」 「え?ぁ?」 理解できぬままサターンが脚を開くとそのままアースの足がサターンの股間を踏む。 「ッあああああァァァ!!?」 痛くはないし、そんなに強く踏まれたわけではないのだが刺激としては十分だった。 サターンは仰け反りながら床に倒れる。 「気持ちいいのか?えぇ?どうだサターン」 強弱を付けながら布越しに扱いてくるアースの足にサターンは身悶える。 「たいっちょぉ!やめ、たいちょうっ!!」 涙を零しながら首を振る。 欲しい刺激だがイキたくないという理性がまだ残っていた。 「気持ちいいのかと聞いている」 「ヒッ…き、もち、イイですっ…ッ気持ちいいからぁ…!!」 泣きながら答えるサターン。 「相変わらずマゾだなお前は」 アースは目を細めて足を上げるとそのまま立ち上がり、サターンに近づく。 「薬は利いているようだな…仕方が無い、私も飲もう」 言って残りの全部を飲み干してしまう。 「!!!!????」 「サンゴッドさまが私に飲めとおっしゃってな…しかしどこの薬か解らなかったから お前に毒見させたんだ」 サターンは気が遠くなりそうだった。 むしろこのとき気絶していれば楽だったかもしれない。 「効果がでるまで少し時間があるな…ふふ、苦しいか?」 微笑みながらアースは冷たい左手でサターンのそれを撫でる。 「ひぅっ!!!!」 「お前の、その我慢する声が好きだよ…いつまで我慢できるかな?」 「アッ…ウッ…ウゥッ…」 今度は手で刺激されはじめてサターンはぎゅっと唇をかみ締める。 我慢しなくてはいけない、アースがそれを望んでいるから――― サターンは必死に耐えるが身体が言うことを聞かない。 すでに先走りで湿り始めている。 「我慢」 「うぁぁぁっ!!!!」 先端を指先で強く擦られる。 布越しといえど、敏感になっている今の状態では酷い仕打ちである。 耐えることは出来たが、サターンはガクガクと身体を震わせ虚ろいだ目が宙をさまよう。 「偉いぞサターン?」 アースの暖かい右手がサターンの頬を撫でる。 「あ、あぁ…隊長…」 頬を撫でられているだけなのに胸が高鳴る。 蒼い瞳を直視できず、視線を逸らしてしまう。 「サターン…」 「う…」 唇を重ねられ、アースの舌が侵入し絡まってくる。 息が苦しい、いつも以上に興奮している自分がいる。 それはアースも同じらしい、いつもより舌が熱い気がした。 「んん…体温が上昇してきた…効いてきたようだな…拘束は解いてやろう」 **** ベッドの上でサターンはアースに後ろから激しく犯されていた。 普段も乱暴だが今日は普段以上に乱暴だ。 しかし薬のせいで普段以上に感じてしまう上に、アースの愛撫もあった。 「サターン、気持ちよさそうだな?」 アースが語りかけながら背中にキスをする。 「うっ…はひっ…たいちょぉ…」 快楽に意識が沈んでしまいそうになりながらも必死にサターンはアースの言葉に反応しようと努力していた。 ほとんど呂律が回らなくなってきており、それがまたアースを愉しませているようだった。 「そろそろイってもいいぞサターン?」 アースは微笑み、サターンのナニを強く扱きながら腰を動かし始めた。 サターンは声を上げながら果ててしまう。 「サターン」 項垂れるサターンの頭を掴んで上げさせる。 「サターン!」 「ヒッ…いや、たいちょう…いやっ…ゆるして…」 「意識を飛ばしたら許さん」 耳元で囁く。 サターンの身体が震えているが恐怖も混じっている。 それがとても愉快で仕方が無いのだ。 この気持ちが何なのかよくわからない。 あの時からだ、サターンの右目を抉った時の、あの瞬間 内側から沸き起こってきた何かを、押さえきれず無意識に目を抉っていたのだ。 そして飲み込んだ。愉快に思えて笑い出してしまった。 自分でもなぜそうしかのかわからないし、どうして笑っていたのかわからない。 そしてサターンも…なぜ絶望した表情をしながら、笑っている自分をみてうれしそうな顔をした? アースはサターンとの体位ををかえる。 顔を合わすとサターンはうれしそうな表情を浮かべた。 そして視線をすぐ外す。 「私を見ろ」 「う…」 命じればちゃんと見る。 しかし不安げな表情で。 この不安は内に向かっている。アースに対してではない。 この男は自分自身に対して何を恐れているのか――― サターンは言われたとおり意識を飛ばすことはなかったが理性は崩壊してしまっているようで嬌声を漏らすばかりだ。 「あっあぁ…!アースたいちょうの、いっぱいキて、ますっ…ぁぁ俺の、なかっ…いっぱい…」 中に注ぐと壊れた笑顔を浮かべながら喋らせていた言葉を素直に言ってくれる。 「もっと欲しいか?」 「もっと…もっと…」 声が震えている。 さすがに理性を失っていても身体が限界に近づいているのだろう。 「サターン…」 アースはサターンを抱きしめる。 「ごめ、ん…アース、許して…好き、好きだ、ごめん、好きなんだ」 「なぜ私を愛して罪になる?自分で自分を罰する? お前にそんな権利あるのか?ないだろう?」 力を失っていくサターン。 「おい、サターン。起きろ」 揺らしても反応がなくなる。 「私はまだ終わっていないぞ。お前いつもそうだな!?いつもいつも!!!!」 気を失っているサターンにアースは理不尽な怒りをぶつけていた。 **** 「はっ…」 目を開くサターン。 「うわっ…」 尻から何やら溢れ流れてくる慣れない感覚に眉を顰める。 「起きたかサターン」 「アース隊長…う!?」 サターンは横にいたアースに気づきそして…萎えてないそれをみて呻いた。 「あの…」 「お前より私のほうが薬を飲む量が多かった」 「え、えぇ…ご自分でどうにかしなかったのですか?」 「お前がいるから目が覚めるまでまとうかと思ったんだが?」 「アンタむちゃくちゃすぎ」 「口でしろ」 「口って……」 サターンは遠慮がちにアースに近づくと、そのままアースのナニへ顔を近づける。 (口でするの初めてだけど…) サターンはそのまま口に咥え奉仕を始める。 「くすぐったいものだな」 「うぅ…」 次第にサターンは懸命に舌を這わせはじめる。 愛しい、とても愛しい気分。 アースにどんな形であれ奉仕しているという感覚に酔ってくる。 「出すぞサターン」 「ッ…」 奥まで咥え込んで熱を受け止める。 そして零さぬよう飲み込みながら残りも吸い上げる。 (あぁ…俺、隊長の飲んでる……) ゾクゾクとした感覚が走る。 「気に入ったのなら次からしてもらおうか」 「えっ!?いや、その…」 顔を赤くするサターン。 「そうだな、いつでもいい。お前から言って来い。咥えさせてやる」 目を細めて口端を吊り上げる。 とんだ羞恥プレイである。 「サターン」 アースはサターンを抱きしめる。 「抱きしめ返せ」 「え、あ、はい」 サターンも恐る恐るであるがアースに腕を回した。 「お前…私に触れることを極力抑えているだろう?遠慮か?」 「は、はぁ…」 「それとも犯したくなるのか?」 「…!」 サターンはアースの顔を見る。 「だから謝るのか?私を穢すと?」 「…そう、考えてしまうときは…あります…」 あの不安げな表情を浮かべながら答える。 「でもそれは嫌なんです。俺はアンタにそうしたいわけじゃなくて…そういうのが欲しいんじゃない」 「お前を虐めるのは楽しいが…あぁ、この気持ちはわかったぞ、寂しい。私は寂しい。 お前は私を受け入れたいのだろう?ならばこの感情を埋めてくれ」 「隊長……」 サターンの腕に力がこもる。 「隊長に愛されているのが、恐ろしくて…うれしいのに、恐ろしくて… だから一方的に好きだと伝えるだけで終わって…俺は、本当に…」 「そうやってまた自分を責めるのか。許すよ…全て許す。」 アースは微笑みながらサターンの頭を撫でた。 END |