IFな話かもしれない
えっちを覚えるマースさん



 マースの能力の一つに『読み取り』という能力がある。

 アースの感応能力の一種であり、それは他種族(異星人)の兵器を吸収するというものである。

 マースはそれをナパームの脳に対して行い、その十分すぎる兵器の知識(マースにとって白兵戦武器の知識で十分であった)を得たのである。

 しかしそれはかなりの過負荷を与えるらしい。

 読み取られたナパームが数日間眠り込んでしまったぐらいである。





 そして、和解後、一時的にかもしれないが穏やかな生活となったとある日。

「なぁナパーム、もっかい読ませてくれねー?」

「はぁー!?」

 マースの申し出にナパームはハッキリと解りやすくNOの態度を示した。

「お前のせいで俺はラリったんだぞ!!!錯乱状態、わかるか!?頭ン中ぐるぐるするわ自分で何を喋ってんだかわかんないわ

 散々だったんだからな!!?」

「免疫ついてるハズだからだいじょうぶだって。」

「根拠は?」

 ジト目のナパーム。

 マースはニコニコといつもの笑顔で表情一つ変えずに「ない」と言い切る。

「帰れ…」

「えぇぇー!なぁなぁ俺の話聞こうぜ!?

 俺たちトモダチじゃん!?銃仲間じゃん!!!」

「む…」

 トモダチ、という言葉にナパームは唸る。

「話だけ聞こうか?」

「さすがナパーム!あのな、俺も地球人の知識に興味が沸いてきたんだよ。だから欲しい!」

「奪うな、学べ。以上」

「えー!俺、ナパームの知識が欲しいんだよ!」

「武器の知識で十分だろうが!」

「ケチ!いいじゃねーかちょっとぐらい!」

「やめっ!」

 飛び掛ってくるマースをナパームは蹴り飛ばし、しかしマースは床に倒れる前に手を突いてそのまま跳ねる。

 そして殴り合いが始まるのだが怪力とはいえ、普通の人間であるナパームに地球外生物兵器とマトモにやり合えない。

 そのまま組み敷かれ頭を掴まれる。

「イヤだッ…」



  バチィ!!!



 電流のようなものが走り、ナパームは悲鳴を上げる。

「んー?」

 頭から手を離し、マースは首をかしげる。

「よく解らない…そうだ、ネプチューンに聞こう」

 端末を取り出してネプチューンと連絡を取り始める中、ナパームはマースの下でもがきながら、床に爪を立てて逃げようとしている。

 ガクガクと身体が振るえ、力が入っていないようだ。

「読み取ったんだけどよく解らなくてさ…」

 マースはナパームを逃がさぬよう片腕で抱き上げそのまま膝の上に乗せる。

「え、読むだけじゃ解らないの?フクザツー…」

 端末を切るマース。

「えーと…なんか、俺が読むだけじゃダメみたい…お前の感情とリンクしないと俺が理解できないんじゃないかって…」

「うっ…ぅぅ…」

 ナパームはマースから逃れようと必死だ。

「もうちょっとだけガマンして、今度は大丈夫。強引に知識を引っ張ったりしないから」

「うっあ!」

 再び頭をつかまれバチリ、と再び電流が走る。

「あ、あっぁぁぁっ!!!!!!」

 ナパームは身悶えながらマースの腕を握り締める。

「かはっ…」

「……」

 ゆっくりと彼の『記憶』を読み取っていく。

 地球人の知識を学ぶのは容易いことである。

 ただ、マースはナパームに興味があったのだ、だからナパームが欲しかった。

 ずるり、とマースの腕からナパームの手がはずれる。

「あっ…ぁ……」

 艶っぽい声に聞こえる。

 手で表情が見えないがきっとそそる表情だろう。

 マースは特に、他者との交流が不得意であった。

 自分があまりにも他人と違いすぎて加減がわからなかったし、感情も常に躁状態で相手の考えが読み取れなかった。

 今ならきっと大丈夫だろう、ナパームの微細な変化に気づけた。

 手を離す。

 焦点の合わぬ虚ろな表情のナパームはぐったりとマースに身を落とす。

「…ナパーム」

 普段見ない表情に心がざわつく。

 あぁ自分は欲情しているのだ、と納得した。

 否定はしない、抱く感情を受け入れるのみだ。

 自分はナパームと居ると楽しい、それは戦闘のときでも…それは敵意であっただろう、しかし今は好意を抱いている。

 ナパームの知識しかないが、大丈夫だろうもともと本人の知識だ。

 マースはキスをする。

「んっ…ぅ…」

 正気ではないナパームはそれを受け入れてくれる。

「なるほど、ネプチューンも気に入るわけだ。気分がいい」

 微笑んでマースはナパームを寝かしそのままズボンを剥ぐのだが、そこで気づいた。

「…しまった、生えてないぞ俺は。」

 生殖器官は生憎つけていなかった。

 代わりの物を生やすことは出来るが、金属だしそれは流石にナパームも耐えれないだろう。

 マースはウーンと考えて、ニヤリと微笑む。

「道具というものがあったな…」



    ***



「んぁっ…あぁぁっ…!!ひぃっ」

 ナパームは喘ぎながらマースの腕にしがみ付いている。

 マースの手により秘所にバイブを捻じ込まれたナパームはマースに抱かれたままされたい放題であった。

「いいなぁ、かわいいなぁお前。ここ好きだろう?」

「いやっあ、あぁぁぁぁ!!!!やめ、うあっあぁぁぁ!!!!」

 軽々と脚を掴み上げられそのままバイブを乱暴に動かされてナパームは悲鳴を上げる。

「物足りない?ごめんなー、今度からちゃんとつけてくるから。」

「い、るかっ…!」

「あ、正気に戻ったか。な?免疫ついてるだろ?」

「やかまし、いっ!!!」

 ナパームはマースを睨む。

「か、身体が変、だ…くそっ力が…」

「まだ痺れてるんだって。戻るまで気持ちよくしといてやるからさ」

「うるさいばか!クソ宇宙人あとで蜂の巣にしてやるからな!!!」

「いいぞ!サバゲー大好き!」

「実弾だバカぁ!!!」










END