違和感。

 重苦しい空気を感じる。

 サターンは目を覚ます。

「!?」

「よう、起きた?」

 ぐちゅり、と音を立てながらマーキュリーが顔を覗かせてくる。

 身体が動かない。

 マーキュリーが全身に絡まっていた。

「な、なんだ!?」

「んーと、夜這い?今日は冷えるからさぁ」

「一々人の体温で暖を取るな!」

「いいじゃんちょっとぐらい…ホラ気持ちよくしてやるしさ」

「ひぃ!?」

 サターンは引きつった声を上げる。

 もう既に中に侵入されていた。

「お、お前ッ…アッ!?ッアァァッ!!!!」

「おお、どんどん体温上がっていくなぁ、本当お前大好き」

 マーキュリーはサターンの脚を押し広げながら腰を動かし始める。

 もちろん動かさなくても自由自在に中を犯すことはできるのだが、サターンのためである。

 視覚情報から「犯されている」と認識させる手法の一つだ。

 真似事をするのは好きなのでマーキュリーは楽しそうに動く。

「なぁなぁ、アースのそれのカタチにしてみたけど、どう?」

「!!!?」

 サターンの顔が真っ赤になる。

 今気づいたらしい。

 きゅうきゅうと締め上げてくるのが愛しく思える。

「あ、解らなかった?そっかもっとこう…かな?」

「ッあぁぁぁ!!!!!」

 深く挿入されてサターンはマーキュリーに脚を絡めて抱きつく。

「た、たいちょ…うっ…ッ…ッ」

 サターンは唇を噛み締めて首を振る。

 しかし身体は言うことを利かないのか、腰を揺らしてくる。

『サターン』

 マーキュリーはサターンの目を手で塞ぎながらアースの声で囁く。

「たぃ、ちょぅ…」

『目を開くなサターン…そのまま身を委ねろ』

「っ…はぃ」

 こうしないとサターンが自分を許さないのだ。

 いつもの儀式を行ったマーキュリーはより深くサターンの体温を感じるために動く。









 ベッドの上で四つん這いになりながらサターンはシーツを握り締めて声を上げていた。

 否定も肯定も出来ないのでただただ声を上げるしかないのである。

「膀胱まで犯されて気持ちイイ?ほら、今お前の内臓撫でてるけどどう?」

「〜〜〜〜ッ!!!!」

 サターンはシーツを握る手に力を込めてぐしゃぐしゃにしながらその刺激に反応する。

 声が出せないのか、ガクガク震えながら身を縮める反応が可愛くて楽しくてマーキュリーは笑う。

「アースみたいに脳も弄れたらもっと気持ちいいんだろうけどな。

 さすがに俺じゃ物理的にしか弄れないし戻せる自信ねーや。カカカカッ!!!」

 マーキュリーはサターンをひっくり返して仰向けにする。

「ひっ…」

「さっき食べさせた俺の一部どう?気に入った?」

 マーキュリーはサターンの腹をなでる。

「まー、きゅりー…」

 虚ろなサターンの目はそのマーキュリーの手へ視線を落とす。

「…まーきゅりー、は…おれ、が…守らないと、いけなくて…」

 笑みを浮かべながら自分の腹を撫でる。

「意識が混濁してきてる?ラリってるサターン好きだよ、おかしくて。

 守ってくれるの?」

 サターンの頬を撫でながらマーキュリーは囁く。

「そう…守る…」

「嬉しい、好きだよサターン。そういうところ。ごめんね、お前のエネルギー奪うことしか出来なくて。

 本当にごめんなぁ?俺なにもお前に与えられない。こういうことしかできなくて」



   *****



「あっ…あぁっ…たい、ちょう…!たいちょう…!」

 マーキュリーの上に跨って腰を動かすサターン。

 その目には目隠しがされている。

(動かなくていいの楽でいいけど暇だな〜)

 乱れるサターンを眺めるのも楽しいのだが、少し暇を感じるマーキュリー。

『そんなに私がいいのか?サターン?』

「は、ぃぃ…」

 マーキュリーはサターンの手を掴む。

『ここが好きなようだ、な?』

「ッッ!!!!」

 仰け反って身体を震えさせるサターン。

 余程感じたのか、唾液を垂れ流してしまっている。

『サターン、口が緩んでいるぞ?』

「も、ぉしわけっ…んっひぃ!!!」

 その感じる部分を激しく突き上げられ始めてサターンは混乱する。

「ッアッたい、ちょう!っ…あ、あぁぁぁっ…!!」

 射精してしまう。

「っやめ、たいちょう、イったばかりで、やっ」

 抵抗しようにも逃れることなどできない。

 楽しくなってくるマーキュリー。

「また随分と楽しんでいるな」

「なんだ、もう来たのかアース」

 呆れた表情のアースが立っていた。

「普段もその様に甘えればいいものを」

「遠慮してんだよ」

 アースは歩み寄るとサターンに手を翳す。

「ッ!!!!」

 バチンッとサターンの目の前で火花が散るような感覚。

 完全にサターンの身体が動かなくなる。

 脳に直接『快楽』を送り込んでオーバーヒートを起こさせたらしい。

「お前の名前呼びながら腰を振るサターン可愛かったぜ」

「煩い。」

「折角俺がさぁ、サターンの身体に快楽を覚えさせてやってんのにそうやってショートカットすんの止めてくれよ。

 だいぶ感じるようになってきてると思うんだけどなぁ」

「スライム仕様じゃないか。」

「えー!大丈夫だって!」

「…」

 アースはサターンを抱き上げる。

「あとの片付けは任せたぞ」

 そういって瞬間移動をする。

 おそらくお持ち帰りというやつだろう。

(がんばれよサターン…)









END