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「ウェーブすみません、ムリを言ってしまって…」
        
        「だ、だいぶ無理…」
        
         ウェーブは青ざめた表情でネプチューンに答える。
        
        「わたし、親しい地球の方はウェーブしかいませんので…。
        
         まさかナパームさんが不在だったとは。ははは」
        
        「ははは…」
        
         二人は今、街にいた。
        
         遊びにきたわけでも買出しに来たのでもない、ネプチューンのお仕事遂行のために出てきたのだ。
        
         ネプチューンの姿はいつもの戦闘服ではなく地球の服装…スーツ姿だ。
        
         しかも上質な。
        
         国を乗っ取るとそれなりに裕福になれるのか、とあまりその辺りの想像は疎いウェーブは首をかしげる。
        
         ヒレはどうしたのか聞いたら「引き千切りました」と爽やかに答えたので、本当に引き千切ったのだろう。
        
         ウェーブも普段のゆるゆるな(グラビティーいわくよれよれな)服装からスーツに着せ替えられている。
        
         一応、ネプチューンの護衛という立場になっているらしい。
        
        「オレ、護衛しなくてもよくない?
        
         お前強いじゃん…」
        
        「形は大切だと隊長がおっしゃっていましたので。
        
         ウェーブさん黙ってたら怖い顔してますから適任ですよ~」
        
        「オレよりジャイロのが怖いと思うけど」
        
        「あはは、そうですね~」
        
        「はぁ…。あとさ、偉い立場ならさ、車とかで移動しない?
        
         なんで公共機関使うんだよ…死ぬ」
        
        「知識では知ってるんですけど、やっぱり自分で使って見ないとイメージしにくいですからついでです」
        
        「うぅ…」
        
        「あー、ここですねー」
        
         そういって足を止めるネプチューン。
        
         目の前には高級感あふれるホテルだ。
        
         おそらくここで会合が行われるのだろう。
        
         どういう相手と何をするのかは知らないが、銃撃戦にならなければいいなと願うばかりだ。
        
        「ウェーブはリラックスして床でも見ててくれればいいので」
        
        「うん、そうする…」
    ****
 ネプチューンはスペースルーラーズの副隊長である。
        
         穏やかな笑顔、優しい声色で相手を落ち着かせながらも容赦ないからこそ、であろう。
        
         彼は妥協しない。
        
         優雅に泳いで獲物を食らうのではなく、深海の暗闇から急速に接近して食らうタイプだ。
        
        (サメだよなー。)
        
         ウェーブに優しいのはウェーブが特別だからだ。
        
         きっと惚れられていなければ、彼の海に引きずりこまれて溶かされていたことだろう。
        
         会合相手もたじろむ場面が数回見えた。
        
         しかし会話の内容は穏やかだ。
        
        (わー、絨毯ふわふわすぎじゃないかこれ?意味あんの??わー、高級ってすごいなー)
        
         プレッシャーというストレスに負けてきたウェーブは床を見つめながら現実逃避し始める。
        
         本来ならば会話の内容を覚えてそれを自分の組織に報告するべきだろう。
        
         しかしそこまでの力はウェーブにはない。
        
         グラビティーもそれを認めているらしく情報を持って帰れと言うクリスタルに何か言っていた。
        
         たぶんボロクソに言われてたと思う。
        
        (頭悪いの仕方ないじゃん…もともと要領悪いし…)
        
         字は自分の名前しか書けない、簡単なものなら何とか読めるが新聞などは無理だ。
        
         任務時も一応文章に目を通すが、仲間が簡単に口頭で説明してくれる。
        
         それに比べてネプチューンたち宇宙人はネット経由で頭に叩き込まれるらしい、ずるい。
        
        「ウェーブ」
        
         ネプチューンが立ち上がってウェーブの肩に触れる。
        
         帰るらしいと判断し、ウェーブはネプチューンの後ろをついて歩く。
        
        (オレ…あれかなぁ、宇宙人の犬みたいに見られてたりするのかなぁ…)
        
         どっちかというとネプチューンが犬…なんて思いながらエレベーターに乗る。
        
        「あれ?上にいくのか?」
        
        「そうですよ?せっかくですしこのまま泊まります」
        
        「……はぁ!!!?」
        
        「いいじゃないですかウェーブ!一緒にお泊りしましょうよー!」
        
        「そのためにオレを呼んだな!!!???」
        
        「はい!」
        
         満面の笑みで頷かれる。
        
        「待って、ナパームに連絡してみるから…繋がればいいけど」
        
         ウェーブは端末を取り出して操作をする。
        
        『…ウェーブ?どうした?』
        
        「あ、ナパーム大丈夫か?なんか爆音聞こえるけど」
        
        『問題ない…』
        
         ガチャっと音が聞こえてきたあと「サーチ!ロケランで片しとけ今取り込んでるから!!」というナパームの声が
        
         遠くのほうで聞こえてくる。
        
        (めっちゃ戦闘中…)
        
         タイミングを誤ってしまったと項垂れるウェーブ。
        
        『すまない、何かあったのか?』
        
        「いや、あの、ごめん。ネプチューンと一泊してもいい?」
        
        『録画』
        
        「は?」
        
        『録音でもいいから』
        
        「録音?」
        
        『すまない、ちょっと森燃やしてくる。あとはネプチューンに任せるから』
        
         通話終了。
        
        「……」
        
         ウェーブは泣きそうな顔でネプチューンを見る。
        
        「つまり、えっちなことはOKするけど録画、それができなければ録音しておけといういつも通りのパターンですね」
        
        「なんでセックス前提なの?ナパームがダメっていえばやらないのになんでだ?」
        
        「見たいからでは?まぁわたしもみたいので気持ちはわかります」
        
        「……」
        
         エレベーターが丁度到着し、二人は出る。
        
        「…え、これなに。最上階っぽいんだけど」
        
        「スイートでーす!」
        
        「はぁ!!!???」
        
        「アース隊長が、我々は国の高官に価するからそれなりの振る舞いをしなくてはいけないとおっしゃってまして。
        
         まぁ別にスイートでも何でもいいんですけどねー」
        
        「疲れる…」
        
         部屋の奥へと進み、室内の豪華さに圧倒されウェーブが萎縮する中、ネプチューンは楽しそうに手招きをする。
        
        「ウェーブウェーブ、見てくださいこの景色!」
        
        「あ、あぁ…」
        
         広がる街並み、きっと夜景は綺麗だろう。
        
         しかしこの二人の感覚は一般人と違う。
        
        「…ゴミみたいだな」
        
        「さすがウェーブ!なんか散らかってる感じがすごいですよね!片付けたい!」
        
        「さ、更地にするのは止めとけよ…」
        
         ネプチューンなら本気を出さなくてもやってしまいそうで恐ろしい。
        
        「ウェーブ、全裸になります?しんどいでしょう?」
        
        「あぁ、うん…」
        
         ネプチューンが優しくネクタイを外してくれる。
        
        「お酒とか持ってきてもらいましょうか。」
        
        「全部奢りなら」
        
        「当然ですよ~」
        
        
        
           ****
 キングサイズのベッドの上で何も纏わぬ姿で横になりながらウェーブはワインを飲んでいた。
        
         ネプチューンはアースとやり取りをしている。
        
        『問題なく順調だな。これから外交関係はお前に任せるとしよう』
        
        「サターンはダメだったんですか?」
        
        『あいつは余計なことを考える』
        
        「あぁ、なるほど。」
        
        『今の所予定は詰まっていない、ゆっくりして帰ってくるといい』
        
        「ありがとうございます」
        
         通信が終わり、ネプチューンはにこにこしながらベッドに上がる。
        
        「お待たせしました」
        
        「別にまってないけど…」
        
        「そうですね、わたしが待て状態でした」
        
         くすくす笑いながらネプチューンはウェーブにキスをする。
        
         軽く唇に触れてから、強く押し付けそのまま舌をもぐりこませてくる。
        
         長い舌だ、喉の奥まで侵入してくるこの感覚は当初戸惑いしかなかったが、これが癖になってしまうよう調教されてしまった。
        
         息苦しい感覚が気持ちよくて、ウェーブはネプチューンに腕を回す。
        
        「っは…あぁ…」
        
        「わたしのキス、とてもお好みのようで…」
        
        「ん…気持ち、いいから…って録画ッ!!!」
        
         ちゃっかり片手で端末を持って録画しているのに気づく。
        
         ウェーブはそれを凝視してあわあわするがネプチューンはそのままウェーブを押し倒す。
        
        「大丈夫ですよウェーブ、ナパームさん公認のセックスですからどんどん乱れちゃいましょう?
        
         むしろ見せ付けるぐらいが好ましいかと思われます」
        
        「は、恥ずかしいっていってるだろ!!!!」
        
        「まぁまぁ、初めてじゃないんですから…軽く準備からはじめましょうか?」
        
        「うぅ…」
        
         ウェーブは唸りながら、ネプチューンのズボンの中から凶悪なナニを取り出す。
        
        (ホントなんでこんなカタチを…ナパームのせいだ…)
        
         それを咥え、奉仕し始める。
        
        「ふふ、美味しそうに舐めてくださいね~」
        
         いいながらネプチューンはウェーブの前髪を掻きあげる。
        
         優しい手つきだがウェーブは気が抜けない、いきなり力を混めてくるからだ。
        
        「あ、そうそうこの前ナパームさんとお話しましてね、『お掃除フェラ』というのもいいんじゃないかと」
        
        「んん?」
        
        「あ、そのままで聞いててください。
        
         さすがにわたしもナパームさんも実行は難しいので擬似的にそれっぽくできるようにしてきいました」
        
         …してきました、という言葉にウェーブは眩暈を覚える。
        
         万能ペニスもそこまでしなくていい…と生物兵器の機能を恨んでしまいそうになるが、使う者が悪いのだ、技術は悪くない。
        
         口の中で少しナニの形が変わる。
        
        「舌でなめとるようにお願いしますね」
        
        「注文多すぎだろ…」
        
         ウェーブは咥えるのを辞め、舌先を伸ばして先端を覆う皮(さっきまで被っていなかったのに)を剥くように舐め始める。
        
         舌に白い塊がつくが擬似というだけあって匂いも味もない。
        
         もちろん悪臭があろうとも舐めることは可能であるが。
        
        (ナパームが喜ぶように…って、どう……?)
        
         チラっとネプチューンを見上げる。
        
         にこにこしながら録画している。
        
        ( 無 理 ! )
        
         涙目になりながらウェーブは半ばヤケクソ気味に舐め取るのを続ける。
        
        「うぅ…綺麗に、ならない…」
        
        「練習ですねー。うふふ、また後日ナパームさんと一緒に」
        
        「また一般じゃ使えない技能を一つ増やしてしまう…」
        
        
        
            ****
「っう、ぁ、ぁぁっ…!!」
        
         ウェーブは喘ぎながら腰を揺らす。
        
         ナパームの次にネプチューンのナニが大好きになってしまった。
        
         そういう身体になるよう覚えこませられたのだが。
        
         ナパームのように特別奥へは届かないが、そのかわり凹凸がある分抉られるような快楽はとても耐えることができない。
        
         その上激しくなく、じっくりと犯される。
        
         そのもどかしさにウェーブは自ら腰を振ってしまうのだ。
        
        「ひぅっ…あっ…ぁぁぁ…」
        
         シーツをくしゃくしゃに握り締めながら、ネプチューンの腰に脚を絡ませウェーブは腰を浮かせる。
        
        「ふふ、自分でいいところ見つけて可愛いですね…
        
         ここが気持ちいいんですか?」
        
         ネプチューンは腰を動かす。
        
        「あぁっ! いい、きもちいいぃ……」
        
         涎を垂れながしながら善がるウェーブ。
        
        「もっと、えぐって…ねぷ、もっと強くシてぇ……!」
        
         涙を流しながらおねだりをする。
        
        「あぁ可愛い…でもまだ自分でできますよね?」
        
        「うっあ…うぅぅ…」
        
         ネプチューンに抱き上げられ、ウェーブはネプチューンにしがみ付き身体を押し付けながら腰を上下に揺らし始める。
        
        「あ、この態勢ウェーブの顔が撮れない。」
        
        「バカぁ!」
        
        「あはは、すみません。」
        
        「と、とめられないからぁ…!!」
        
        「そうですよね、わたしももう我慢できないかな…」
        
        「あっあぁっ…あぁぁぁぁぁ!!!」
        
         ガクガク震えネプチューンに強く強くしがみ付く。
        
         ほぼ同時に達する二人。
        
        「うぅ……」
        
        「お疲れ様ですウェーブ。あ、そうだダブルピースして顔の横で」
        
        「…バカじゃないの…」
        
         文句いいながらもウェーブは言われたとおりにする。
        
         それを嬉しそうに撮るネプチューン。
        
        「可愛いですよ~」
        
        「可愛くないから…」
        
        「ふふふ」
        
         ネプチューンはウェーブを抱き上げて風呂場へ向かう。
        
         シャワーで汚れを流した後、事前に用意していた湯船へ二人で入る。
        
        「今日もありがとうございますウェーブ」
        
        「うん…」
        
         ウェーブはネプチューンに後ろから抱きしめられた状態だ。
        
         そのネプチューンの腕に触れる。
        
         今日はヒレがないのでなんだが新鮮だ。
        
        「取れるんだな、ヒレ。どうして普段生やしてるんだ?」
        
        「地球に落ちた当初に取り込んだのが魚でしたので、その名残なのですが…
        
         ふふ、わたし魚が好きですので」
        
        「ふーん。オレも好き」
        
        「ウェーブ…」
        
         キスをされる。
        
        「愛しています…好きです…あぁこうやって一緒にいられるのが幸せ…」
        
        「…お前本当に、これでいいの?」
        
        「いいんです…わたしのことは気になさらないでください。
        
         貴方と出会えたことが、とても嬉しいんです。」
        
        「お前、変だよ…。本当…変…」
        
        「よく言われます。お風呂から出たら寝ますか?」
        
        「うん、その後何か食べたい」
        
        「解りました」
        
        
        
        END        
        
  
 
 
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