ウェーブはナパームの部屋に入る。

 預けられた鍵で自由に出入りが出来る。

 ナパームは今任務でここにはいない。

 いつ帰ってくるのか、任務内容は同僚であっても作戦を担当していなければ教えられない規則なので知らない。

 ウェーブはただ掃除をし、ただその部屋で何もせずぼうっとして時間を過ごすことがある。

 それ以外はベッドに寝そべる。

 ナパームのコートを抱きしめて。

 最初はそれで満足していたが日に日に想いは募っていくらしい。

 我慢できずに自慰をしてしまったのがいけなかったのかもしれない。

 身体がナパームを求めているのかもしれない。



 あぁ、恥ずかしい。



 ウェーブは泣きそうになりながら、いつもナパームがしてくれるように、する。

「ふっ…う、ふぅっ…」

 誰もいないが声を上げるのは嫌だった、恥ずかしい。

 ナパームのコートを噛みながら濡らしたバイブを自分で挿入していく。

「はっ…ナパーム、ナパームっ…」

 奥まで入れるのに時間が掛かる。

 涙が止まらない。

「んぅっ…あぁっ!!あ、ぁぁっ…ナパームぅ…!!!」

 バイブを動かしながら、自身を慰めるウェーブ。

「き、もちいいっ…なぱーむ、きもちいいっ……!」

 行為を思い出しながら、ウェーブは声を上げる。

「うぁ、あっ…」

 身体を震わせながら射精する。

「なぱーむっ…好き、なぱーむ…」

 ぎゅっとコートを抱きしめながら言うウェーブ。

「あ、あぁっ、また、キた…」

 ナパームの香りを感じて、ナパームを思い返すと身体がゾクゾクしてくる。

 こんなにもナパームを想っているのか、

 いやこんなにも身体が飢えているのか、

 恥ずかしいと思いながらウェーブは快楽に抵抗できなかった。



   ****



「……!?」

 ウェーブはナパームの部屋からでて帰ろうとしたときに、部屋の前で座り込んでいる影に気づいて硬直した。

「や、やぁ…」

 ナパーム本人だった。

 気まずそうにしながら笑顔で手を挙げる。

「ぎやあああああああああああああああああああ!!!!!!!?」

 ウェーブはへたり込みながらも悲鳴を上げてナパームからずりずり逃げる。

「あぁ!?まってウェーブ!まって!!!」

 ウェーブを捕まえるナパーム。

「だめだめだめ!!!気持ち悪いだろ!お前もうオレのコト幻滅してる!!」

 泣きながら喚くウェーブ。

「いや!それを言うならここで終わるまで待ってた俺が悪い!違う場所にいけばよかったんだ!!

 ウェーブは何も、悪くないぞ…その…」

「…?」

 ナパームは顔を赤らめる。

「俺はお前の、喘いでる声…聞きたかった…だけ、だから…」

「〜〜〜〜〜〜!!!!!」

 手で顔を覆うウェーブ。

「本当にすまない!!!」

「いや、でも、俺がっお前の部屋でオナってたのが、気持ち悪いだけだし…!

 なぱーむわるくないしっ」

 ぐすぐす泣きながらもウェーブは言う。

「ウェーブ…」

 ウェーブを抱き上げてナパームは部屋に帰るとそのままベッドにウェーブを降ろす。

「寂しい思いをさせてしまったな…逆だったら多分、俺もウェーブと同じことしてるよ」

「ナパーム…」

 キスを交わす。

「ナパーム…ナパーム…」

 ウェーブはナパームの胸元に顔を埋める。

 ナパームはそんなウェーブの頭を撫でた。

「……ナパーム、おかえり」

「あぁ、ただいま。少し疲れてるから添い寝してくれるか?」

「……」

 ウェーブはぎゅっとナパームに腕を回して抱きつく。

「可愛いなウェーブ」

「かわいく、ないからっ…!!」







END