ウェーブは思う、ナパームは少しゆっくりと休めばいいのにと。

 勇気を出して言ってみても、笑ってウェーブと一緒にいるのが癒しになると言ってきて―――

 自分のために無理をしていないか、それが心配で仕方がないのだ。

 けれどもナパームの腕の中にいると安心しきってしまう。

 そして時間の余裕がある時はベッドの上にいる。

「うっあ、んぅっ…!うっ…」

 ウェーブは唇を噛み締めながら極力声を抑えようと必死だった。

 手で口を覆いたいがそれは叶わない。

 ナパームが両手を手錠でベッドに繋ぎとめてしまっているからだ。

 手首を傷つけまいとタオルを挟んでくれているのがすごく良心的に感じる。

 可愛い顔を見たいから、という理由なのだが自分のことは可愛くないと思っているウェーブからしてみれば納得し難い。

 そして当初から感じていたが、ナパームのSっ気さである。

 いやもともとドSであっても不思議ではないのだ、むしろ優しいことを恐がるべきなのだ。

 クリスタルから貰った色々な道具を使ってみたくてたまらないらしい。

「ウェーブ、今日はこれ使ってみても…いい?」

 ウェーブの中から指を引き抜き、道具を見せて遠慮がちに確認しにくる。

「……ん」

 頷くウェーブ。

 どうも断れない。

 ナパームの頼みだと思うと断れない自分がいる。

 恐らく優しくしてくれると信じきっているからだと思う、決してMだからではない。

 ナパームは何でも了承する自分に対して思うところがあるらしい。

 別に無理をしてナパームに付き合っているわけではないのに…。

 無理だったら無理と、ハッキリ言う。

「ナパームの好きに、していいから」



   ****



 ウェーブは受動的だ。そして酷く攻撃的で。

 しかしその攻撃性は自分に向けられない。

 それが無理をしているのではないか、と心配になってしまう。

 そしてウェーブを愛せば愛すほど自分の自制が効かなくなって来ている気がする。

 彼の表情を眺めていたい。

 自分の手で彼の表情を変えることに興奮を覚え始めている。

 それが彼を傷つけてしまうことになるのではないかと心配で仕方がない。

 好きにしてもいいと答えられる。

 けれどもそれで無理をさせたくはないのだ。

 しかし彼の表情を見ると止まらなくなる。

「ひっ…う…」

 奥まで詰め込まれて息を吐くウェーブの腹を撫でる。

 そしてゆっくりと引き出すとウェーブは身を捩って感じてくる。

 ナパームは残りを一気に引きずり出すとウェーブは声を上げながら身を仰け反らせた。

「あぁっ…!?あ、ッ…」

「気持ちいい?欲しい?このサイズ入るかな?」

「ひっ!?くる、しっ…!!!」

「大丈夫、入ってるから」

 優しい声色で言い聞かせながらバイブを捻じ込んでスイッチを入れる。

「ッ〜〜〜〜〜!!!!!」

「ウェーブ、かわいいよ。本当に、可愛いんだ」

 ナパームは身もだえるウェーブの顔を掴んでキスをする。

「あっふぁっ…あぁっ…!!」

 泣きながらナパームのキスを受け止めるウェーブ。

「あ…イっちゃった…?」

 ナパームはウェーブの反応に気づいて下半身へ目を向ける。

 ウェーブは何かうわ言の様に声を出しているが呂律が回っていない。

「口でシてあげたかったけど、今からでもいいかな?」

 ナパームは呟きながらウェーブのナニへ手を添えて、そのまま顔を埋めて咥える。

「ッあぁぁ!!?」

 ガシャガシャと手錠を鳴らしながらウェーブが身体を仰け反らせて反応する。

 瞬く間に2度目の射精を迎えそれをナパームは口の中で受け止めて飲み込んでいく。

「気持ちいい?」

「い、イイっ…なぱーむ、もっ…オレ…あたま、おかしくなる…これ以上されたら…我慢、でき、なっ…」

「我慢しなくていいから」

「や、またイったら、も…オレ…おかしくなって…わけ、わかんなくなる…」

「大丈夫だからウェーブ…ずっと俺は横にいる。お前を見ていたい」

「なぱーむっ…なぱーむっ…!!」



   ****



 休憩室でスターはインスタントの紅茶を飲んでいると、ウェーブがやってきた。

 散々泣いたらしい、目が赤い。

 上手く歩けないのかカベやモノに寄りかかりながら来た。

「そのシャツ、ナパームの?ちゃんと服着て来なよ。まぁ私らしかいないけどさ。

 目のやり場困るんだよね、見せ付けてるんだったら別にいいけど?」

「!!!!」

 ウェーブは顔を赤くして肌蹴ていた胸元を手で寄せて隠す。

「別に、キスの痕を見せたかったわけじゃ…!」

 嗄れた声で答える。

「座りなよ。飲み物ぐらい入れてあげるから」

「……」

「ナパームは?」 

「緊急招集」

「あぁ…なるほど」

 だからウェーブの格好が雑なのだなとスターは把握した。

 最後までキッチリとしてくれるのに号令がかかってウェーブをほっとくしかなかったのだろう。

 水と、何か果物があればと思ったがなかった。貧乏は嫌だ。

 水だけで我慢してもらおう。

 ウェーブはスターから水の入ったコップを受け取ると飲み干した。

「痛み止め持ってる?」

「うん?お尻痛いの?」

「いや…」

 ウェーブは顔を赤くして俯く。

「あの、えっと……」

「なんだい。お尻じゃなかったらどこ?」

「……尿道になにか細いもの突っ込まれた」

「あぁ、痛いね。」

「うん、痛い…なんで気持ちよかったのか意味わかんない…」

「ナパーム上手なんだよ…よかったね…上手なカレシで…」

「えぇぇぇぇぇ」

 両手で顔を覆いながらウェーブはソファの上で転がる。

「ナパームっ!口でしてオレの飲むしさ!もう!恥ずかしいんだよ!!!!!

 嫌じゃないけど恥ずかしいんだよ!!!!!!いちいち恥ずかしいぃぃぃ!!!!!」

「うわぁ惚気止めてよ聞きたくない。本人にいいなよ」

「いや、しょんぼりするナパームの顔は見たくない…」

「……」

 スターはニッコリ微笑みながらウェーブの横に座る。

「?」

「いちゃつきやがって爆発しろ」

「ひゃああああ!!!?」

 スターがウェーブの服の中へ手を突っ込みくすぐって来る。

「やめ、ごめん!!なんか知らないけどごめん!!やめてぇ!!」

「やめないよ」

「うわああああんっ!!!!」







END