距離感の続き 「ウェーブ、開けてくれウェーブ」 コンコンと軽くノックをしながらナパームは声をかける。 『……』 返事がない。しかしいる気配はある。 「入るぞ」 『えっ!?』 クリスタルから預かっているスペアキーでロックを解除してドアを開く。 もしスペアキーがなければ銃にサイレンサーを付けて鍵の部分を撃ち壊しているところである。 部屋の中が真っ暗だったので電気をつける。 ウェーブが部屋の隅で震えていた。 「ウェーブ…緊張するのもいいが、待ってる俺の身にもなってくれ」 「ご、ごめん…」 ナパームはウェーブに歩み寄って屈み込む。 「するんだろ?したいんだろ?お前の部屋でしていい?」 「ん、いい…」 小さく頷くウェーブにキスをするナパーム。 ナパームのキスはいつも長い。 ウェーブがいつも制止して終わるキスだ。 「はひっ…も、いいっ」 「ん…」 ナパームは顔を離すウェーブをそのまま抱き上げてベッドへ寝かせる。 今夜は二人の二度目のセックスである。 一度目はウェーブはクスリによって正気ではなかったのでシラフでのセックスは初めてとなる。 だからウェーブは緊張しなかなかナパームの元へいけなかったのである。 したいといいだしたのはウェーブの方なのだが。 「本当に、いいのか…オレ相手で…」 「いいよ。ところでウェーブ、確認したいんだが」 「何だ?」 「…本当に俺がお前にいれていいのか?大丈夫か?」 「え……」 「お前、男じゃないか…」 「………」 ハッとするウェーブ。 「お、おおおおおおおおおお!!!!?」 「なりゆきで抱いたけど別にお前、抱かれる趣味とかなかっただろ? 本当に大丈夫なのかと思って…その様子だと気づいてなかったな?」 「な、ナパームに抱かれることしか考えてなかった!!!違う、違うんだ!!! オレ、お前に抱かれた日のことばっかり思い出して頭がいっぱいになってて!!!!」 「どうする?するのか?」 「……」 ウェーブは揺れ動く瞳でナパームを見つめる。 「……する。いや、して欲しい」 顔を赤くしていう。 「オレは…お前の優しさに甘えてるだけかもしれないけど…」 (抱いてくれればこれで終わるかもしれない…) 心の中で思う。 ただ欲求不満をナパームにぶつけているだけかもしれないのだ。 人が嫌いな自分がどうしてナパームを好きになれるだろう? 「ウェーブ…解った。」 頷き、ナパームはガンベルトを外していつも着ているゴツいコートを脱ぐ。 屈強な身体が露になる。 コートの下はシャツ一枚とショルダーホルスターという井出達だ。 コートを脱いでいるナパームの姿をみるのは初めてかもしれない。 そして何やらコートのポケットからアレコレ道具をだしてくる。 「ナパーム…?」 「俺もちゃんと予習はしてきたんだ。クリスタルからいろいろ貰ったし」 「嫌な予感がする!!」 「何をいっている。お前を傷つけたくないんだ」 「うっ…そういわれると…でも、ほら、ローションぐらいでいいと思うんだ…」 色々道具が見えるが、手錠まであってクリスタルの方向性がわからない。 「いや…でも…」 口ごもるナパーム。 「きちんとしておかないと…痛いのウェーブだし」 「…ナパームのサイズって」 「……」 ナパームはごそごそとズボンの中からあれを出す。 「むりむりむりむりっ!!!えええええええこれ入ってたのかオレに!!?」 ズザっと引くウェーブ。 「いや、これ萎えてる状態だし。戦闘状態じゃないし」 「!!!!!?」 「な?ちゃんとしたほうがいい…」 「うん…わかった…」 ウェーブは納得しナパームに身をゆだねることにした。 **** 「っは、ぁッ…」 全裸のウェーブは口元を手で覆いながら喘ぎ声を抑えていた。 ナパームの太い指の圧迫感とじわじわくる刺激。 「あっ!」 ナパームがウェーブの首筋や鎖骨にキスをし始める。 くすぐったい刺激だ。 そして指がウェーブの感じる部分へ到達すると、ビリビリとした刺激が背筋を走り抜けてウェーブは涙を零しながら身を仰け反らせた。 「…」 ナパームは優しくその部分を指で撫でるように刺激し始める。 「あっアァッ…!!!!ひぐっ…うっうぅぅ…」 ウェーブは指を噛んで声を殺す。 しかし身体は従順で、腰に力が入らなくなってきている。 ナパームの唇が腹部に触れたと思った瞬間、舌がウェーブのヘソの部分を這う。 「〜〜〜〜ッ!!!」 「くすぐったい?」 クスっと笑いながらナパームが声をかけてきて、ウェーブは涙を流しながら何度も頷く。 「ウェーブの身体、引き締まってて好きだな。」 「ッ…」 ウェーブは恥ずかしいのか腕で顔を覆ってしまう。 「可愛い…ウェーブ」 「か、かわいくな、いっ…ひゃん!!?」 秘所に異物が捻じ込まれる。 「痛かった?」 「い、痛くないけど、なにを…」 「え、バイブだけど」 「え!?」 ウェーブは下半身へ視線を向ける。 確かにバイブが突っ込まれている。 「な、ナパームぅぅ!!!!?」 「あ、すまない。ウェーブに了解も得ずに…慣らそうと思って。 でも大丈夫そうだな」 「大丈夫だけど、お前もしかしてSなんじゃ…」 「………ウェーブには優しくするから俺を信じてくれ。ほら、今も痛くないだろ?」 「ないけど!あ、やめっ!!!動かすな!!!」 「大丈夫だから」 「や、やぁっ!あぁっ…」 刺激に翻弄され始めるウェーブ。 「ウェーブかわいい、ウェーブ…」 奥まで捻じ込みスイッチを押して震動させるとウェーブはガクガクと振るえ声を上げ出す。 そんなウェーブを抱きしめながらナパームはキスをする。 「もっと気持ちよくするからな」 「や、なぱーむっなぱーむっ!!!」 ナニへローターを押し付けられる。 強引にではなくナパームが言うとおり優しく、しかし的確に急所を突いてくるような愛撫にウェーブは我慢することも出来ずに勢いよく射精してしまう。 「イク時のウェーブの顔可愛いな…やっぱり可愛い。」 ゾクゾクするナパーム。 「もっとイかせたいんだウェーブ…」 「うぅぅ…」 ナパームにキスをされ、舌が蹂躙する。求めるようにその舌と絡めあわせてしまう。 そうだ、ナパームが欲しい。 「ナパーム、が、欲しい…」 「ウェーブ…」 「も、平気だと思うから…ナパーム…」 **** 後ろからナパームに抱き上げられる形でウェーブは貫かれ喘いでいた。 時々ナパームがキスをしてくれる。 「あっあぁぁ…い、く…ナパーム…ぁぁ…!!」 「っ…」 ウェーブがイクと中が締まり、ナパームもその刺激に耐え切れず熱を放った。 「はぁー…はぁー…ナパーム…ナパーム…」 ウェーブが崩れるのでナパームは慌てて抱きなおす。 「ごめん、ナパーム…オレ、やっぱオレ…」 涙を流しながらウェーブは呟くように言う。 「オレ、お前のこと好きかもしれない…ヤりたかっただけじゃないかもしれない… お前とずっといたい、ごめん、オレお前のこと本当に好きになってしまってた…」 「何を言ってるんだウェーブ…」 ナパームはウェーブの涙を拭う。 「お前が思ってるようなことはないんだ。 俺は迷惑だとか、嫌だとか少しも思っていないぞ。」 「ナパーム…」 ぐったりするウェーブ。 意識を失ってしまったようである。 しばらくナパームはウェーブを抱きしめていた。 **** 「ウェーブ、俺の優しさに甘えていてくれないか」 ナパームは微笑みながら横に寄り添うウェーブに言う。 「俺は誰かを愛したかったのかもしれない。 ココに来る前までは感情もなくただ破壊を繰り返していたよ。 でもココにきて仲間が出来て…仲間を想うようになって、そして愛したかったのかもしれない。 だからウェーブ、俺の優しさに甘えてくれ。俺は誰かに優しく接して愛したかったんだ、それがウェーブなんだ」 「お、オレを愛する…?」 「ダメか?ウェーブを愛しちゃダメかな?」 「……」 ウェーブは顔を真っ赤にして背を向けてしまう。 「愛してるぞウェーブ」 ナパームはほんわか笑顔を浮べながらウェーブの頭にこつんと自分の頭を押し付ける。 「……オレも、ナパーム好き」 震える声が返ってくる。 「ふふふ、じゃあ背中向けてないでこっち向いてくれよ」 「……」 ウェーブはゆっくりとした動作で振り返り、ナパームの胸元に顔を寄せた。 END |