「ねぇナパーム…ずっと気になってたんだけどさ」

「なんだウェーブ」

 ナパームは銃の手入れを止めずに返事をする。

「…オレが身体売ってる時、お前見張ってるよな。

 その…抜いたりしてるの?」

「!!!!?」

 ガチャリと銃を落とすナパーム。

 ウェーブがナパームの顔を覗き込んでくるので思わず顔を逸らしてしまう。

「どうなんだ?」

「あ、えっ…クリスタルなんか言ってた?」

「何も言ってないけどその反応は図星か。」

「いや、そんな…」

「お前そういうの好きだもんな?解ってるよ。じゃないとネプチューンにオレがやられてるときあんな顔しないだろ」

「どんな顔してる!!!!?」

 思わず顔を手で触りながらナパームはウェーブに詰め寄る。

「え…なんか、嬉しそう?いや、なんか笑ってる」

「……」

 ナパームは完全に硬直してしまう。

「大丈夫かナパーム?」

「きっ…嫌いにならないでくれウェーブ!!!!謝る!もうしないから!!焼き土下座でもなんでもするから!!!!」

「別に嫌いでもなんでもないけど落ち着けよ。なんで毎回焼き土下座なんだ」

「裏社会はいつもそうするってクリスタルが言ってたぞ」

「しないしない。ってかオレ別に裏で生きてない。スラム育ちなだけだって…

 まぁ刑務所に入ったり今指名手配犯になってるけど。

 …あれ…?オレ、裏で生きてるのかな…」

「だいぶ裏だなーって思ってた…」

「気づかなかった…ハッ!いいんだよオレのことは」

「あ、ごめん!えーっとつまりウェーブに俺はどう詫びればいいんだ!?」

「別に謝って欲しいわけじゃなくて、お前だけ楽しむのズルいなって思っただけだ」

「お、おう…」

 ウェーブは少し頬を染めながらナパームを見上げる。

「オレだってナパームを、その…むちゃくちゃにしたいというか…あ、いや性的な意味でだぞ?」

(ウェーブって表現が本当にストレートだよなー)

 上手な言い回しが出来ないだけなのかもしれないが。

 そもそもウェーブにむちゃくちゃにされるのは構わない。

 しかし恐らくコスチュームプレイをさせようとしてくるだろう、それがなかなか堪える。

 だが、ウェーブは嫌がらずに受け入れてくれているのだ、自分も受け入れなくては筋が通らない。

「いいよウェーブ。お前の好きなようにして」

「ほ、本当に?」

「あぁ」

 頷くとウェーブは嬉しそうな顔をしながら色々と引っ張り出してくる。

「可愛い服!新作だ!」

 ふりふりの服を出してくる。

「お、おう…」

「これに着替えて、そして―――」

(やっぱりウェーブの趣味ってどこか違う…)

 ナパームはウェーブの言われるがまま服を着替えると、そのまま片足と片手をベッドに拘束されてしまう。

「ナパーム…」

「!」

 ウェーブからのキス。

 舌が蕩けそうになるが、柔らかい舌がぐっと何か硬い物を押し込んでくる。

 思わず唾液とともに飲み込んでしまう。

「クリスタルから貰ったクスリ。前みたいに理性飛ばさないってさ」

「なっ…そ、それは危険だろう!?」

「そのために縛ったんじゃないか。何かあったらいけないから片方ずつだけど」

「うぅっ…」

「かわいいよナパーム」

 目を細めて笑みを零しながらウェーブはナパームを抱きしめる。

「似合うなぁ、本当お前美人だから似合う」

「そうかナァ…こんなゴツい女いないと思うけど」

「ナパームだからいいんだよ」

「そ、そうか…」









 十数分経過した頃、ナパームは唸っていた。

 身体が熱い、主に下半身が疼いているような感覚に襲われている。

(薬が効いてきたが…だめだ、声が出そう…)

 ゾクゾクとした感覚が背筋を走り抜ける。

「ッ〜〜〜!!」

 声を押し殺す。

 横に寄り添っていたウェーブがその反応に気づく。

 ウェーブの指が唇に触れる。

「っは…」

 熱い息を吐き出し、呼吸を整えようと必死になる。

 落ち着けばきっと凌げるはずだ、まず落ち着かなくては―――

「んぅっ!!!」

 ウェーブが覆い被さってきて舌が入り込む。

 積極的なキスにナパームは混乱する。

 自由の利く手はウェーブを退けようとするも、彼を傷つけてはいけないという理性が動きを止めさせる。

 その手にウェーブは自分の手を絡ませてくる。

「はぁっ…ナパーム、気持ちよくなってきた?」

「な、なってきた…」

 息を荒げながら答えるナパーム。

 ウェーブも興奮してきているらしい、息が荒い。

「もっとナパームを気持ちよくさせたい…」

「わ、あっ…!?」

 スカートがずらされ剥き出しになった脚の内側にキスをはじめる。

 じれったい刺激だがその刺激が普段よりも強く感じてしまう。

 ナニが素直に反応してスカート越しにでもわかるぐらいにまでなってきてしまっていた。

「どうして欲しい?」

「うっ…触って、欲しい…ウェーブに」

 ウェーブはナパームの言うとおりにそれに触れ、そして舌を伸ばし始める。

「あ、うぁ…ぅぅっ…」

 熱で涙がぽろぽろ零れてしまう、止められない。

 情けない姿を晒しているというのにウェーブは「可愛い」の一言で片付けてしまうのだ。

「ナパーム、オレの中にいれたいんだろう?」

「ん、んぅ…」

 声を抑えるために指を噛みながらナパームは頷く。

「いいよ、お前オレの中じゃないと終われない身体になっちゃったもんな」

「う、うぅぅ…」

 返す言葉が出ずナパームは顔を赤くして視線を泳がせてしまう。

(こういう時だけ可愛い顔して反則だよ…)

 ウェーブは心の中で呟きながらナパームの拘束を解く。

 自由になったナパームはウェーブを抱きしめ返しながら勃起したナニを尻に擦り始めた。

「や、いれてっ…」

「余裕ない、ごめん」

「えぇっ!?」

 ガッチリと抱き込まれたまま動けないウェーブはナパームにされるがまま、尻にぶっ掛けられる。

 そしてそのままナパームの手がウェーブの尻へ回る。

「あ、まって!慣らしてなっ…ひぎっ…!!!」

 悲鳴をなんとか押さえるウェーブ。

 一度出していて正解だったかもしれない、あのまま入れられていれば死んでいたかもしれない。

「ナパームまって、ナパーム、オレも、クスリ飲んでおいた方が…」

 ハッとするウェーブ。

 ナパームの目がもう正気ではない。

 これはもう何をいっても聞かない状態に陥っている。

「理性飛ばさないっていったのにクリスタルの嘘つきーーー!!!」

 信用するほうもどうかと思うのだが、ウェーブは叫びながらナパームに組み敷かれる。

「痛かった…?ごめん、ごめん…!!」

「うあ、あぁっ!ひっ!!」

 謝りながらナパームはウェーブを犯し始める。

「止め、れなくて…っウェーブ、ごめん、好き…!!!」

「ナパームっ…」



   ****



「痛かったんだからな…」

「でも気持ちよかったんでしょ?結果オーライじゃありませんか、これで不満だなんて贅沢ですよ」

 しれっと答えるクリスタル。

「もっとこう!ナパームを弄りたかったんだよ!」

「贅沢すぎ」

 ウェーブのオデコにチョップを食らわせるクリスタル。

「あなたちょっと薬を軽く見すぎですよ、薬物中毒怖いんですからね」

「お前散々オレに怪しいモン投薬してるくせにそんなこというか」

「人を見て判断してるんです、あなたそれ以上壊れそうにないし。

 もう話はこれでおしまいですよ、ほらナパームの所へ行きなさいよ。凹んでますよ彼きっと」

「うぐっ…うん…行く…」

 部屋を出て行くウェーブ。

「はぁー、ナパームもどうして彼が好きになったんだか…」

 ため息を吐くクリスタル。

 しかしあの二人がくっついて良かったとも思う。

 もし出会っていなければ二人ともどこかが壊れきっていただろう、そんな気がする。

 ナパームの相手が自分でないのが不満ではあるけれど、それは贅沢というものだろう。







END