ウェーブの部屋は簡素である。 私物が少ない。 そんな部屋でウェーブとナパームは酒を飲むことがある。 いつも行きつけの酒場で飲むナパームなのだが、ウェーブの人見知りを気にしてこうやって持ち込んでくるのだ。 酒は嫌いではないウェーブは少し嬉しい。 ナパームはゆっくり飲むタイプらしい。 なんだか自分ばかり飲んでいるようで申し訳なく感じるウェーブ。 話す会話はそんなになく、過去の話も多い。 殆どがナパームが軍役時代の話で、そこであった出来事を語る。 ウェーブは特に話すことがなくて焦る、話せない事情があるとかならばいいのだが まったく面白い経験などなかったのだ。 あったとすれば、怪我をしたときに少し変わったモグリの医者に囲われたぐらいだが…それだけだ。 いやあれが人生の分岐点だったのかもしれない。 あのまま医者の診療所に住み着いていたら、今の自分はなかったかもしれない。 どうなっていただろう、ナパームと出会わなかった自分はどうなってしまっていたのだろう…。 「ナパーム」 ウェーブはナパームに寄り添う。 ナパームは微笑んで抱き寄せてくれる。 ナパームの香りがする。落ち着く。 「…」 ウェーブはナパームの顔を見上げる。 整ったその顔、いつも惚れ惚れしてしまう。 自分とは違ってナパームは綺麗な顔立ちをしていた。 いつもマスクをしているので解りにくいが、女性的なものを感じさせる顔なのだ。 「ナパーム…」 ウェーブはナパームの下半身へ手を伸ばす。 「わ、ウェーブ!?」 「したいんだ…して、あげたい…」 「え、えぇっ…」 ナパームは戸惑いながらもウェーブを受け入れる。 ウェーブはナパームのナニを取り出し手で扱き始めた。 未だになれない、経験不足もあるのだが。 ウェーブは屈みこんでキスをするように口付け始めた。 そのまま咥えるよりまず焦らすようにしてあげるとナパームは感じやすい、と気づいた。 舌を這わせながらウェーブはゆっくり愛撫を施す。 「う、うぇーぶ…」 ナパームの息の上がった声。 「っ…」 ウェーブは顔を離し、そのまま自身を取り出してナパームのそれと擦り合わせ始めた。 「わ、ぁ!?」 「きもちいい?ナパーム」 「んっウェーブのと、擦りあうの、いいっ…」 ナパームはウェーブの肩を掴むとそのまま引き寄せてキスをしてくる。 「ナパーム…」 **** 酒で理性がとんでいるナパームとのセックスは少し恐い。 「っあぁぁ!!!なぱぁむっ!!!ひっぎ、あっ奥っ…奥はぁ…!!」 ウェーブは身体を捩りながら刺激に悲鳴のような声を上げる。 ナパームがいつもより深く突いてきて、それが耐え切れないほどキモチがいいのだ。 しかし両手は拘束されている。抵抗ができない。 ウェーブの脚を押し広げ、腰を打ち付けるナパームは笑っている。 ドSな笑みだ。 刺激に耐え切れずイってしまい、射精が止まらないのにそれでもナパームは動きを止めずウェーブを犯す。 「ウェーブ、そろそろコレ欲しい?ねぇ?」 「ひっ!いや、やだぁ…ナパーム・・・」 いつもの尿道攻めの器具を出してきて、ウェーブは蕩けた表情を少し強張らせて首を振る。 「ふふふ、気持ちよくさせてやるからな」 「ひぎっ!!あ、あぁぁぁ…!!!」 捻じ込まれていくこの痛みはまだ慣れない。 ゆっくり、ゆっくり捻じ込まれ途中で尿道を擦るように出し入れされたり、奥まで差し込まれ奥を刺激され ウェーブは腰を痙攣させながら泣きじゃくる。 「悦んでるよね、ウェーブ…こんなに強く締め付けてくるんだもんね…かわいいよウェーブ… あぁどうしよう、堪らない…もう一度だけ…」 「ッ!!!」 ガクガク震えているウェーブを犯し始めるナパーム。 「ここ、キモチイイだろウェーブ?ウェーブは、ここが好きなんだよ…?」 言いながら感じる部分を擦り上げてくる。 好きだというよりは好きになってしまったのが正しい。 ナパームに身体を作りかえられているようだ。 実際そうなのだろう。 しかしそれが、たまらなく嬉しく感じる、嬉しいのだ、ナパームに変えられていくことが。 決して自分はマゾではないけれど。 ナパームは決して痛いだけの苦痛を与えては来ない。 愛されていると実感できる。 **** ナパームの第一印象は良く笑う男。 マスク越しに、目で感情を伝えてくる。 恐いという印象を消し去りたかったのだろう。 彼は優しい。 しかし酷く残酷だ。 任務時の彼の笑顔。 手足が千切れ燃え上がっている敵を見て笑っていた。 声は出さずに目だけで笑っていた。 マスクを外せばきっと口端も吊りあがっていただろう。 ぞっとする、恐ろしい。 しかしきっと綺麗なのだろう。 美しい笑顔だろう。 自分とは対極だ。 自分は笑えない、上手に笑えない。 上手く相手に感情を伝えられない。 「なぱー、む…きもち、いい?」 ウェーブはナパームに跨り腰を上下に動かす。 「あぁ、キモチいいよウェーブ。」 「はっ…うぐっ…はぁっ…」 ウェーブは涙を零す。 上手く腰を動かせない。 ナパームを気持ちよくさせたいのに奥までいくのが恐いのだ。 「ウェーブ…無理しないでくれ」 「んっ…だい、ジョウブ…」 「…」 「ひゃうっ!」 ナパームが身を起してウェーブを抱きしめる。 「恐いなら恐いって、言ってくれ。それは無理をしてるんだぞ」 「うっ…ご、ごめん…でもオレ、お前を気持ちよくさせてあげたくて…いつもオレばっかりだから…」 「ウェーブ…」 ぎゅうっと抱きしめられる。 ナパームの香りがする。 火薬の匂い。 「気持ちだけでも十分だ…愛してるウェーブ」 「うん…」 ナパームが笑顔を向けてくる。 その笑顔を見るのが、たまらなく好きだ。 自分にはない笑顔だからだ。 END |