はてさてここに流れ着いてしまったのは運命なのか。

 ストーンは思い返す。

 少々仕事をしくじり、逃げ込むようにここへ転がり込んで

 そして今は前職のノウハウを利用して『隠れ家』の確保をメインにしている。

 戦闘などといった物騒なことは元軍人どもに任せればいい。

 …今その軍人の一人は腕の中で寝ているが。

 可愛い寝息を立てて眠っているのは普段サドの化身のような男、ジャイロである。

 完全に酔っ払ったあとウェーブに絡みに行って、そうしてウェーブに押し付けられ今に至っている。

 いつものことだ。

 視線を落とす。

 ジャイロは肉は付いているがナパームのようにガタいがいい訳ではない。

 ほどほどガタいが良ければストライクゾーンなのだが、とストーンは少し残念に思う。

 理想の好みはあの男だ、と姿を思い出す。

 前に出会った男だ、ガッツという。また会った時に親しい仲になりたいものである。

 飲みかけていた酒を飲み干すとストーンはジャイロを抱えて立ち上がる。

 ジャイロの部屋に行くべきか自分の部屋に行くべきか。

「……」

 ストーンは一瞬迷ってから自分の部屋へと向かった。



  ****



 ジャイロは全裸に剥かれてベッドに投げ込まれる。

「う、ううーん…?」

 眉をしかめながら唸っているが起きた気配はない。

 起きたら起きたで面倒なのでこのまま食べてしまう方が都合が良い。

 確かにジャイロは好みではないが別にヤる相手としては申し分ない。

 据え膳食わぬは男の恥とかいう言葉がある。使い方が間違っている気がするが。

 ストーンは自分も服を脱いでベッドに入り、脚を掴んで広げる。

「んあ…?」

「チッ。起きたかジャイロ」

「ストー…ん!? きっさまぁぁぁぁ!!!?」

「無駄な抵抗はよせ、お互い平和的に気持ちよくなろう?」

「俺が下なのが気に食わん!!あ、やめろ!こすり付けるな!やめっ」

 ストーンはキスでジャイロを黙らせる。




「ストーン、ジャイロをちゃんと戻してくれた―――」




 部屋のドアが開かれそのセリフと共にウェーブが―――

「…チッ」

 舌打ちするストーン。

「ぴぎぃ!?」

 ウェーブは銛を投げてくる。

「やめろやめろ!殺す気か!!!」

 ジャイロはストーンを引っ張り倒しながら叫ぶ。

「あ、なんだジャイロ…まだヤられてなかったんだ…。

 オレのせいでジャイロが痔になるかと思った」

「それで殺そうとするお前もお前だな」

 ストーンはいいながら身を起こして上着を羽織る。

「…? ジャイロ、どうした?」

「いや…」

「…あぁ」

「勃っちゃってるんだ…?」

 可哀想に、といった表情で二人から見下ろされジャイロは唸る。

「抜いてやるか」

「お願いストーン」

「なんでだよ!!っていうかウェーブお前なんでもかんでもストーンに押し付けんなよ!!

 こんなのほっといたら収まるし!!!!」

「え!?そう!?ジャイロすごいな!!?」

 驚いてるウェーブにジャイロは頭を抱える。

「お前の好きなウェーブの前で痴態を晒してやろうか?」

「やーめーろー!!!」

 しかしストーンに押さえ込まれ、勃起しているナニへ刺激を受けるとジャイロは大人しくなってしまう。

「やめ、本当、殺すぞ…」

「照れなくていいのに。あぁ、ウェーブにしてほしいのか?」

「そうなんだ?」

 ウェーブが近づいてくる。

 アルコールで赤い顔をより一層赤らめるジャイロ。

「違ッ…この、色情狂どもめぇ!」

「お前も人のこといえないだろ」

「恥ずかしがらなくても今更じゃないか?」

「ひぅっ!?」

 ウェーブの手がジャイロのナニを扱き始め、悶えるその身体をストーンが抑えつける。

「ジャイロキモチいい?」

「うぁっ…ぅぅ……」

 声を必死に堪えているが、先走りがウェーブの手を濡らしている。

「いつもみたいにアンアン鳴いてもいいんだぞ?」

 ストーンは悪い笑顔を浮かべながらジャイロの胸元へ手を這わせて、指で乳首を摘んで弄り始める。

「っかは…ぁっ…ぐぅぅ…」

 唇を噛み締めて耐えるジャイロ。

「ジャイロそこ好きなんだ?ジュピターに教えてあげよう」

「そ、それだけはっ…やめ、ンくゥ…!!!」

 ウェーブの手を汚す。

「スッキリし…てるような感じじゃないな」

「最後までシないとダメか。あの宇宙人とシてんのになぁ?」

「う、うるさっ…い…!や、やめろ、、ストーンやめろっ…!ほ、ほしくないっ…ほしくっ…!!!」

 ストーンはジャイロをうつ伏せに抑えつけ腰を持ち上げてその秘所へ自身を捻じ込ませ始める。

「あっ…あっ、…!ぁっ…!!」

 いつもの硬い声色ではなく、びっくりするほど艶のある声が出てくる。

 その表情も緩み、快楽に溺れかけた笑みに歪みかけている。

「ジャイロとするの何度目?きっかけとか」

「そんなにやっていないが、まぁ酔った勢いでしかしないな。

 残念なことに相性がよくてな…」

 ぜんぜん好みじゃないのに…と少し悔しそうに言いながらストーンは腰を動かす。

 ジャイロもおそらくぜんぜん好みじゃないのに感じちゃう悔しい…という感情が渦巻いているのだろう

 シーツをぐしゃりと握り締め、顔を伏せてその衝撃に耐えている…が、もう声は止められないようで

 さっきから甘い喘ぎを漏らしている。

「お互いのガス抜きだ、利害の一致。ならやるしかないだろう?」

「その辺はオレにはよくわからないけど…オレあんま酔っ払い好きじゃないんだよなぁ」

「ほう?何かあったのか?殴られたとか?」

「殺しちゃって…」

「あぁお前独房に入ってた理由それなのか?笑えるなぁ!」

「笑えないけど…いいんだよ、オレも酔ってたから」

 ウェーブはジャイロの顔を掴むと上げさせる。

「むぐ…」

 そのままキスをする。

 舌を潜り込ませ、蹂躙する。

 たまに攻めるのも気持ちがいいかもしれない。

 つまりジャイロも攻められるのがキモチイイということかもしれない。

 あのジャイロがこんな姿を晒しているのだから、そういうことだろう。

「おっと、今は俺のモンだからそろそろ返してもらおうか」

 ストーンはそういいながらウェーブからジャイロを引き剥がし、顔を振り向かせながらキスをする。

「強欲だなー」

「俺は欲深いからな」

「欲出しすぎてココへ逃げ込んできたんだろう?」

「あぁ、そうだな…」

 ふふ、と笑うストーン。

「ほどほどにしておくよ、お前らに殺されちゃたまらん」







END