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「ジャイロ、今日もジュピター来ないのか」
        
        「いや別に毎晩来られても困るんだが…」
        
         ウェーブの呟きにジャイロは困った表情を浮かべる。
        
        「寂しいだろ?」
        
        「別に寂しくない」
        
        「ふーん…」
        
         ウェーブは深く追求することなく手にしていたグラスに酒を注ぐ。
        
         ジャイロの部屋に呼ばれるのは初めてかもしれない。
        
         こちらはナパームが長期任務のため一人寂しかったのもあるのだが、ジャイロもジュピターが来なくて寂しいらしい。
        
         ネプチューンやマースもやってこないのを見ると、何やら集団で行動中なのだろうと推測できるので心配はないのだが。
        
         ウェーブは部屋を見回す。
        
         自分も人のことは言えないのだが、私物がない。
        
         趣味というものがないからだろうか。
        
         普段の服もバイトの制服らしいのでもしかするとそれ以外の服は軍服しか持っていないのかもしれない。
        
        
        
         ジャイロと初めてであったのは、ここにきて間もなくだっただろうか―――
        
        
        
         ふと思い出すウェーブ。
        
         監獄からの脱獄劇のあと、ウェーブはクリスタルに捕まってボサボサだった髪を適度に切りそろえられた。
        
        『じゃーん、見てくださいジャイロとお揃いの髪型です』
        
        『……』
        
         クリスタルが自慢げに言うのでめちゃくちゃジャイロが無言で睨んできたのを思い出した。
        
         それが初めての出会いだ。
        
         あとから知ったが、ジャイロはクリスタルに髪を切ってもらってるらしい。いつも殴り合ってるのに。
        
         色々見ていくとどうもケチくさ…倹約家なのだろう…。
        
         特に会話がないのでウェーブは黙って飲んでいると不意にジャイロが声を発した。
        
        「なぁウェーブ…お前、ナパームが好きか」
        
        「はぁ!?」
        
         顔を真っ赤にするウェーブ。
        
        「解りやすいヤツだなー…」
        
        「変なこと聞くなよ…」
        
        「俺はウェーブが…好きだったのか、なぁ…。たまにお前が欲しくなる」
        
        「ヤる?いいよ?ナパームが好きにしていいって言ってくれたし」
        
        「……」
        
         手で顔を覆って俯くジャイロ。
        
        「どうしたジャイロ」
        
        「お前のストレートな物言いもう少しどうにかしろ…」
        
        「えぇ!?どういうことなの…。そういう話だろ?」
        
        「違う、欲しいけどこの感覚は違うんだよ、俺にもわからんのだ」
        
        (甘えたいのかなぁ…)
        
         ウェーブは口に出さずに心の中でそう思う。
        
         別に甘えてくれて構わないのだが、こんなに余裕のある自分がいることに驚いている。
        
         ナパームのおかげなのだろうか、それとも環境の変化が自分を変えたのだろうか。
        
        
        
           ****
 お互いだいぶ酔いが回ってきたころ、手を出してきたのはやはりジャイロだった。
        
         寄りかかり、腕を回す。
        
        「ん…」
        
         ウェーブは抵抗せずジャイロのキスを受け入れる。
        
         ジャイロの手がウェーブの股間に触れ、そのままズボンの中へ侵入してくる。
        
        「あっ…あ、んっ…」
        
        「ウェーブ…」
        
        「やっ…あっ…!」
        
         ジャイロが覆いかぶさり、取り出されたナニは強く扱かれ始める。
        
         ウェーブは指を噛みながら声を殺して刺激に耐え始める。
        
         ジャイロが首筋を噛みに来る。
        
         荒い息遣いを感じる。
        
        「ジャイロ、ジュピターにしたいこと、オレにする?」
        
        「……」
        
         ウェーブはジャイロを見上げる。
        
         ジャイロは呆然とした表情を浮かべていたが次第に泣きそうな表情に変わっていく。
        
        「痛いのはイヤだから…痛くないヤツならいいよ」
        
        「俺はお前をジュピターの代わりとして、こんな…こんなことをしているわけでは…!!
        
         違うんだ、ウェーブ…違う……」
        
        「うん…」
        
         ウェーブは項垂れるジャイロを抱きしめて頭を撫でる。
        
        「ジャイロ…」
        
        「…俺は酷い人間だと思う。なのにあいつは好きだと言って慕ってくる。
        
         あいつはどの俺が好きなんだ、どの記憶が残ってるんだ…確認も出来なくて」
        
        
        
         上書きを繰り返して
        
        
        
         繰り返して、繰り返して
        
        
        
         段々とジャイロが不安になってきたのか。
        
         本当にジュピターを愛してしまったからか。
        
         彼の慕う『ジャイロ』を壊したくないのか。
        
         壊すことが堪らなく気持ちいいと感じる男が。
        
        「ウェーブ…」
        
        「うあ、あっ…!?ジャイロ…やっ…あっ…」
        
         ジャイロの愛撫が再び始まり、そのままウェーブのナニを口に咥えるのでウェーブは戸惑った。
        
         ここまでするとは思わなかった。
        
        「アッ…で、るっ…出ちゃう、ジャイロの口に、出しちゃうからっ…離してジャイロッ…!!
        
         あっあ、あッ…!!!」
        
         熱を飲み干されていく。
        
        「ジャイロ、ばかぁ…!」
        
        「…寝る」
        
         ジャイロは顔を上げるとそう呟いてベッドへ潜り込んでいく。
        
        「え…ジャイロ抜かなくていいのか?するけど…されたし」
        
        「…ッ!!」
        
         顔を赤くさせてウェーブを睨む。
        
        「お前はもう少し恥じらいとか貞操とかそういうの大切にしろ!!!!!」
        
        「無茶苦茶いう…」
        
        
        
        END
        
  
 
 
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