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 カンカンカン…と鉄製の階段を足音をたてて駆けるブラスト。
 薄暗い施設だ。薬品のために照明を最低限にしているらしいが足元はライトで照らされているので十分移動は出来た。
 会いたい相手がいる、その部屋へ入った。
 薬液のプールが広がり、その上を金網のような板で足場が組まれている。
 ブラストは勢いを落とさぬまま走った。
 会いたい、会いたい、会いたい―――ただ思考がそれだけになっている。
 手を伸ばし、そのまま彼を突き飛ばした。
「あれ?」
 目を見開いたままブラストは首をかしげる。
 水しぶきが上がりシュワシュワと嫌な煙と音があがっている。
「アシッド!突き飛ばしちまったぁ!」
 言ってケラケラ笑う。
 彼は正常ではなかった。宇宙より飛来した『ギア』によりその精神は異常をきたしている。
「溶けたかなぁ?」
 覗き込むと不意に何かが上がってくる。
 ざばぁっと勢いよく上がりながらブラストに掴みかかってくる。
 ブラストの服や薬液が触れた皮膚が焼ける。
 しかし目の前のアシッドは服こそ溶けて融解していたが傷一つなかった。
「溶かすぞ」
 低い声で呟きながらアシッドはブラストの頭を掴んで床へ叩きつけた。



    ◆◆◆◆



 身体がひりひりする。
「うっ…」
 ブラストは目覚める。目の前にアシッドがいて、傷に薬を塗りこんでいた。
「わー!アシッド優しい!治してくれてるのか??」
「…うるさいな」
 アシッドは顔を顰める。
 ブラストは声がでかい。それはイヤーマフなんかつけてるからだ。
 周りの音は聞こえていない。聞こえてなくても関係ないのだ今の彼には。
 アシッドは会話は無意味だと解っているので黙って薬品を塗りこんでいく。
 ただの薬品ではない、拷問に使えればいいなぁ程度に作ってみたものだ。
 治療用の軟膏と混ぜて塗ることで拷問も持続性がでるのではないだろうか?と思いついたわけだ。
 ブラストは暴れないよう縛っているので問題ない。
 彼がどうなろうとアシッドは気にもならない、彼も『ギア』によって正気を失っていた。
「んっ…」
 もじもじし始めるブラスト。
 急に黙り込むので解りやすい、ほんのりと顔が赤くなっている。
「ま、って…アシッド、なんか、これ変ッなぁ、アンタなにか盛っただろ!?」
「盛ったとも。せいぜいやかましく喚け」
「ひっ」
 アシッドは喉の奥で笑いながら薬品で焼けて肌蹴た胸元の服を寄せて腹までを剥き出しにする。
 そして軟膏をたっぷりと手に取って塗りこむ様にブラストの胸元を撫ではじめた。
 筋肉がほどよくついている胸元は荒い呼吸で上下し、心臓の動きも早い。
 反応が面白くてアシッドは指先でブラストの乳首を摘まみあげると短い悲鳴があがった。
 丹念に捏ねはじめてやるとブラストは身体を震わせて身を捩ってくる。
 楽しくなってきてアシッドは歯を立てて噛みつくとブラストは「ぎゃあ」っと啼く。
「ふふ、傷口からしみ込んで来て気持ちよくなるんじゃないか?」
 ぐりぐりと傷口を指の腹で撫でると痛そうにブラストは顔を歪める。
「おやおや、子供は反応がいい」
 下半身を確認しながらアシッドはおかしそうにいって、別の薬を取り出してナニへ垂らし始める。
「あっあ、あぁっ…」
「垂らしてるだけでそれか、擦られたらどうなるんだ?」
 クスクス笑いながらナニを指先で撫でる。
「あぁぁぁ…!!!」
 涙を流しながらブラストの体が跳ねる。
「結構暴れるな、腰も締めとくか」
 残酷にも拘束のベルトが腰をベッドへ抑え込んでくる。
 ナニから手を離したアシッドはブラストの菊座へ指を進めた。
「…そうだな、腸内摂取もいいかも」
 残酷なことをいいながら浣腸用の注射器を出してくる。
「やだやだやだアシッドやだぁぁぁ!!!!」
「うるさい…そんな量ないだろ」
 薬品を注入し、漏れないようアナルプラグで栓をする。
「なんで、なんでぇ…」
「なんで?」
 アシッドは暗い目でブラストを見下ろす。
「お前は薬が効くだろぉーがよ!!!俺はなぁ!効かないんだよォ!!!!」
 アシッドは残っていた薬を飲み干す。
「ぜんっっぜんっ!!!!なにも!感じないぃぃぃぃぃ!!!!」
 ガラスの容器を床にたたきつけて壊す。
「ギアの恩恵ぃぃぃ?俺に薬が効かない薬なんて薬じゃないんだよぉ!!!!!!
 ブラストぉ!俺の代わりになれよ!なれ!効いてるって証明しろ!!!!」



   ◆◆◆◆



 目の前でアシッドが何が叫んでいるが、何を言っているのか解らない。聞こえない。
 ひどく怒っているのは顔で解った。
 何を怒っているのかは解らないけれど、自分がそれに当たり散らされているのを肌で感じた。
 身体が熱い。
 炎に巻かれた時の熱さだとか、薬品で焼け時の熱さとは違う、苦しい熱さ。
 朦朧としている意識の中で自分は声を上げて悶えるしかなかった。
 その自分の声も、聞こえないのだけど。




「ひぃ…ぁぅっあ、あぁ…あぁぁぁぁ…」
「感じてる?なぁブラスト?」
 アシッドはディルドでブラストの中を犯しながら問いかける。
「お前、かわいいな?そういやなんで俺のところに来るんだ?あぁ、そうかヤりたいのか?そうだろう?」
 アシッドは笑いながら服を脱ぎ捨てるとブラストの上に跨った。
「いいよ、もうこんな身体、お前にくれてやろう。ははは嬉しそうにしやがる」
「あしっど、あしっどぉ…!!」
「拘束は解かないよ、君は俺のものだから」
 腰を下ろしていく。
「ッう、んぅ…」
 なんとか飲み込むが、そこから動けない。腰が抜けてしまった。
 ただ動かなくてはと思いアシッドはぷるぷる震えながら力を入れてゆっくりとだが上下運動を始める。
「はっ…ぁ、ぁぁ…」
 下半身からゾクゾクした快感が昇ってくる。
「きもち、いい…?薬、効いてるのかな…?効いてたら、いいなあ…」
 アシッドはブラストの頬に手を伸ばす。
「キス、しようか?俺やったことないからわかんないけど君しってるだろう?」
 口付ける。唇を割ってブラストの舌が入ってきた。
 それに自分の舌を絡めながらキスを味わう。
 慣れてきたのでアシッドの方から貪るようにキスをした。
 ブラストのナニは脈打っていてもう爆発寸前だ。
 アシッドは目を細めて笑いながら彼のイヤーマフを外して耳元で囁いた。
「中で出すがいい」







 もう時間の感覚がない。
 何度か数種類の薬物の服用を繰り返し飽きずに延々と絡み合っている。
 ブラストの拘束は早々に解いてしまい、彼は獣のようにアシッドを抑え込んでその体を味わっていた。
「アシッド、出すぜ?」
「ぅぅ…」
 髪を振り乱し、額を床にこすり付けて腰だけ掴みあげられているような状態のアシッドの反応はない。
 ブラストは笑いながら中に注ぐと、もうすでに注がれ続けているそこはごぷごぷと粘りのある水音を立てて白濁を溢れさせてくる。
「アシッド、おい。アシッド」
 気付薬も効かないのでブラストは容赦なくアシッドの頬を叩く。
「い、たい…ぶらすと、痛い…」
 抵抗するように顔を腕で隠してくる。
 その腕を掴みあげてブラストは体位を変えて顔をこちらへ向けさせる。
「いい顔になったなぁ?」
「休憩、したい…」
「体力なさすぎだろ?」
 繋がったままブラストはアシッドを抱きしめる。



用語解説
『ギア』…ここでは宇宙より飛来した乱世発生装置。精神を汚染して世界を混沌へ…のはずが地球人に適合者が8人しかいませんでした!
ただ精神汚染はまわりへ伝染するので8人の周りから徐々に気が狂い始めてる。

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