menu
「さぁさぁ帰宅部の我々は遊びにいこうスネーク殿!」
シャドーがスネークに抱きついて言う。
「おう、今日はジェミニも誘ってみるか」
「なんと!?」
驚くシャドー。
「ジェミニ、というわけであそばねーか?ゲーセン寄ってくだけなんだけどさ」
「ふぅん。まぁいいだろう、付き合ってやってもいい」
髪を掻き上げながらジェミニは答える。
「珍しいこともある…。ジェミニ殿はスネーク殿の誘いなら受けるような気がする…」
「まぁ友達になったからなぁー」
「スネークは俺のことを美しいと理解を示した。友達になってやっても損はない」
「とまぁこんな感じなんだけどな」
シャドーにいうスネーク。
「残念な感じの友達だな。」
「まぁな」
「なんだと…」
「まぁまぁ行こう行こう」
スネークはジェミニの肩を押しながら教室を出る。
「ジェミニはゲーセンとかいったことあんの?」
「ある。付き合いでな」
「友達他にいるのか?」
「あ、拙者知ってる!下級生の子だろう?」
「あぁ、スパークな。スネークのように懐いてきたから相手をしてやっている」
「狭く浅い人間付き合いだよなお前……」
「なんとでも言え。…ん?俺とお前の仲は浅いのか?」
不思議そうな顔でジェミニが見てくるのでスネークは顔を紅くして俯く。
「え、なになに!?拙者に内緒話!!?」
「な、なんでもねーよぉ!!」
さすがにヤってる仲ですとはいえない。
校舎を出ようとしたとき、急にシャドーは足を止めて物陰へ逃げ込む。
「シャドー?どうした?」
「いやっ…くそ、あいつ迎えに来てやがる!!!!」
「あぁ?」
スネークとジェミニは校門へ視線を向けた。
一人の男が立っている。
スーツ姿に髪はきちっと整えられて…スラリと伸びる長身でまさに紳士っぽい。
「クリストファー・リーに似てる」
ぽつりとつぶやくジェミニ。
「クリリー?」
首をかしげるシャドー。
「変な略し方をするな。なんだお前は『吸血鬼ドラキュラ』も観ないのか」
「一介の高校生がンなもん見てるわけねぇだろ。あれ、たしかお前の子守役だろ?」
「ただの従業員!!おのれシェードめ拙者をまっすぐ帰らそうとしてやがる!!
せっかくスネーク殿と楽しいひと時を過ごそうと…!!!
うおおおおだんだん腹が立ってきたぁぁぁぁぁシェード覚悟しろぉぉぉぉ!!!!」
イキナリ駆け出してシェードの元へ行くシャドー。
しかしシェードは突撃してきたシャドーを華麗に避けて、首根っこを掴むとタイミングよく校門の前に車が止まりシャドーと共に乗り込んでしまう。
「なんという無駄のない動き。手馴れているな」
「いっつもあんなんだ。シャドーがバカなせいもあるが」
「で、寄るのか?ゲーセン」
ジェミニは微笑みながらスネークに問いかける。
「あ、あぁ…お前が良ければ…」
「いいぞ。そのあと俺の部屋に来ないか?明日は学校がないから泊まっていってもいい」
「え……」
その言葉の意味を理解して、スネークは再び顔を赤らめる。
「ふふ、お前かわいいなぁ……何故照れる?」
「いや、ヤってる最中のこと思い出して…」
「それは可愛げがないな。思い出すな」
「いいじゃねーか。お前えろいもん」
「いうな!」
◆◆◆◆
「ぬぉぉぉお前のせいでスネーク殿との楽しい時間が過ごせなかったぁぁぁー!!!」
車の中、シャドーはシェードの服をひっぱりながら言う。
「はいはい、残念でしたねー」
「残念どころじゃないわぁぁぁぁ!!!」
「仕方が無いじゃないですか、今日はまっすぐ帰らせるようにって言われちゃいましたし」
ニコっと微笑んでいうシェード。
「そんなに転校生の方が気に入ったんですか?」
「あぁ、とても魅力的な男だ。もはや性別を超越して素敵レベル」
「へぇー」
「なんだその薄い反応は!!俺は本気だぞ!?」
「だってシャドーさん、小さい頃に『拙者はシェードと結婚するでござるー』って言ってたのに気が変るの早いじゃないですか」
「小さい頃の話だろ!!昔の俺と今の俺は違うんだよ!!」
顔を真っ赤にして怒鳴るシャドーが面白くて仕方が無いシェードはクスクス笑いを溢す。
「えぇぇいっ!なぁぁにを笑うかぁぁぁぁぁ!!!」
「必死さがすっごく面白い」
「お前のその性格がむかつくんじゃああああ!!!」
「えー、面白いんですもん。」
「俺が面白くない!」
むすっとした顔になるシャドー。
いつからだったか、思春期を迎えてからシャドーはシェードに対してこんな感じになってしまった。
きっと反抗期みたいなものだろうと勝手に思っている。
まだシャドーが小さい頃、子供好き…とは言わないまでも別に子供が嫌いでもなかったシェードはたまたまシャドーの面倒を見るのを頼まれた。
シャドーの相手をするのは面白かった。
というかシャドーの奇行を見てて飽きないというか…それがきっかけか、シャドーに懐かれたのでそのままシャドーの子守もするようになったのだが…。
しかし反抗期の今、もう毎日こんな感じでつっかかってくる。
それはそれで面白いのだが。
でもたまに小さい頃の、忍者ごっこをして遊ぶシャドーも恋しくなるわけで。
「そういや忍者になる夢は諦めたんですか?」
「……忘れろよ」
顔を赤くするシャドー。
やはり黒歴史…。
「いや、しかし…俺は自分の家を忍者屋敷にする夢は諦めていない!!絶対にカラクリだらけにしてやる!」
「うわぁ…熱意が変な方向へいってるなぁ」
「忍者かっこいいから!」
「はいはい。お化け屋敷もいいと思いますよ?」
「お前とは趣味が合わない!!!!」
「ですね」
帰宅後、シャドーはとても不機嫌になった。
「結局父上も母上も帰ってこないのだったらそう言え!よし出かけてくる!」
「だめですー。勉強しましょう。ただでさえ頭悪いのにこれ以上バカになったらどうするんですか」
「なんだとぉ!?」
シャドーを捕まえるシェード。
「てかお前はいつのまに家庭教師の仕事までするようになったぁ!?」
「貴方がもう少しお利口さんだったら私もここまでやらされないんですけどね。
あ、嫌々やってませんよ?楽しんでますよ?」
「余計にタチわるいわっ!!!」
シェードに自室へ運び込まれ、シャドーはしぶしぶ勉強机の椅子に座る。
「今日は何を勉強したか覚えていますか?」
「まったくこれっぽっちも……自分でもびっくりするぐらいに…」
「私もびっくりですよ…授業中なにしてるんですか」
「今日は忍者屋敷用のカラクリの設計図を書いていた」
「貴方本当、バカですね。私の兄もかっこいいポーズを淡々と考えたりしてるときがありますけどね。
さすがに一日中考えてませんよ…」
「見てみるか?設計図」
ふと、兄の「かっこいいポーズを考えたから見てくれ」と声をかけられた時の記憶とタブる。
「いえ、今度でいいです。」
「えー、いい感じにできたと思うんだけどなぁ…」
いいながらシャドーはノートを開いてその設計図とやらを眺めてる。
あぁ、シャドーがほっとけないのは兄とダブるせいかもしれない…。
つい、世話をしてしまうのだ。つい…。
「あ、そういやお前の兄はフリーズ先生だったな」
「そうですけど、なんですか珍しい。話を振ってくるだなんて」
「今日はアイス殿に交換日記を渡していたぞ」
「あぁよかったですね、卒業前に渡せて。私あのままアイスさんが卒業してしまうのではないかと危惧していました」
「…いまどき交換日記はないわ」
「…若干それは私のせいかも…」
片手でちょっと頭を抱えるシェード。
「冗談で交換日記から始めてみたら?とか言ったんか!」
「……いやぁ本気にするとは。でも渡せてよかったじゃないですか。進展はありますよ。多分。
さて、勉強しましょうか」
「うぐぐ…」
呻くシャドー。
「お前がいるから勉強に集中できない」
「そんな言い訳聞きたくないですねぇ」
2011年12月21日 Pixiv投稿
top