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金輪は祓魔師としては本当に優秀であった。
怪しげな悪魔祓いも蔓延る当時にしてみれば本物の実力を持っていた。
しかし六道と出会ってから金輪はその性質を変えてしまう。
異界へ堕ちて、この世界の不安定さと自分を救ってくれる神と救わぬ神がいることを知ってしまった。
自分の信仰していた神ではなく別の神に助けられたせいもあるだろう、金輪はしばらく苦しんだのだ。
しばらく廃人のようになっていた金輪を甲斐甲斐しく世話していたのは意外にも六道であった。
金輪は六道に魅入られていたということかもしれないが、六道はただ金輪を眺めていたいだけであるし、
周りも六道が金輪に意識を向けている間は問題は起こらないだろうと問題の先送りを決めたのである。薄情だった。
「六界の骨、…」
金輪は六道の布を巻かれた手を握る。
見上げてくるその目は虚ろで、しかし握ってくる手は力強い。
「俺はもう、人の身ではないんだろう…?」
「そうだな、冥界還りだからな」
「なら、ば…俺はお前をずっと見張っていられるな。お前のようなモノがこの世界で暴れるのはよくないから」
「いいんじゃないか?」
軽くいう六道。
それから金輪は少しずつ歩きはじめたのである。
ただ自分の名前が思い出せないほど気がおかしくなっていたようだったが六道には関係のないことだったので名前を付け合った。
金輪と六道はその時からお互いを今の名前で呼ぶようになったのである。
◆◆◆◆
六道と金輪はある日、木乃伊を押し付けられた。
というか、コサック家の貯蔵しているいかがわしい骨董品の数々の処分を依頼された金輪が片づけていたら木乃伊が動き始めたのである。
金輪には美しい男に見えているらしいが六道とコサック家は黙った。
出自不明の木乃伊は魔術師であるらしい。
不老不死の呪術を使って眠りについて金輪の魔力に反応して蘇ったということだ。
名は六道を警戒して本名を名乗らず、不王と名乗った。
そういうことで色々あったが今は三人で行動していた。
不王は吸収力が早い、すぐに現世の常識などを取り込んでいく。
あと魔術師はみんなそうなのだろうか?性にも寛容。金輪は木乃伊に押し倒されて数百年続いていた童貞を捨てました。
「下郎よ、お前は凌辱されている姿が本当に似合うな?」
不王は楽しそうに微笑みながら金輪を見下ろしている。
金輪は次元の裂け目から伸びている無数の骨の手(六道のものである)によって両腕はもちあげられ脚は開かされていた。
その秘所は不王によってディルドが突っ込まれている。
「金輪、気持ちよかったら気持ちいいっていったほうがいいぞ」
「うるっ…さいっ…!」
顔を赤くして唇を噛みしめる金輪。
「ククク…反抗すればするほど我を喜ばせるだけだというのに、やはり下郎は我を喜ばせようとして…」
「してるかぁ!!!あっあ、あぁぁぁっ!!!」
ディルドが容赦なく攻めてきて金輪は声を上げて身悶えはじめる。
「ろくどぉ、たすけ、ろくどぉ…!!!」
「え?嫌」
「なんでぇ…!!!」
「お前可愛いから」
六道は眺めることにしたらしい。
そもそも六道が金輪を押さえているのだからどうして助けてくれると思ったのか…甘やかし過ぎたのかもしれない。
「あぁぁーーっ…あーーーっ!!」
身を捩りながら甘い喘ぎと蕩けた表情になってくる。
「そろそろイキそうか?ではいただくか~」
不王は金輪の上に跨り自身の中に金輪のソレを収めていく。
「ひぅっ!ひっ…ひぃっ!」
「あはは、良いぞ下郎、その声はそそるぞ!我の中に出せ」
「あぁぁぁぁーーー…っ」
「出してるのか金輪?」
六道は金輪の顔を掴むとそのままキスをする。
「うむ、我の中でまた脈打ち始めよったわ!こいつは淫乱である」
自分を棚に上げている。
「へぇ、お前…俺でも興奮するのか?」
からかうようにいう六道に金輪はぼろぼろ涙を溢しながら口をぱくぱくさせて動揺する。
「まぁ、長い付き合いだしな?もっとキスしてやる」
「っ…」
顔を歪ます金輪だが、抵抗せず受け入れた。
「なんだらぶらぶではないか!下郎、我の相手を忘れるでないぞ」
「んぅっ…ぅ、んぅぅぅ…!!!!」
不王にディルドで感じるところをゴリゴリ刺激され始めるが、六道はキスから解放してくれず、ただただ金輪は涙を流しながら悶えた。
骨の拘束から普通の拘束具に替えて床に転がされてる金輪は目隠しをさせられ、バイブを突っ込まれて放置されていた。
「美味であった」
お肌つやつやな不王。
「骨よ、まだ楽しむのか」
「さぁ?」
「気ままであるな」
他人事である。
「っ…も、イカ…せ、て…ろくどう…」
「ん。おねだりすればやってもらえるってやっとわかってきたか金輪」
「ろくどう…おねがい…」
「ん」
「ひぃっ!」
股間を踏みつけられる。
「六道ッ!?痛ッ…ろくどう!ろくどう!!!」
泣きじゃくる金輪に六道は笑みを浮かべていた。あまり見せられないような笑みであるので、そのための目隠しだったのかもしれない。
「っ…う、ぁぁぁ…」
「イけたなぁ?ほら、汚したところは舐めて綺麗にしろ」
「うっ…ぅぅ…」
頭を抑え付けられ、金輪は舌を伸ばして床を舐めはじめる。
「……ふーむ」
不王は六道を観察する。
これは、愉しみとして金輪を傷つけることを覚えたら酷いことになるかもしれないと思った。
まだこの辺はプレイで留まることができるだろう、鬼畜彼氏のドSぷれいとして。
この二人は時代に流されながらも彼らの中だけで時間が止まっていたのかもしれない。
それに割って入ってしまったのは申し訳なかったが、しかしこちらも生きるためには金輪の魔力がいるのだ。
波長のあう魔力が今までなかったから目覚めることができなかったのだし。
別にセックスしなくても魔力はもらえるのだがそこは味があったほうがいいだろう。
「ちゃんと綺麗にできたな?円迦」
「ろく、どぉ…」
目隠しを外される金輪の顔は、歪んだ笑みだった。
怯えながらも六道に寄りかかっている笑みである。
金輪もまんざらではないのだ、恐怖でおかしくなってるのかもしれないが、その辺は雰囲気で押し通せばいい。
人間であったら人権云々の話であるが我々三人は人間ではないので。
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