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いちゃいちゃするみこさた
腰にゆるりと絡んだ蜘蛛の脚に負けじとばかりに、かいなに力を入れて抱きしめる。ああ、と嬉しげな吐息に導かれるように腰を進める。美しい土蜘蛛が艶麗に笑う。
「ああ……沙汰、沙汰、……」
赤い口唇を割って赤い舌が揺らめくのが愛しくて、口唇に吸い付いた。互いの牙が擦れ合ったのも構わずに深く深く口付けて、互いの舌を噛み切らんばかりに絡め合う。
愛しいみこさま。三千世界にふたりといない愛しいお方。かようにあなたを愛せるなどと、なんと幸福なことだろう。
快楽にとろける声が名を呼ぶのが、言葉なくともねだる所作が、この上なくも美しく乱れるその様が、どれほどまでに愛しいことか。
みこさま。みこさま。ずっと恋い焦がれた愛しいお方。
「沙汰、沙汰……」
「はい、みこさま」
呼ばれるままに貫き揺さぶり、深く深く抱きしめる。揺さぶるごとに食いこむ蜘蛛の脚のもたらす甘い痛みを噛みしめて、更に身を重ねる。鬼の我が身を感謝するのはこんな時だ。人の身であれば、かようにみこさまと愛し合うことなどできぬのだ。
「みこさま、みこさま」
「ああ……ん……沙汰、……もう……」
切なげな声音に頷いて、みこさまの望むままに激しく深く。やがて抱きしめあったまま互いに果て、みこさまの胎に精を注ぎ込む。みこさまはすべてを飲み込もうとせんばかりに絡み付いてくださるし、自分とてすべてを注ぎ込まんと身を押し付ける。やがて吐精が終わり、ゆるゆると身を離しはしたもの、どちらも手を離さない。
「沙汰……もっと……」
赤い口唇の紡いだ言葉に、当たり前に頷いた。
「はい、みこさま」
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