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かみさま。
待ち望んでいた、この時。
愛しい愛しい娘、我が妻。
吾の存在を知る唯一の存在。
彼女がいなくなれば自身は泥のようになる。
この意識のない『虚無(生命の塊)』の一つとなってしまっていた。
愛しい愛しい娘をしっかりと抱きしめて吾は平穏を取り戻したのだ。
◆◆◆◆
吾と貴様、どこに違いがあるだろうか。
白い霧の中に佇んでいる同種に向かって疑問を投げた。
あちらも人を介して存在している、こちらもそうだ。なのにどうしてここまで違う。
人の子を縛り、喰らっているではないか。
黒い泥の中であがらう吾に口を開いた。
『違いはあるだろう。私の心は既に擦り切れてしまっている。お前のように人の子を愛してなどいないのだ』
嘘をつくな、保護をしておいて―――
嗚呼、こやつは自分の感情も解っていないほどに心が壊れてしまっているのか。
違うのか、吾とは違うのか……
そうだ、違うのだ。
『お前の邪気を取り込んで変質してしまった『虚無』と共に無へ還れ。無垢となれば再び何かに生まれるだろう』
何か、ああ、できることならば愛される存在に生まれたい…
もう忘れられるのは、疲れた…
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