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双子が奏さんのお尻をいじくる話
 その日は禄も巻も飲んでいた。猛黒が「お前こういうの好きだろ?」なんて巻に言いながら洋酒を持ってきたのだ。

 そういうことはたまにあるのだ、猛黒という男は不作法で馴れ合いは嫌っている風であるのに妙に躾がいいせいかこういうことをする。

 親分が家来を労わる延長のようなものであるが、禄も巻もそのあたりは突っ込まずありがたくいただく。

「甘味が強いけど美味しい」

「どこの国のお酒だろうね?」

 なんて言いながら楽しげにする双子を奏は眺めている。

「正法院さん、一口どうですか?」

「いや、遠慮しておく…」

「でも正法院さん、少しずつでも飲んで慣れませんか?」

 禄がずいっと顔を近づけてくる。

 ほんのりと肌が赤くなっている。その目も少し潤んでいて酔っていると感じた。

「いいですか、父上は息子になる者とお酒を飲みかわしたりするのが憧れだったりするんです。

 正法院さんはそれに応えてこそ巻の夫になれると思います」

「酔っているな神童……」

 禄はお猪口に少しお酒を入れて差し出してくる。

 奏は押し切られてそれを飲み干すが、すぐに視界がぐるぐる回って倒れてしまった。

「…あれ?これそんなに強いお酒なの?」

 戸惑う巻。

「えぇー…嘘…」

 禄もゴメンネという顔をして倒れこむ奏を寝かしなおした。



    ◆◆◆◆



 朦朧とする意識。

 身体が熱い…酒を飲んでしまったせいだ、とかろうじて頭は回った。

 しゅるりと布の擦れる音とともに下半身がスースーする。涼しいとは思ったがなんで袴が脱げたのか。

 奏は重い瞼に抗って目を開くと禄の顔が見えた。

 上半身を後ろから抱いている。禄の胸に後頭部を預けている状態だ。

「禄…?」

「あ、正法院さん気づかれましたか」

 ほんわり微笑む禄の笑顔は巻の笑顔と同じだった。さすが双子だと思ったが、違和感がある。

 禄はこういう笑い方をしただろうか?

「んっ!?」

 身を起こそうとして両手を後ろ手に縛られていることに気づいた。

 そして下半身が剥き出しになっていることにも。

「あ、おはようございます奏さん」

 微笑みながら巻が奏の下着越しに膨らみを撫でてくる。

「ひっ…!」

 びくんと体を跳ねさせ、巻の撫でる手に合わせて腰がガクガクと震える。

 脚が閉じられない。よく見ればいつの間にか閉じれないよう棒と紐を使ってうまい具合に縛られていた。

「なに、なにをっ…!?」

「奏さん酔って辛いだろうなって」

「楽にしてあげようと」

「二人とも悪酔いしすぎだろう!?」

「大丈夫です、痛くはないです」

「僕の目で正法院さんの気持ちよくなるところは解るので安心してください」

「そうよ、禄の眼は便利!」

「そんな使い方しないでくれ…!!!」

 何を言っても無駄な気がするが奏は抵抗する。

「恥ずかしいなら目隠ししましょうか」

「大丈夫だからね奏さん」

「ちがう、そうじゃなくて…!」

 目隠しをされて奏は震えあがる。

 下着を脱がされ、それに口づける巻の感覚がする。

「巻、もっと強く吸ってあげて…そう…そこも好きだね…あ、そろそろ指で鈴口擦ってあげて?

 気持ちイイですね正法院さん?もっと早く擦ってほしいですか?」

「ひっ…ぁっ…ぁぁぁ…!!!」

 禄の腕の中で仰け反りながら身悶える奏。

「奏さんこういう感じが好きなのね…」

 ドキドキしながら巻は奏の様子をうかがいつつ手を動かす。

 禄の指示通り巻は奉仕を施し続けた。

 勃起で大きくなったナニを小さな手で扱きながら巻は指を濡らして奏の後ろの穴へ挿入し始める。

「いやっ…そこはっ…!」

「痛くないですよね?大丈夫ですよ奏さん」

「巻、もう少し奥へ進めて―――」

「んぅぅっ!!」

 ビクっと奏が揺れる。

「ここね、禄?」

「そう、強くしないでね、ゆっくり優しく撫でてあげて…正法院さんそういうほうが好きみたい」

「わかったわ」

「や、やぁぁっ!!!」

 禄の前だというのも忘れて唾液を垂らしながら奏は身を捩る。

「まきぃ、やぁ…そこ、やぁ…!!」

「ふふ、奏さんのここぎゅっぎゅって巻の指締め付けてきて可愛い…」

「正法院さん、巻の指は嫌ですか?本当に嫌?」

「ひぅ…」

 禄に囁かれて奏は息を呑む。

「いや、じゃ…なぃ…」

 答える奏。このまま素直にならなかったら止められそうな恐怖を感じたのだ。

「ですよね?僕からじゃなく正法院さんからお願いしてくれると巻も喜びます」

「っ…まき、巻…もっと、もっとシて…撫でて…」

「はぁい」

 嬉しそうに巻は指を動かし奏は身悶え喘ぐ。

 ずれた目隠しから覗く奏の目は既に快楽に堕ちて虚ろであった。

「僕も少し手伝いますね?」

「ひっ…」

 目隠しを直しながら呟く禄。首筋に禄の柔らかな唇が触れる。

 禄の手が胸元を肌蹴させて乳首を捏ねはじめる。

「あっあ、あぁぁっ…!!!」

「まだ触り始めたばかりですよ正法院さん、我慢しないとすぐ終わっちゃう」

「そうですよ奏さん、我慢しましょ?」

「んぅっ…!!」

 唇を噛みしめて刺激に耐えようとする奏。

 目隠しの隙間から涙が流れ始めている。

 どう触ればいいのか解ってしまう禄は的確に刺激を与えるので奏の突起はぷっくりと膨らんでしまって巻はそれを可愛いと思う。

 快感に耐えていた奏だが、限界が近づいてきたのか身を縮めるようにしてぶるぶる震えはじめていた。

「奏さんは我慢強いですね…気持ちよくお尻でイカせてあげますから…」

「っあ、あっあぁぁぁーーー…!!!!!!」

 ごりごりと前立腺を刺激されて奏は強烈な快楽に全身を震わせながら仰け反り果てる。

「上手にイカせれたね巻。奏さん結構気持ち良くなってるよ」

 禄は奏を縛る紐を解く。

「禄…あのね、これ…使ってあげてもいいかな?」

 張形をだしてくる巻。

「実はいつか使ってあげようって思ってこっそり用意だけはしてたんだけど!使う勇気がなくて!!!」

「あ、そう…巻って時々行動力だけはあるよね…いいと思うよ、そんなに太くないし…はいると思う」

「やったー!」





 奏は目隠しはされたまま、四つん這いの状態で腰を突き上げ身悶えていた。

 もう自分がどういうことになっているのかもわからない。

 ただただ抵抗できずに快楽に押しつぶされて禄に縋り付いていた。

「気持ちいいね正法院さん、きもちいい…」

 あやす様に柔らかな声色で禄は囁き奏の頭を撫でる。

 奏は泣きながら禄の袖を握り締めて腰を揺らし先走りを垂らし続ける。

「奏さん、腰くねらせてかわいい…そんなに気持ちいいですか…?うふふ、可愛い…」

 ずるる、と先端を少し残す様に引き抜くと奏は顔を上げて悲鳴を上げる。

「あ、あっ…あっ…」

 ひくひくと物欲しそうにするそこへ巻は思いっきり挿入した。

「あぁぁぁぁーーー!!!」

 禄にしがみついて腰を上げながら熱をぶちまける。

「あぁぁ…あ…」

「いっぱい出せましたね正法院さん、とっても気持ち良いですか…?」

 禄は頭を撫でながらもう片方の手で奏の唇を指先で撫でる。

「はぁ…はぁ…」

 奏は言葉が出ず、その指に応えるように唇を震わせた。

「巻、正法院さん慣れてきてるからもっと激しくしてあげても大丈夫だよ」

「や、ぁ…やぁ…禄、もぉ、これ以上…」

 首を振る奏だが禄は優しく頬を撫でてくる。

「大丈夫ですよ正法院さん。もっともっと気持ちよくなれますから、視えてますから。僕に任せて。

 巻、潤滑剤もう少し使ってあげて」

「はーい!」

「やだ、これいじょうきもちよくなるのやだ、こわい、ろく、こわいっやだ、やぁ…!!!!

 まき、まきぃやだ、ぐちゅぐちゅするのやめて、こわい、きもちいいのこわい…!!!」

「行きますよ~」

「ひぅっ!あ、あぁぁぁぁぁ!!!!」



   ◆◆◆◆



「油井先生、痛み止めください」

「なんだヨ三人揃って…」

 青い顔をした禄と巻、そしてなぜか壁などに手をついて腰を擦っている奏がいる。

 奏は歩き方もおかしいので双子より重症に思えた。

「お酒…飲みすぎちゃって」

 テヘペロと笑う禄と巻。

「頭痛か…そっちはどうしたんだヨゥ、腰痛めたのか…ハッ」

 油井は察してしまい憐れんだ目を向ける。

「っ……」

 奏は珍しく顔を歪めて、恥ずかしそうな泣きそうな表情で油井から顔を背けた。

「ねぇ油井先生…お尻切れたらしばらくえっちは無理かしら?」

 巻がコソコソと聞いてくる。

「お前ら何ヤってんだヨ…無理に決まってんだろ!とっとと頭痛薬もって屋敷に帰れ!

 おい奏はここに残ってケツ治るまで養生しろ」

「あはは油井先生に怒られちゃったね巻」

「うわーんっ!奏さん、しっかり治してくださいね!!」

(奏さんの治癒能力なら一日で治ってそうだけどね…)

 禄たちは油井から薬を受け取りながら心の中で思いつつ、診療所を後にした。

 残された奏は油井から渡された痛み止めを飲む。

「あの双子、酔ったら容赦なくなるから気をつけろヨ。特にお前サンだと甘えられるしな」

「あれは甘えていたのか…」

「普段素直になれねぇーからなアイツら。酒飲むと気が緩んで…まぁ悪気がないのが問題だ」

「もう少し、甘えさせればいいのだろうか…」

「いやいやいや、そんなことしてたら身がもたねぇーよ!?」
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