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文章は司さんです
魔神奏くんのちんちんの犠牲となった大津姉妹
いちゃいちゃするみこ執事
「ねえ正法院、今日ヒマ?」
と、人気のない階段で大津旋子に聞かれたので、正法院奏は少し間を空けて答えた。「勉強?」
「違う、ねーさんが用事あるって」
それだけで通じたので、奏は少しだけ、旋子にだけ見える角度で口の端をにっこりさせた。
「わかった」
「じゃ、よろしく」
旋子もそれだけを言って階段を降りていった。旋子を見送る奏の肩に、くすくすと笑いながら寺田みこは手を置いた。
「大津さん、私のこと見てなかったわね」
「そういう人だからね。気にさわったなら、大津さんの代わりに謝る」
「いいわよ、気にしてないから。……そのうち私も仲良くしてみたいけれど、どうなのかしら」
「それは、大津さんのお姉さん次第かもね」
「じゃあ、その時は仲を取り持ってね、正法院くん?」
楽しげに笑う目の奥に深い快楽の期待を揺らめかせて、奏の首をするりと撫でてみこも階段を降りていった。首をすり、と撫でて、奏も笑った。
「あまり、度の過ぎたことはなさらないでください」
改まった執事の言葉に、寺田みこはくすりとした。幼い頃からみこに釘をさす時にはこう言うのだ。加えて、このできた執事は最近のみこが何をしているのかお見通しなのだ。
それでも、やめろ、とはっきり言わないのが、執事らしい。
「度の過ぎたことはしてないわよ?」
「しています」
「あら、そうかしら。じゃあ、どうするの牽牛。止める?」
「……」
執事は眉間にしわを寄せて、小さく嘆息する。「私が止めて、お嬢様がおやめになるのならば」
珍しく気弱な物言いに、みこのいたずらごころが疼いた。足音を忍ばせて執事に歩み寄り、そっと耳元で囁いた。
「……沙汰とか、奏くんより、牽牛が私を気持ちよくしてくれるなら、しなくなるかもしれないわよ」
執事はゆっくり振り向いて、今度こそ深いため息をついた。
「お嬢様」
執事の声が低くなったので、みこは笑いながら自室へと逃げた。
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