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魔神化してる奏くん。
「…!」

 巻はカッと顔を赤らめた。

 廊下の向こうから上級生の奏が歩いてくる。

 長身の彼である、かなり目立つし最近少し雰囲気が変わって感じもよくなったせいか、女子の目を惹いている。

 前の仇名は「愛想のないマネキン」である、ひどい。

 今は「かっこいいセンパイ」になっているのだから人間の心はゲンキンなもので。

「巻、おはよう」

「オハヨウゴザイマス!」

 奏が微笑むので巻はひゃぅ!と声を上げる。

「今日自習室行く?」

「は、はいっ!」

「じゃあ待ってるから」

「…は、はい」

 耳まで赤くなって、巻は俯く。

 奏は満足そうに目を細めながら巻から去っていった。

 周りの視線が痛いほど集中している。

 いつものことなので、もう周りは騒がなくなったが最初は大変であった…。

 学年トップの成績を誇る奏がじきじきに声をかけてくるのだから、どういう関係なのかと散々聞かれた。

(わ、私もよくわかんないよ…)

 適当にはぐらかしたが…巻自身、自分の立場がよくわかっていなかった。

 奏は勉強を教えてくれる。

 本当にすごく助かる。

 しかしそれだけではなく…人には言えないことを、二人は行っている。

 いや、正しくは三人…なのだが…



   ****



「こないだのテスト、成績良くなってたね」

「あ、ありがとうございます。奏さんのおかげです」

「役に立ててよかった」

 微笑む奏の笑顔に巻の胸がキュンキュンしてしまう。

 だめだ、奏の顔を直視していると体がおかしくなる。

 昔の…暗い表情で、みこにいじめられていた頃の奏もなかなか魅力的ではあったが、今の奏のほうが強烈で…

(色白だなぁ…ちゃんと食べてるのかなぁ…唇は赤いなぁ…)

「巻?」

「ひゃい!?」

「シたいのかな?」

「っ!」

 奏の手が、巻の太ももに触れ、そのままスカートの中へ―――
「か、かなで、さんっ…」

「息、上がってきてるね?」

 奏の声が耳元で囁かれる。

「っ!」

 巻は自分で口を塞いで悲鳴を押し殺した。

 奏の指が巻の下着越しに、弄るように触れてくる。

 じんわりと下着が湿ってくるのがわかる。

 自習室は今二人っきりではない、まだ何人か残っている。

「か、奏さんっ…!」

「ふふ、かわいい」

 奏は手を離して立ち上がる。

「いこうか。」

「は、はぃぃ…」







 誰もいない旧校舎の教室で

 奏は巻に被さっていた。


 奏とこういう関係になってしまったのは、どうしてだったか巻も記憶があやふやだ。

 気づけばこんな関係になっていた、といえばいいのか。

「ふぁぅっ…あ、あんっ」

 制服も下着を含め上へ摺り上げられた状態で、奏の頭が胸へ埋まっている。

 そしてまだ膨らみかけの胸の先端を吸って舌で転がしたりと弄んでいる。

 巻はスカートの中に隠れる奏の、勃起しているそれを股に押し付けるようにスカートの上から手を添えて腰を揺らしていた。

 巻の蜜でどんどんぬるぬるとなっていくその箇所は、とても熱く感じる。

「はぁ…」

 奏の熱っぽい吐息にゾクゾクする。

 そのまま奏は舌を這わせながら巻のヘソへ流れていく。

「やだっ…かなでさん、くすぐったいですっ…やぁぁっ」

 ビクンビクンと震える巻。

「ふふ、可愛いよ巻…あぁここもこんなに垂らして…いけない娘だね?」

「ひゃぅぅ!!!」

 奏がスカートの中へ頭をつっこみ、巻の蜜を吸い上げ始めた。

「あぁぁっ…はひっ…もっと、もっとぉ…かなでさんっ…もっと、舌、舌ください、奏さんの舌ぁ…!」

 もどかしさに巻は腰をくねらせ奏の頭を掴みながら脚を首に回す。

「あぁん!!舌ぁっきてるぅ!かなでさんっかなでさぁん…!!!」

 ゾクゾクと震え上がりながら、巻は仰け反る。

「…ご馳走様。巻」

 くったりする巻をゆっくりねかせる奏。

「…」

 巻の唇を指で撫でる。

 キスをしたい。

 このまだ幼さが残る身体だが、この身体を蹂躙したい。

 出来ない、まだ出来ない…。

 実行する勇気がまだない。

 みこの呪縛から解放されたとはいえ、まだみこが恐ろしいのだ。

「巻…」

 奏はギュウっと巻を抱きしめた。
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