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薄い本ように整えたのでpixivと差異がある可能性があります。
        正直覚えてないです。
         帝威(ていい)政(しよう)はとある大学の教授として在籍し、あまり目立たぬ存在である。
        
         だが裏では魔法学や錬金術の分野において有名な人物であった。
        
         前世の錬金術の記憶と現世の魔法学を合わせて生み出した数々のマジックアイテムは素晴らしい出来なのだ。
        
         そして調子に乗りやすい政はやらかしながらドヤ顔だったが猛黒に殴られてから日々細々と過ごしている。
        
        「いやー、これも懐かしいね」
        
         政は前世の記憶を思い返しながら呟く。
        
         目の前には黄金のフルプレートアーマー。刃の部分が通常より2,3倍大きい黄金の戦斧付き。
        
        「やっと整備し終えたよ。帝威家の蔵に眠らせておくのも勿体ないし」
        
        「着るなよ」
        
         猛黒が釘を刺す。嫌な過去を思い出したのだ。
        
        「着ないよ、『悪魔の角』も移植してないし」
        
        「あの、これはどういう類のものですか?マジックアイテムのようですが」
        
         帝威教授の助手をしている真奇シアンが横から問いかける。
        
         彼は帝威教授の実験でサキュバスと悪魔合体してしまった悲しい事件からマジックアイテムに興味が出来た
        
         …というわけでもなく、ただ危ないものだったら近づきたくない。
        
         それだけだった。
        
        「前世の私が魔導と錬金技術の全てを注ぎ込んで作り出した『キングアーマー』は素晴らしくてね!」
        
        「名前ダサ」
        
        「カッコよくない!? ま、まぁとにかく『悪魔の角』という装備者の生命力と精神力を吸い上げ周りの魔力も吸収する金属を脳に移植することにより、
         このキングアーマーは最高に最強になるのだよ!」
        
        「で、まぁ脳を弄ってるわけだから頭おかしくなるんだよ。
         普通の状態で普通じゃないこいつが狂ったら誰も止められねぇだろ?面倒くさかった」
        
         政の言葉に補足を入れる猛黒。過去は過去で終わったことであるし、前世の政を介錯したのも猛黒だ。
        
         しかし現世も同じことを繰り返したくはない。
        
        「うわあ…教授、着るのやめてくださいね?」
        
        「着ないって。でもこれまだ弄れるんだよね。
         前世の頃は先に角つけちゃって知能が低くなって判断力がおかしなことになってたからオリハルコンの加工が適当だしなぁ。
         なんで先に角つけちゃったかな私。あのあたりの記憶が曖昧なんだよなぁ」
        
         何やら考え込み始める帝威教授。
        
        「おい、弄るのもナシだぞ。お前手直ししたら絶対にこれ着るだろ。本当なら今ぶっ壊したいぞ」
        
        「お兄さんは私のことをよく解ってらっしゃる」
        
        「お前がガキのころから知ってるからな」
        
        「仲がいいですね」
        
         シアンは愛想でいいながら紅茶を入れなおす。それを猛黒は飲みながら政に改めて目を向ける。
        
        「ところで政、お前に聞きたいことがあるんだが」
        
        「なぁに?」
        
        「光来の妹が魔力暴発するとおかしなころになるあれ、どうにかしろ。
         俺が見る限り、あいつぁ基礎ができてないだろ?面白がってるんだったら聖書で殴るぞ」
        
        「んん…まぁその、彼女の発想が素晴らしくてね?自由なアイディアが素晴らしいんだよホント」
        
        「魔力が触手になるのはなんでだ?」
        
        「面白いから」
        
          ゴッ
        
         聖書のカドで殴られる政。清書の染みが濃くなってしまう。
        
        「まさかお兄さん、光来さんの触手に襲われたの?」
        
        「襲われてねぇよ!禄の顔が怖ェんだよ!」
        
        「あ、そっちね。いやぁ禄くんも触手の素晴らしさを知ればいいと思う」
        
        「あいつにあんな凶器を与える気か!」
        
        「お兄さん、禄くんのことどう思って…まぁ、解決策を一つぐらいだしておかないとお兄さんが怖い目に合うというのなら…えーっとここに…」
        
         政はデスクの引き出しをごそごそと漁りはじめる。
        
         取り出したのは白い半透明の石だ。
        
        「この魔石なんかどうかな。魔力を吸収する性質がある。
         光来さんに持たせておくとか」
        
        「大丈夫か? 本当に…お前のフォローは適当すぎる」
        
        「まぁまぁ、やってみないと解らないし?」
        
        
         ◆ ◆ ◆
        
        
         猛黒は光来宅の呼び鈴を鳴らす。
        
        『今取り込み中なので帰ってください!』
        
         玄関のドア越しに巻の声。微かに強い魔力を感じる。
        
        「お前に用事があるんだよ。すぐ済むから」
        
        『えぇっ、その、今はちょっと…』
        
        「魔力抑える石を政から貰ってきた」
        
        『本当?』
        
         玄関のドアを開いて顔をのぞかせる巻。
        
        「ほら」
        
         猛黒が石を差し出すと恐る恐るといった様子で巻は手を伸ばしてそれを受け取った。
        
        「どう使うの?」
        
         猛黒を玄関に招き入れながら巻は問う。
        
        「えぇ? しらねーよ。石に意識を集中させてみろ」
        
        「うー―――っ」
        
         バリンッ
        
        「…」
        
         割れた。すぐ割れた。割れるというか砕けるといったほうがいいかもしれない。
        
         粗悪なものではなかったはずだ。
        
         政は嘘をつくがこういう時は自分の利益のためだけで嘘をついたことなどないし猛黒も石を調べて確かにそういった性質があると見たのだ。
        
        「お前の魔力どういうことだよ」
        
         声を絞り出す猛黒。要は、巻の魔力がおかしいのだ。
        
        「ふぇ…猛黒のうそつき…どうすればいいのよぉ…今日は奏さんもいないのよぉ…!」
        
         半べそになりながらスカートの裾を抑える巻。
        
        「退魔師呼べよ」
        
        「駄目なの!昨日も奏さんにお願いして、なんかむちゃくちゃにしちゃったから!
         このままだと奏さんのお尻がゆるゆるに…」
        
        「…まぁ、もう諦めろ。俺帰るわ」
        
         帰ろうとする猛黒の服を巻は掴む。
        
        「責任取りなさいよ…」
        
        「いやお前の魔法が失敗してなかったらいいだけだろ!俺の責任にすんじゃねぇよ!
         あと禄に怒られるの俺になるじゃねーか!」
        
        「禄にばれなければいいじゃない!」
        
        「ひえっ」
        
         押し倒される猛黒。
        
         巻の魔力に光来家の浄化の力が混じっているせいで魔の血が混じる猛黒は思いのほか振りほどけない。
        
         こういう時だけ自分の力の性質を恨んでしまう。
        
        「猛黒にも穴はあるのよ…」
        
        「思いつめるな考えなおせー―――!」
        
        「大丈夫、目隠しはするから!猛黒のお口を貸してくれればいいだけだから!」
        
        「禄、助けて禄!」
        
        「禄よばないでってば!」
        
         わーわーぎゃーぎゃーと二人は暴れながらも巻はなんとか猛黒を押さえこみ目隠しを施し、頭を押さえてその口をきょちんで塞ぐ。
        
        「ンぇ…ぇぅっ…んぐっ…」
        
         喉の奥まできょちんが入ってきて呻いてしまう。
        
        「奏さんとちょっと違って、すぐ奥までいっちゃう…」
        
         巻は奥に突っ込むと引っかかる感覚を少し堪能しつつ白濁となっている魔力を喉の奥に注ぎ込んだ。
        
        (なに、これぇ…)
        
         身体が熱くなる。余剰エネルギーが変な風に作用しているのだと判断できたがそれを抑え込むことができない。
        
        「はっ…はっ…」
        
         冷えた空気を体内に取り入れようと荒い呼吸になるが、その口を巻の口が塞ぐ。
        
        「んぅ、ふっ…んんんっ…」
        
         逃れようと手を動かすのだが巻の柔らかな手に掴まれ、そしてきょちんを握らされて一緒に扱く動きを強制される。
        
         免疫のない退魔師がイチコロで堕ちてしまったのも解る。
        
         力のコントロールを叩きこまれているはずの猛黒でも抵抗ができない巻の暴力的な魔力、それを体が求めるのだ。
        
        (ヤバ、い…!)
        
        「きゃっ」
        
         バチンと静電気のような衝撃が走った。猛黒が抵抗をして魔力を弾いたのだ。
        
        「は、はぁっ…」
        
         巻から逃れるように目隠しを毟り取りながらよろよろと這いずる猛黒。
        
        「猛黒、どこにいくの? わたしから逃げても無駄よ!」
        
        「くそ、バカ妹め…!」
        
         ほぼ咄嗟であり、距離を取りたいと本能的に猛黒は階段を上がって禄の部屋へ逃げ込むのだがそこまでだった。
        
        「なるほど、ベッドがあったほうがいいわよね」
        
        「そうじゃねぇよ…! ひっ」
        
         潜んでいた触手に拘束される。巻は手馴れた手つきで猛黒のズボンとパンツを奪ってしまった。
        
        「猛黒かわいいお尻してるのね?」
        
        「や、やめ…」
        
        「ちゃんと準備してあげるから大丈夫」
        
         ローションが垂らされ濡れたそこに巻の指が這い始めた。
        
        「長く生きてるとこういうことってあるわよね?」
        
        「ねぇよっ…!っあ、やめ、指いれんなぁ!」
        
        「はいはい。あら?この痕なに?傷?」
        
         触手に仰向けにされてそのまま脚に絡みつかれ大きく開かせる。
        
         そこで太ももに何やら数か所痕があるのを発見する。
        
         猛黒の表情が変わった。血の気が引いたような顔だ。
        
        「えー?なになに?」
        
         傷跡をつんつんする巻。
        
         猛黒は身を捩りながらちょっと艶のある呻きを漏らした。巻は少しして察することができた。
        
        「猛黒…そういうプレイを静堂さんと…そういう趣味なの」
        
        「違うッ俺じゃない!静堂の趣味!」
        
         吸血鬼の家来である静堂がこの場に居ないから酷い言い分である。
        
         猛黒だってしょうがないにゃあ…という感覚で吸血させているのだ。合意である。
        
        「負けられないわね」
        
        「あ、あっ…あっ…」
        
         何故か対抗心を燃やす巻に優しく指で中を撫でられて猛黒は上ずった声をあげはじめた。
        
         指先から魔力を少しずつ流し込まれているのはわかるが、それを体が抵抗せず悦んでしまう。
        
         蕩けてきた猛黒の表情を巻は確認しながら奏で培ったワザでもって猛黒を翻弄する。
        
        「気持ちいいねぇ? 猛黒」
        
         くすくす笑いながら巻は猛黒の半勃ちし始めているナニを優しく撫でるように扱きはじめるとみるみる固くなってきた。
        
         猛黒も男の子なので反応するのだ。
        
        「猛黒も気持ちよくなってきたようだし、一緒に気持ちよくなろうね!」
        
        「ひっ」
        
         一気にねじ込まれるきょちんに猛黒は歯を食いしばる。
        
        「魔力を加減すると猛黒にとって気持ちイイ形におちんちんが成ってくれるの。すごいでしょ?」
        
         巻の言葉と共に中で変化していく。
        
        「あ、あぁぁ…まて、やめろ、まき、やめ…」
        
        「怯える猛黒なんて初めてみたわ。そんな怖がらなくても気持ちいいわよ?」
        
        「ちが、そうじゃ、なっ…!ッ―――!!」
        
         悲鳴をあげながら身悶える猛黒。
        
         巻は楽しげにパンパンと腰を猛黒に打ち付け猛黒はそれに合わせて声を荒げながら悶えた。
        
         勢いよく射精もしてしまい巻はそれを満足げにみる。
        
        「猛黒も人間っぽいところあるんだねー。奏さんはお尻を気持ちよくされながらおちんちんを扱かれるのが大好きなんだけど、猛黒はどう?」
        
         巻の指が猛黒のナニを扱く。
        
         猛黒は涙をぼろぼろ零しながらも唇を噛みしめて耐える。
        
        「楽しいかも…」
        
         指の腹が鈴口を往復する。もう片方の手が陰嚢を揉みはじめる。奏よりも小さいのでやりやすい。
        
        「イっちゃえ猛黒。イっちゃえー」
        
        「っぁ、ぁ、ぁぁぁぁ…」
        
         耐えられず再び射精する猛黒。
        
        「すご、締め付けきつい…」
        
         巻も射精する。
        
         白濁ではあるが魔力だ。猛黒の体中にめぐる魔力の衝撃は快感に近く、猛黒は意識を手放しそうになるのを堪える。
        
        「やめ、まき、クセになる、こんなのっ…も、やめ…」
        
        「もうギブアップするの? まだ一回なんだけど…奏さんはもっと付き合ってくれるのに」
        
        「あいつにシろよぉ…!」
        
        「今いないから猛黒に相手してもらってるの!こんなことでヘバってたら猛黒はお嫁さん貰った時に困るんじゃない?」
        
        「こまらねぇ…ひぁっあ、あぁぁっやめ、やめろぉ!」
        
         まんぐり返しのような態勢にされより深く激しく巻のきょちんを味あわされ始める。
        
        「奏さんだとこの体勢難しくて。体格差がないの新鮮だわ」
        
        「ひっ…あぁっあっあっ…」
        
        「猛黒~蕩けた顔からすごくえっちな顔になってきてる~。かわいい。ここ好きだもんね?」
        
         ごりごり感じるところを擦り続けると猛黒は腰を揺らして泣きはじめる。
        
        「やめ…禄、にっ…おこられ…これ、いじょ…俺、我慢…」
        
        「えぇーこんな状態でも我慢してるつもり~? どろどろじゃない。なにを我慢してるのかなぁ?」
        
        「ひぅっ! まき、やめ、ほんとう、おれ、だめ、これいじょう、だめだからぁ…!」
        
        「諦めて気持ちよくなりましょう?」
        
         巻はずこずこ攻めると猛黒は泣きわめいていたがイく。
        
         そこで猛黒の猛黒足らしめる部分がふつりと切れたのだが巻は知る由もない。
        
         突然猛黒の脚が、腕が、触手を振りほどいて巻を抱きしめる。
        
        「ふぇ? 猛黒?」
        
        「…」
        
         繋がったまま猛黒に押し倒れる巻。
        
         先ほどまで蕩けていた猛黒の表情はどこへいったのか…そこには野性味あふれる欲情に塗れた笑みを浮かべる猛黒の表情があった。
        
        
         ◆ ◆ ◆
        
        
        「びっくりしたよ、僕の部屋で二人がえっちしてるんだもん…どういうプレイかと」
        
        「ふぇぇびっくりしたよぉ! 猛黒がいきなり理性なくして襲い掛かってくるんだもん!」
        
        「猛黒はもともと理性はないんだけどね…」
        
         あのあと巻は本能を剥き出しにした猛黒にたっぷりと搾り取られ、満足した猛黒が先に意識を飛ばしたところに禄が帰って来たのだ。
        
        「巻、猛黒のいうことは聞いてあげてね? うっかり加減を間違って巻に怪我をさせるかもしれないんだから」
        
        「はぁい」
        
         猛黒には理性がなく知性で本能を抑えているのだ。
        
         自分が考えた筋を通して生きていたりちょっとキレたら手が出てしまうのはこの気性のせいである。
        
        「こういうことは奏さんとだけにしてあげて」
        
        「そ、そうね…良く考えると浮気になっちゃうし…。
        
        なんだかおちんちんが生えると気分が大きくなっちゃうの」
        
         しょんぼりしている巻。
        
        「うっ…」
        
         意識を戻す猛黒。ぼんやりとした視線が禄を捕える。
        
        「ひっ! 禄!」
        
        「そんな怯えないでよ…。
        
        巻に怪我はないし、今回は巻が悪いし」
        
         禄が手を伸ばすと猛黒はザッと退く。
        
        「どうしてそんなに禄にビビってるのよ貴方」
        
        「前世で何かあったのかな…でもまぁ前世は前世だし。猛黒、怖がらないで」
        
         禄は猛黒を捕まえて頭を撫でる。
        
        「お前はどこで怒りだすかわかんねぇんだよ」
        
        「そんなことないんだけどな」
        
        「猛黒ごめんね!おちんちんが生えるととにかく襲いたくなっちゃうみたいで…」
        
        「本当気をつけてくれよ…もう2度とごめんだ」
        
         本当にうんざりした顔で猛黒は呻いた。
 
  
 
 
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