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薄い本ように整えたので支部と差異がある可能性があります。
正直覚えてないです。
「奏くん大丈夫?」

 奏はハッとした表情で覗き込んできていた神子に気づいた。


「最近なんだか上の空だけど」

「少し、考え事を」

「巻と喧嘩でもしたの? 巻もここのところずっと休んでいるようだけど。」

「本当か!?」

 立ち上がって神子の肩を掴むので神子は驚いた表情で奏を見返す。

「知らなかったの?君、まわりに関心なさすぎじゃない?」

「いや、そういう、わけでも…」

 巻の身に起こっている下半身事情を思い出して視線を泳がせる奏。

 一緒にいると巻に欲情してしまう自分がいて、おそらく巻もそうなのだろう―――

 お互いに距離を置いてしまったのだが、巻が休んでいるとは思わなかった。

「巻の様子を見なくては…何か起こっていたら心配だ」

「わたしも行こうか?」

「いや! 僕だけでいい! 君は土鎌くんと好きなことをしててくれないか! 土鎌くんもそれを望んでると思う!」

「言い方に引っかかるけど、まぁいいわ…?」

 神子は神妙な面持ちで頷く。ここで神子が乱入してくればとてつもない相乗効果で奏の身が危ないのだ。切実に。


 ◆ ◆ ◆


 放課後、奏は巻の家へ向かった。

 呼び鈴を鳴らし、しばらく待っているとゆっくり玄関が開かれる。巻―――ではなく、双子の兄である禄であった。

「お久しぶりです正法院さん」

「久しぶり。帰ってきていたのか…巻は?」

「巻のお見舞いですか? ありがとうございます。巻はずっと寝ていて、風邪らしいんですけど」

「風邪?」

「はい、どうしました? 妙な顔をして」

「いや、巻から何か話は…?」

「特に何も聞いてませんけど…ここで立ち話もなんですからどうぞ中へ」

 中へと案内されつつ考える奏。

(巻は禄に話していないのか…? やはり何かあったのだろうか…さすがに僕から禄に伝えるのは問題が)

 妹さんにちんちんが生えましたなどと言いにくい。

(もしかして巻…言い出せてないのか)

 あり得る話だ…と奏は一人で納得していると禄は振り返る。

 その顔は穏やかだ。巻の問題が発覚すればどういう顔をするだろうか。双子であるが巻とは違った笑みを浮かべる。

「飲み物を用意しますね。先に巻の部屋へ行ってあげてください。心配でしょう? 僕はあとから行きますから」

「あ、あぁ」

 奏は早足で巻の部屋へと向かう。

「巻! 大丈夫か? 学校に来てないと聞いたが!」

 ノックも忘れてドアを開く。

 中はカーテンが閉められていて薄暗いがベッドが膨らんでいるのが分かった。

 頭まですっぽりと布団をかぶっている巻に歩み寄ると、巻はもそもそと動いて顔だけ出した。

「か、かなでさぁん」

 泣きそうな声だ。

「す、すみません禄に言い出せなくて風邪って嘘ついちゃって…あの…奏さんの負担を考えて我慢してたら、動けなくなっちゃって」

「動けなく?」

「ふぇ…こんなになっちゃってぇ…!」

 布団を捲って下半身を見せる。

 パジャマ姿の巻。ずり落ちたズボンと下着…そこから覗く兇器のような一物。ビクンビクン、ではなくドクンドクンと脈打っている。

 デカい。僕の知ってる巻の一物の最高サイズじゃない。

 それを軽くオーバーしている。

「我慢したんです、一週間我慢しました…すればするほど大きくなっちゃって…奏さん怖いよぉ…奏さん?」

 巻はふと奏の様子に首をかしげる。

 その表情はドン引きしているだとか顔を引きつらせて後退るわけでもなく、一点を凝視している。

 その目が普通ではない。遠い昔になんだか見たことるような――虚ろな目だ。

 その奏の唇が震える。

「かなで、さん…?」

 素早く奏の手が巻の脚を掴みあげる。

「きゃあ!? だめっ奏さん! 奏さん!? いやぁぁぁ!!」

 巻はナニを口へ咥える奏の頭を掴んで悲鳴を上げる。

 待ち望んでいた強い刺激が巻の身を反らせる。ゾクゾクとした快感で体がとめどなく痙攣する。

「すっちゃだめ、かなでさん、おくちっあつい、やわらかい、だめっ吸わないでぇ!」

 どびゅ、と奏の口の中を白濁に塗れさせ、そしてそれをじゅるじゅると音を鳴らして吸い上げられる。

「だめ、だめぇ! きもちいいの、がまん、してたのに!

してたのにぃぃ!」

 痙攣が落ち着いた巻は奏の頭を抱きこむように押さえつけ、自ら腰をカクカクと揺らし始めた。射精が止まらないのだ。

「はぁ、まきっ…まきぃ…」

 顔を上げてゴクン、と飲みこみながら奏は息をつき、まだ溢れ続けるねっとりとした質量のある白濁に舌を絡ませる。

「か、かなでさんえっちだよぉ…」

「まき…僕、巻の、欲しい…ごめんまき…僕…」

 声を絞り出す奏の表情はいつもと違う。えっちな顔だ。

 奏は巻に乗りかかるようにベッドへ脚をかけ、巻のそれに手を添えたままズボン越しに自分の下半身を擦りつける。

 巻の腰も奏の腰も擦りつけあうように揺れる。

「かなでさんっ」

「まきの、みたら我慢できなくてっ…いっぱい欲しいっ…

僕の中にいっぱい出して…!」

「いっぱいだします! ハッ!」

 巻は身を硬直させる。

「……」「……」

 禄と目が合う。禄は部屋を覗く様にして立っている。

 そうだ、兄が帰ってきていたのだった。

「ろ、禄…あの、これには事情が」

「うん…聞かせて?」

「あの、奏さんがとても興奮してて、禄に気づいてない」

「うん、ちょっと待って今行くから」


 ◆ ◆ ◆


 奏は床に崩れて泣いていた。

「ちがう、違うんだ。見た瞬間、頭の中が真っ白になって気づいたら淫行を―――」

「正法院さん、顔をあげて…別に僕は怒ってないから」

「そうです、わたしのせいだし」

 二人になだめられる奏。

「とにかく、巻に男根が生えてそれを正法院さんが鎮めてくれていたのは理解しました」

「僕は色欲に負けたのか」

「いえ、たぶんですけど巻の魔力に魅了されてるだけだと思います。微かに正法院さんの中に巻の魔力を感じるし…。
 どうして僕に話さなかったの巻」

「話そうと思ってたの…でも、いざ話そうとなったら恥ずかしくて…」

 しょんぼりする巻。

 やれやれと禄はため息を吐いて奏を見る。

「正法院さんに無理をさせてしまってすみません」

「そんな。僕は巻を助けることができない。だからこれぐらいしか方法がなかった」

「そうですか…心苦しいですが、もう少しだけ付き合っていただいていいですか?
 巻の魔力を出し切らないともとに戻せないので」

「これ精液じゃなくて魔力なの?」

 巻はナニに手を添えつつ白濁を思い出しながら問う。

「そうだよ。で、本来なら消失していくけど正法院さんの霊媒体質の影響か巻の魔力が体内に蓄積されてる。
 だから魔力中毒を起こしてるんじゃないかな。さっきみたいに濃い魔力を前にして理性が飛んで巻を襲ってしまったと。
 魔力の過剰摂取は命の危険がありますね。神降ろしみたいなものとは種類が違いますので」

 魔力の過剰摂取で魂が変質して命の危険があるのだが、この中で魔術を専門に扱っている者がいないので危ないかもしれない、程度の認識しかできない。

 猛黒がいればいいのだが、彼は淫行の場は避ける。呼んでもこないだろう。

「結構、奏さんの中に出しちゃってるけど」

「正法院さんは容量が大きいからまだ大丈夫だよ」

 奇跡的に奏の容量は白神を降ろせるほどあった。なので巻の魔力だけで限界を超えることはない。今のところは。

「確かにあのサイズを飲みこむわ」

「そういう話はしてないけど、とにかく正法院さん。
 もう少し巻に付き合ってあげてください」

「あぁ、わかった」

「出し切らないといけないのよね。よし、本気で行きますからね奏さん!」

「お、お手柔らかに」


 ◆ ◆ ◆


 パンパンと小刻みに打ちつける音が部屋に響く。二人はベッドではなく床の上で繋がっていた。

「あっあっ…! また出しますぅ!」

「ひぎっ…あぁぁぁぁ――――…!」

 奏は涎をだらだらと垂らしながら声を上げる。その顔は快楽に堕ちて蕩けていた。

 打ち付ける音とともに、ごぷごぷと卑猥な水音も聞こえてくる。

 もう収まりきれずに挿入の度に接合部分の隙間から溢れる音だ。

「気持ちいい…奏さんの中とっても素敵」

 巻はうっとりしながら呟き、腰に当てていた手を離して奏のナニへ伸ばして扱き始めた。

「ひぃ!?」

 悲鳴を上げる奏。

「やめ、にぎっちゃ…やぁぁ…こすらないでぇ…!

頭、変になるぅぅ…!」

「変になってください、トんじゃいましょうね奏さん…うふふ、すごい…シコシコしてあげると中が蠢いて…
 あぁ、奏さん気持ちイイ―――…!」

「アッ…アァァァ」

「イってます? イってますよね、おちんちん握られながらお尻で攻められるの大好きですもんね!」

 巻は悪い笑顔を浮かべて絞るようにいじめる。

「ほら、びゅーってしましょう! 奏さんもいっぱいびゅーってするともっと気持ちよくなりますからぁ!」

「あひっ…あ、あぁぁっ…」

 巻の言葉のままに奏は射精し巻の手と床を熱いもので汚す。

「良い子ですよ奏さん。いいこいいこ…しばらくこのままシてあげますから!」

 最後まで絞り出させるかのように射精しているナニを扱く。

「いやぁ…ゆるし、て…しんじゃう、僕しんじゃう…!」

「この程度で死にませんからぁ!」

「~~~~ッ!」

 奏は床に額を擦りつけて下半身を痙攣させる。

 その絡みつくような締め付けに巻も喘ぐ。

 そこから奏はそのままの態勢で巻に揺さぶられるまま。

 理性を失い完全に快楽に沈み、焦点も合わず舌も唾液も垂れ流して巻のデカい一物に突きあげられるたびに声を漏らす。

「はぁー…はぁー…中にいっぱい出しましたし、今度は奏さんをデコレーションしちゃいましょうか…。巻を全身で味わってくださいね」

 巻のナニはまだまだ治まらなかった。


 ◆ ◆ ◆


 禄が様子を見るため部屋へ戻ると、なんだかすごいことになっていた。全身白濁塗れの奏がいる。

「はぁ…はぁ…奏さん好き」

 熱に逆上せた表情の巻が、どろどろになっている奏の頬を撫で、その唇をなぞる。奏の喉がコクンと動き口が開く。

「あぁ、奏さんまだ欲しいんですか? 巻うれしいです!」

 巻は奏の頭を掴んでその口へナニを捻じ込んだ。

(これは重傷だなぁ…)

 疲れた表情を浮かべる禄。

(猛黒に連絡して元凶を殴っておいてもらおう)

「奏さん…巻のおちんちん好き?」

「す、き」

「嬉しい…でも今日で終わりなんですよね…名残惜しいですけど、巻の味忘れないでください」

 そっと禄はドアを閉める。

 ちょっと妹たちの性生活が歪んでしまった。

 まぁその辺は奏に任せるとして。

 禄は巻の部屋に置いていた原因の魔道書へ視線を落とす。

「あの状態じゃもうしばらくかかるかな…」
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