おしっこ飲むプレイがあります。

 ラヴィル=カリツォ=スターリングは悩んでいる。
 テスタ=コーシチェーリプと恋人のような関係に収まったが、このテスタが倫理感ゼロだったのである。
 ただ素行不良で邪教団にハマっただけでもなく、人工体ってこういうものなのかな?と思ったがそういうわけでもなく。
 そもそも人工体が全員こうだったら人工体で成り立っている今の社会は刹那的無秩序で崩壊しているだろう。
 つまりテスタはかなり変わっているということだ。
 悪趣味なことが大好き、そういうことであった。
 今は変な集会に通うこともなく、魔薬に手を出すこともなくなっ…いや、魔薬はこっそりスターリングに隠れてヤってそうであるのだが。
 大学を卒業してしまったらこいつは社会不適合で収監されてしまうのではなかろうかと心配になってくる。
 罰せられるわけではなくただ規則正しい生活を強制させて更生させる場なのであるが、そんなところにテスタを入れたら死んじゃいそうである。最悪、修道院に連れて帰ろうかな…と考えてしまう。『外』はここより辛いが魔素を薄めるマスクをしていれば苦しさは緩和されるし修道院から出なければ重症にはならないだろう。そもそもテスタを探しに修道院から『外』に出て、そしてここに辿り着いたのだからこの場所にしがみつく理由もないのだ。
 テスタも一度修道院に行ってみたいと言っていたし、そのまま移り住んでもいいかもしれない。
 なんて思い考え込んでいたら後ろから強く抱きしめられた。

「あぁ、テスタ。おかえり」
「ただいま」

 振り返るとテスタがキスをしてきてそのまま押し倒された。
 教団で乱交を極めていたテスタのキスは童貞だったスターリングには耐えられないほど気持ちが良い。

「はぁ、ん…ぅ…」

 息苦しくて悶えてしまうがそれをテスタは許してくれず、顔を両手で挟まれながらキスがより深まっていく。
 唾液の交換というより一方的に流し込まれスターリングは脳が痺れてくるような感覚に浸る。
 テスタの体液に含まれる魔素が、以前魔薬で刻まれた快楽の感覚を引き出しているのかもしれない。
 顔を離し、とろんとしているスターリングの表情にテスタは笑みを浮かべると服を脱がす。
 毎日してるせいでスターリングの体にはテスタにつけられたキスマークが無数に残っていた。
 これを見るたびに自分の物だと実感できて興奮してくる。

「…縛るか」
「…え?」

 縄を出してくるテスタに困惑するスターリング。

「縛られながら犯されるの気持ちいいからさ」
「解らないだろ、ちょ、やめっ…!!!」

 スターリングは縛られながら犯されるのであった。



   ◇◇◇◇



 テスタは湯船の中へ錬金魔薬をぶちまける。湯船の中にはゲル状の蠢く何かが詰まっていて魔薬を飲み込んでいく。

「うーん」

 見下ろしながらテスタは遠い目をする。
 魔薬を使わなくなったので処分のため、スライムを拾ってきて食べさせて証拠隠滅を図っていたのだが…手乗りサイズが随分と育ってしまった。魔薬の栄養価が高いのかもしれない。スライムの寿命もあるのでそのうち死ぬとは思うのだが…魔薬を与えている間は生きているだろう。

「まぁ、いいか」

 テスタは自室を出てスターリングの部屋に向かう。
 最近縛るのが楽しくなってきたので縛るようになった。スターリングの白い肌に赤い縄の痕が残るのが好きなのだ。
 ノックもせず静かに侵入する。合鍵を与えられているので不法侵入ではない。

「ふっ…ぅ、んぅっ…ぅ…」

 スターリングはベッドに仰向けに身を沈めながら、切なそうな顔で漏れる喘ぎを堪えている様子だった。
 服の上から擦れて痛いのか、気持ちいいのか、そういった部分を手でさすっている。
 腰が上下に揺れ始めて、手が股間に伸びる。
 もう片方の手は口元を覆っていた。

「んぅっ!ぅ、うう、はぁっ…ぁぁ…」

 身を縮みこませて両脚で手を挟むようなポーズになってしまう。おそらく見えていないところは手を動かして服越しに股間を擦っているのだろう。こういう痴態を眺めてるのが楽しかった。普段真面目な顔をして服の下では変態なことをやっているのだ、テスタにとって背徳的なことは良いことだった。
 スターリングの体がガクガクと震える。イってしまったのかもしれない、蕩けた目が宙に向かい―――テスタと視線が合った。

「ひっ…!?」
「可愛い自慰行為してんじゃん」
「こ、これはっ…縄が、食い込んで…苦しいからっ…!!」

 カタカタと震えながら言うスターリング。

「こんなんじゃ外に連れ出して街中歩けねぇーな?」
「そ、そんなこと、できない…」
「じゃあスライム風呂だな」
「えっ?」

 テスタはスターリングを抱きかかえると部屋から連れ出し自室へ戻った。
 力が出ずふにゃふにゃなスターリングから服を脱がせて縄で縛られたままの状態の全裸にする。

「ピアスデビューもするか」
「痛っ…」

 乳首に針を突き刺す。とっさにスターリングはテスタの腕を掴むのだが指に力が入らなかった。
 鋭い痛みからじくじくとした痛みに変わっていくのが堪らなく良くて、スターリングは喘ぎそうな声を抑え代わりに涙を流す。

「からだぁ、変…テスタに、痛いことされてるのにぃ…きもちいい、きもちいいよぉ…」
「お前の体がそれを望んでるからだろう?」

 テスタは愛おしく思いながらスターリングの頭を撫でてその口元に耐魔素マスクを着けさせる。一応マスクの現状をしているが外気の魔素を抑えるとともに体内の魔素も一定の量を保つようにしてくれるものだ。
 今からスライム風呂に投げ込むので重要なものであった。

「可愛い俺のスライムに可愛がってもらえよ、たっぷりと」
「すらいむ?」

 状況が把握できていないスターリングをテスタは湯船に投げ入れる。弾力のあるスライムはスターリングの体を優しく受け止めるとそのまま飲み込んだ。

「!?!?!?!?!?!」

 暴れるスターリングだが飲み込まれてしまっているためどうすることもできない。
 スライムが絡みつく部分が、皮膚に接触している部分から、じわりと何かが浸透していく感覚。
 最初は熱かった、溶かされているのかと錯覚するほどに。次第に熱は神経を直接刺激するような快楽に変わっていく。

「お、ぉ…ぉっ…」

 スライムに浸りながら仰け反っているような体勢でスターリングは唸るような呻きを上げ続ける。その目は白目をむきかけていた。

「今お前の神経を書き換えてる。もっと気持ちよくなってほしいからさ」

 テスタはスターリングの頭を撫でながら言う。

「あ、あっあ、あぁぁぁぁぁ」

 身悶え始めるスターリング。スライムが体内に侵入し始めたのだ。脚をM字に開かせられ、散々テスタに遊ばれ開発されてしまっているそこをスライムは硬さを調節して侵入してくる。
 遠慮なく暴力的に普段届かないだろう奥まで―――犯される。
 そして全身が性感帯のようになってしまったその肌を締める縄はスライムの水分で膨張しより締め付けてきた。

「たすけ、てぇ!おかしく、なるっ!こんなの、おかしくっっ!!!!」
「遠慮なく壊れていいぞ」

 テスタは身もだえ泣き叫ぶスターリングが愛おしかった。
 宙を掴もうとするスターリングの手を握りしめて、その手にキスを落とす。

「ひぃっ…」

 ゾクゾクした感覚に仰け反るスターリング。それに合わせてスライムは乳首の傷に干渉して上書きしていく。

「ッあぁぁぁ…」

 スライムの中に射精するスターリング。うっすら桃色に色づいているスライムが白く濁る。

「あぁ、出してもまだ勃起してんじゃん…気に入った?」

 テスタはスターリングのそれをスライムの中から取り出して先端を咥え吸う。

「あ、あぁ?てすたぁっ」
「口の中に出してもいいし何だったら小便してもいいぞ?飲んでやるよ」

 微笑むテスタにスターリングは我慢しきれず再び達してしまう。
 熱をテスタは飲み込んでいく。

「のむ…?てすたが、おしっこ飲んでくれるのぉ…?」
「そうだよ。お前そういうの好きだろ」
「んぅ…あぁ…」

 言われるがまま、スターリングは従う。テスタは言った通りにしてくれた。
 それがとても嬉しい。気持ちが良い、気持ち良いと感じた瞬間、強い快楽の波が襲ってくる。

(死ぬ、死んじゃう、くるしぃ…きもちよすぎてくるしぃぃ…)

 スライムの契約者はテスタであるから、スライムはテスタだ。気持ちいいところなんて知り尽くしていて、もっと気持ちよくさせようと神経を書き換えてきた。抵抗しようがない。スライムに犯されているが動きなどもテスタの普段の動きがトレースされている。本能が服従してしまう。理性が溶けていく。
 マスクが邪魔だった。キスがほしい、テスタのキスが。キスをされた時が一番脳が溶けて幸せに感じて、愛されていると思ってしまう。

「う、…」

 震える手でスターリングはマスクに手をかけてそのまま外してしまった。

「あ、ラヴィル!?」

 焦るテスタ。しかしスターリングは妖艶に目を細めて微笑んでくるので魅入ってしまう。
 涙で濡れる彼の空色の瞳が好きだった。

「キス、してぇ…」

 完全に甘えた、蕩けた甘い声。引き寄せられるようにテスタはキスを交わす。

「うぅ…ぅ…げほっ」

 スターリングは耐え切れず、咳き込んだ。血を吐きながら。



    ◇◇◇◇



 病室にスターリングとテスタはいた。ベッドに寝かされているスターリングは耐魔素呼吸器を装着されて点滴が繋がっている。

「ごめんなラヴィル…今度は自分でマスクを外せないようにするから」

 テスタはスターリングの手を握りながら悲しい表情でいう。

「あぁ…うん…えっちなことしてて病院に運ばれるのはもう嫌だ…恥ずかしすぎる…」

 スターリングは顔を赤くして眉間を顰めた。
 恥ずかしい…血を吐いた後は覚えていないがプレイ中の事故だっていうことは状況的にバレバレであっただろうと思った。
 とても…恥ずかしい…。

「ラヴィル…ケツに入った異物事故の理由はだいたい「尻もちをついて」が多いんだぜ」
「足を滑らせてスライム風呂に入るやつがいるか!?ゲホッゴホッ!!!」
「叫ぶなよ、ちょっと肺に魔核の細かいの出来てるって医者言ってただろ」
「叫ばさないでくれ…てかなんだあのスライムは…」
「飼ってたら大きくなった」
「俺が退院するまでに処分しろ…」
「えぇー…」

 しょんぼりするテスタだがスターリングは許さない。どうせ処分しても新しいのを拾ってくるからだ。
 やはり街に住むより修道院にいたほうがいいかもしれない。修道院にはおかしな魔法生物はいない。

「解った…退院するまでラヴィルの世話をする…」
「そうか…?」
「尿意はないか?飲んでやるけど」
「………病院でするのは止めとこうよ…」

 スターリングは声を絞り出しながらテスタに言う。
 テスタの行動基準は相手への思いやりではなく、自身が得られる満足感の加減なのであった。