ダリアは珍しく修道院から出て宿泊しているホテルの部屋にいた。
 呼び出しがあったためである。
 そこに訪れた巻はとても申し訳なさそうな顔をしてダリアに頭を下げた。
    
    「すみません!金輪さんが奏さんの巻き添えになってしまって!
 奏さんも私の魔力を金輪さんから抜こうとしてはくれたんですが…量が半端ないみたいで…」
    
     そう説明して視線を横にいる金輪に向ける。
 金輪は頬を赤くしながらもぷるぷる震えて何かに耐えている様子である。
    
    「聞くところによるとダリアさんも金輪さんから瘴気を抜くことができるそうで…。
 だったら私の魔力も抜けるんじゃないかな〜、なんて…」
    
     てへぺろな様子の巻。
 シスターダリアは金輪を一瞥し巻に視線を合わせて頷く。
    
    「いいでしょう。魔力を抜いたことはないですけどやってみます。
 あとは私に任せて。まだ白神の使徒は治っていないのでしょ?そちらへ行ってあげて」
「はい!本当にすみませんでした!!よろしくおねがいします!
 これ肉色触手ちゃんのトリセツです!参考にどうぞ!」
    
     帝威政がまとめた資料をダリアに渡した巻は急いで部屋を出て行った。
 ダリアは資料をぺらりぺらりとゆっくり捲りながら触手のことを考える。
 巻の魔力が物質化すると肉色の触手の塊となる。それは好意を向けるものに襲い掛かり襲われたものは魔力を消化するまでえっちなことになる。
 奏や金輪は魔力を消化ではなくため込む体質だ、第三者が取り除かなければならない。
    
    「なぜ私を呼んだのです?骨の魔物でもいいのでは?」
    
     六道なら体内に魔核もあるのですぐに魔力を吸いつくしたであろうに。
 さきほどから黙り込んでいる金輪は口を開くが言い淀んで口を閉じる。
    
    「すけべ」
「ちっ!ちがう!骨は殴るんだ、今の状態だと気持ち良すぎるんだよ!」
「……」
    
     ダリアの目が冷たい。
    
    「顔ばっかり殴る!…シスターダリアは殴らないだろう…?」
「殴りませんが…あなた瘴気もかなり溜まってるんですね。はぁ…ちょっとお待ちなさい」
    
     部屋を出ていくダリアだが、そんなに時間をかけずに戻ってくる。ダイを連れて。
    
    「不本意ですがダイにも手伝ってもらいます」
「!!!?」
    
     金輪が逃げるがそのまま腰が抜けるような、足に力が入っていないような倒れ方をしてガクガクと震えだす。
 とっさに自分で口を塞いだため嬌声を上げることはなかった。
    
    「……ダイのいかがわしい姿を妄想しましたね?
 解ってますか?今いかがわしい姿になってるのはあなたなんですよ!
 あなたがダイにつっこむことはないと思いなさい!」
「ねーさん…」
    
     ダイはトリセツを読みながら聞かなかったことにしたほうがいいかな…と気を遣う。
 金輪からいかがわしい目を向けられるというか、ただ単にフェチが筋肉なだけなんだろうという視線は察しているので姉の対応がちょっと過激で過敏じゃないかなー、なんて思っているダイだ。
 金輪は我慢していたのにダイのせいでもう涙をぼろぼろ零し声が漏れ始め腰の震えが大きいままだ。
 トリセツによると触手が相手の望む動きをするらしい。金輪が腰を揺らしているのではなく揺らされている可能性がある。
    
    「さっさと済ませてしまいましょうダイ。」
    
     服を脱いで下着姿になるダリア。ギュッとゴム手袋をはめている。
    
    「あ、ダイは脱がなくてもいいですけど…うーん服汚れるなら脱いだ方がいいかしら」
「姉さんと一緒でいいよ」
「そう?ごめんね、スターリングさんにあなたの肌をみせたくないんだけど…」
    
     半裸のアッシュ姉弟に今度は金輪の服が脱がされていく。
 金輪の下半身を中心に肉色の触手が絡まっている。
    
    「まぁ、よくこんな状態でここまで来れましたね。こんなにさせて」
「ぅあ、っ!あーっ!?」
    
     ダリアに仰向けにひっくり返され触手に撒きつかれて勃起状態のそれをダリアが握り容赦なく触手越しに扱き始める。
    
    「これをダイに挿入れてるのを妄想して!悪い子です、こんな大きさで!ダイの方が大きいでしょ!」
「別にスターリングが小さいわけじゃないぞ」
    
     姉のフォローをする出来た弟。
    
    「待っ…!ほんと、やめ、イく、離し、イッ…!!!!」
    
     腕を伸ばすがダイが金輪を後ろからその両腕を掴み上げる。
 ダリアの手の動きに合わせてアシストするように触手は金輪の尻へ伸ばしていた触手を膨張させ、内側からも強く攻め始める。
 金輪は首を左右に振り、泣き叫ぶような悲鳴を上げて射精する。
 不思議と触手も先端から何かしらの体液を吐き出してくるが、ナニに巻き付く触手の動きはそのままで脚に絡む触手に力が入り脚を押し広げてまんぐり返りのような体勢にさせられる。
 頭をダイに預ける形になって金輪は一層顔を赤くしてもがく。
 腕にまで触手が伸びる。ダイの代わりに掴んでやるぞ!という意気込みを感じて思わずダイは手を離した。
    
    「ひぃっぅ、やぁ…!やだぁ…!!みる、な、みるなぁ…!」
    「説明通り触手が何かだすと魔力が放出されますね、それを吸えば問題ありません。これでいきます。
 スターリングさんの射精と連動するというのはその通りなのね…ダイがしてあげたほうがいいかも。手袋しますか?」
「いやさすがに可哀想だからこのままでいいよ…スターリング、今度は俺がするからな?」
「ッ!?」
    
     ダイに扱かれ始め金輪は仰け反るように体をくねらせて再びイクが、ダイの手が止まらない。
 後ろからの刺激にも耐えれず金輪は二重の絶頂に口をはくはくと動かして目を見開く。
    
    「イって、イってる、だいぃぃ!」
「そうか、良かったな!」
    
     いつものさわやかにっこり笑顔を浮かべるダイ。
 その笑顔に金輪は顔を顰め触手が吐き出す体液を内側で受け止め体を痙攣させる。
    
    「姉さん、怒ると思うんだけどスターリングを早く解放させたいんだが…良い?」
「……はぁ、どうぞ」
    
     諦め顔のダリア。ダイは苦笑しながら金輪を抱き寄せると自分の腰の上へ乗せてダイ自身は横になる。
 金輪がダイに馬乗りになったかのような状態だ。
 下着越しであるがごりごりと股間を金輪に擦りつけると金輪は体を跳ねさせて興奮しはじめる。
    
    「ダイの、ほしいっ…!ほしぃっ…!!はぁ、ダイ、ダイぃ…!!」
    
     正気を失った顔で腰を振ってくる。
 しかし先に触手がみっちりと入り込んでいるので望みを叶えることはできない。
    
    「おっ、ぁ…!」
    
     大きく跳ねる金輪。中の触手の形が変わったのだ。触手はダイの邪魔にならないよう調整しながら金輪の腰を支えつつ中の触手はピストン運動をし始める。
    
    「ぉぉぁ…ダイっ…だぃぃ…!!」
「よしよし、気持ちいいな?抱きしめていいぞ」
「ぅ、ぅぅぅ…!!」
    
     金輪はダイの肩を掴み胸元に顔を押し付けて身悶え始める。腰の動きは激しい。
    
    「むかつく」
    
     一言呟いてダリアは金輪の尻を叩く。良い音がしたし金輪の悲鳴が上がる。
    
    「た、叩っか、ないでっ…!」
「うるさい、叩かれるのが気持ちいいくせに」
「そ、そんな、ことなっイッッ!!!!」
「後ろでイってますね?今イキましたよね?ダイに抱かれてお尻叩かれるのが良い?むかつく」
「だり、あっ!やめ、ンひィっ!!」
「あぁ、殴られ調教で変な癖ついちゃったんだなスターリング…。よしよし」
    
     ダイは金輪の頭に手を添え撫でる。
    
    「ぁ、…あっ…ぁ…!」
    
     身悶え、時には跳ねて痙攣して―――金輪は絶頂と射精を繰り返しもはや意識も落ちようかというときに触手が離れた。
 ずるずると抜けていく触手のその開放感に金輪は最後の絶頂を迎え、尻を突き出すようなポーズでぶるぶると震え放心している。
 抜け落ちた触手は解けるように消えて行ったが金輪の中に出された体液は消えず垂れ流れてくる。 
    
    「高濃度の魔力なので掻き出しますよスターリングさん」
    
     ダリアの指が中へもぐりこんでいく。十分に遊ばれていたため抵抗もなく柔らかくすんなり入る。
    
    「ひぅ…ひっ…」
    
     混濁した意識の中である金輪は緩やかな愛撫のような刺激に反応してしまいピクピクと体を震わせダイにしがみつく。
 金輪のナニからとろとろと汁が垂れ流れる。
    
    「だぃ、きす…きすして…欲しい…きす…」
「……」
    
     無言でダリアが金輪をひっぱり起こしてキスをする。
 金輪は正気ではなかったのでダリアに腕を回し深く深くキスをし始める。
    
    「はっ…はぁ…」
    
     気が済んだのか、舌先から糸を引きながら顔を離した金輪はそのまま崩れ倒れた。
    
    「ダイでなくてもいいんですよ相手は」
    
     ダリアはそういう。ダイに言い聞かせたのかもしれない。
    
    「姉さん、気分は?大丈夫か?」
「瘴気は吐きそうになりますけど魔力は悪酔いに近い感じになりますね…。
     このまま寝ましょう。起きてから一緒にシャワーを浴びればいいわ」
    
     金輪を真ん中にして川の字で横になる三人。
    
    「……シャワーまで一緒なんだ」
    「そうですが?」
    
     はて?と首を傾げそうな姉に対してダイはちょっと金輪がかわいそうになった。
 姉は金輪を完全にそういう男性として見ていないなぁ…と。