沙汰闇堕ちエンドみたいなの。
 はっ…はっ…と短く呼吸を繰り返す声が耳につく。
        
 その呼吸は目の前の男…自分の下で喘いでいる男の声。
        
 白く大きい背中が忌々しく思えて爪を立てて引っかく。
        
「うぐっ」
        
 きゅうっと、彼の中が絞まって挿入していた自分のナニが快感を強める。
        
「そんなに痛いのが好きか?正法院くん?」
        
 沙汰は声をかけると、奏は小さな声で「ちが、う…ちがっ…」と否定する。
        
 男を抱く趣味はまったくない。
        
 しかし神子が抱けというから抱いている。
        
 目的はこいつの尊厳を奪い去ることだと認識している。
        
 要はこいつを貶めて女にしてしまえばいいわけだ。
        
 それが終わればきっと神子は自分の相手をしてくれる。
        
 こいつに飽きてくれる。
        
 そう信じて。
        
「レイプされてるのに、そんなに善がってしまうのも難儀な身体だよな?」
        
「ひぃっ!」
        
 腰を動かし奏の感じる部分を擦ると面白く跳ねた。
        
 両手をベッドに拘束しているのでさして大きくは動けないが。
        
 それでも面白い反応。
        
「もっと女みたいな声上げろ。神子が満足しないだろ?」
        
「やめ、はっ土鎌、くんっ…!やめ、いや、いやっ…!!〜〜〜ッ!」
        
 前立腺の刺激に耐え切れなかったのか、奏は漏らすようにぼたぼたと精液を垂らしはじめる。
        
 ガクガクと腰を震わせ、舌を垂らしながら声を漏らし続ける奏。
        
「あーあ、勢い良くイケなかったなぁ?イキっぱなしみたいな感覚だろ今?
 身体が女になってきてるんじゃないか?なぁ?奏ちゃん?」
        
「も、や…もう、やだ…」
        
「オレが満足してないんだけど?
 腰ふって奉仕しろよ。じゃないとコレ使うから」
        
「ひ!!?やめ、やめて、それ嫌!いやだ、いやぁ!!!」
        
 逃げようとする奏だが逃れることなどできず、沙汰の手が奏のナニを掴むと、その先端から棒状の器具を挿入し始める。
        
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
        
「悦ぶなよ、そんなに好きか」
        
「いやぁぁ!あぁぁっ!!!」
        
「お、ちょっと女っぽい」
        
 沙汰は笑いながら棒で尿道を上下に擦り上げていく。
        
「いたいっいたいよはがまくん、やめて、はがま、やめ、お願いっおねがいぃぃ!!!」
        
「奥まで行けば痛くないんじゃないか?」
        
「ひゃう!!?」
        
「お、奥までいった」
        
 コツコツと奥を叩くように動かす沙汰。
        
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
        
 狂ったかのように声をあげながら身悶える奏。
        
 奏の中も酷く蠢いて、気持ちがよかった。
        
 沙汰は前と後ろから前立腺を攻めるようにそこばかり責め始める。
        
「ひぃっ…!!!!!」
        
 一際大きく仰け反りながら、痙攣を起こす奏。
        
「またイってんの?感じすぎだろう?」
        
 笑いながら言う沙汰。
        
「本当、どうしてお前が可愛がられてるのか解らん」
        
        
        
   ****
        
        
        
 神子は部屋でくつろいでいた。
        
 カチャリとドアが開くので目を向ける。
        
「あ、奏くん」
        
 笑顔になる神子。
        
「っ…」
        
 よたよたと、危ない足取りで入ってくる奏の姿はコスプレメイド服を着せられた姿である。
        
 奏が揺れるたびにチリンと鈴の音が鳴るが、鈴がどこにあるのか神子はわからなかった。
        
「み、みこっ…」
        
 奏は表情を無理やり笑みへと歪めて、震える手で(特に左手がぎこちない)スカートを握り捲り上げる。
        
 そこには勃起したナニにローターやリングが装着され、先ほどの鈴の音の元だと思われる鈴が先端から垂れていた。
        
「はっ…土鎌、くんにっ…たくさん、躾けて、いただきました…」
        
「えらいえらい」
        
 微笑んで手を打つ神子。
        
 へなりとその場に崩れる奏。
        
 その表情は笑みから憔悴しきった表情に崩れていた。
        
「お、終わったから…帰りたい…みこ、おねがい…かえりたい…」
        
「その格好で帰っていいよ?」
        
「とって、これ、とって…」
        
「自分で取れるでしょ?鍵なんてついてないし」
        
「うっ…うぅ…」
        
 泣き出す奏。
        
「折角沙汰が飾ってくれたのに、しばらくその格好でいようという気はないの?犬」
        
「ひぎっ!」
        
 踏みつけられて奏は悲鳴を上げる。
        
 チリリンと鈴がなる。
        
「ふふ、奏くん…とってもかわいい…」
        
 顔を掴んでキスをする。
        
「神子ね、犬が欲しかったの。奏くん…あなたはなぁに?」
        
 神子の冷たい眼差し。
        
 これを知っている気がする。
        
「っ……」
        
        
「あなたは、なぁに?」
        
        
 浮かんだのは、蜘蛛の巣に捕らわれた虫だった。