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百鬼夜行奇譚

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みこちゃんと奏くん2

奏さんだったら急所攻撃に動揺しなかったけど奏くんは耐性がないので…。
 神子が奏を意識し始めたのは、結構前からである。
 いつも成績発表の上位者で名を見るので名前だけ知っていた。
 この前こっそり教室を覗いて本人を見た。
 がり勉タイプかと思ったが、意外と背格好が良く、顔も整った方で凛とした表情を崩すことがない。
 笑いもしない。
 姿勢良く座って本を読んでいる。
 持ってる本も読んだことがあるものだ、もしかすると趣味が似ているのかもしれない。
 体育の授業のときも遠目で見ていると、運動神経はかなり良いほうだと思った。
 全てが完璧。

「なんだか完璧すぎて近づけないんだよねー」

 神子の知り合いの一人がそういう感想を述べた。

「人を近づけさせないっていうか、なんか勿体無い~」
「ふーん…」




 奏と接触したのはそれからしばらくしてだった。
 階段を下りようとした神子。

(あ、正法院奏)

 下から階段を上がってくる奏を見つける。
 もちろん向こうはこっちに目を向けない。
 まったくの無関心。
 それがなんだか心を苛立たせた。
 こっちはこんなに見ているのに!という謎の怒りだ。
 勝手にこちらが見てるだけなのに、なんだか彼のことを知っているという不思議な感覚がしてくるのだ。

「あ!?」

 足を滑らせる神子。

「!」

 咄嗟に奏が神子を受け止める。

「大丈夫か?」
「え?あ、はい…っ!?」

 足首に激痛が走る。

「ひ、ひねっちゃったかも…」
「! 保健室へ行こう」
「ひゃう!?」

 お姫様だっこされて変な声を上げる神子。

(は、恥ずかしい…けどなにこれ、嬉しい…)

 妙な気持ちを抱きながら、神子は他人の目を気にすることなく保健室まで運ばれていった。



     ****



「先生はいないか…」

 神子を丸椅子に座らせ、奏は勝手に棚を開けて中を物色し始める。

「靴と靴下脱いでくれる?」
「は、はい…」
「腫れてはいないから大丈夫だとは思うけど、あとでちゃんと先生に診てもらってくれ」

 神子の足に手を添えていいながら、奏は湿布を張る。
 そして包帯。

「あの、正法院…さん?」
「…?」
「私のこと、知ってます…?」
「いや?」
「寺田神子、というのですけど…」
「知らない」
「…え、あの…学年トップ同士じゃないですか…」
「興味ないから見てないな…。そうか一緒なんだ」
「……」

 なんだろう、この怒り。
 自分は決して自意識過剰ではない、決して。決して。


 ただ、この男が、この男……!この男が!このわたしを忘れているという怒り!


「か・な・で・さ・ま!」
「あぐ!?」

 神子は思いっきり奏の股間を踏みつけていた。
 足首の痛さより怒りが勝っていた。

「否、奏くん?私を知らないとはどういう了見かしらぁ!?」
「な、なに?え?」
「そんなに、そんなに…!」



  あっさり忘れられるのか!!!!!



「ふぁう!?あっあっ…!!」

 前かがみになる奏の肩を、頭を掴んで神子はぐりぐりと踏み続ける。

「まぁ硬くなってきて!しつけのなってないこと!」
「なに、君、待って…何を…」

 完全に困惑している様子の奏はどうしたものかわからない様だ。
 神子は一度足を離して思いっきり蹴り倒す。
 床に倒れる奏の股間をもう一度踏んだ。
 思いっきり。

「っ~~~!!!」
「そんなに嬉しい?そうですよね、私に踏まれてるものね?こういうの好き?」
「やめ、て…」
「やめてほしいの?」

 足の指でその硬くなったナニをぐりぐりと挟んで擦る。
 ズボン越しなのに存在感がよくわかる、かなり勃起しているし苦しそうだ。

「楽になりたいならズボンを脱いで、自分で取り出して」
「な、な…!?」

 赤い顔をもっと赤くする。

「そのままの姿で教室に帰りたいならいいんですよ?か・な・で・く・ん?」
「っ……」

 涙ぐみながら奏はベルトを外し、チャックを開いてそれを取り出す。

「自分でシてください、見ててあげますから」
「なぁ!?」
「嫌がってるようですけど、そこはまた硬くなられたようで?好きなんでしょ?こういうの。
 早くしないと先生もどってきますよ?けが人の私の前で自慰をする優等生とか笑えますね」
「ッ…」

 奏は泣きそうな顔で扱き始める。
 しかしそうカンタンにイケるモノではない。
 神子は呆れた顔でスルりと自分の下着を脱ぎながらそのまま近づき奏の横へ寄り添う。

「手伝ってあげますよ」
「うわ、あ…」

 奏のナニへ下着を被せ、奏の頭を胸元に抱き寄せる。

「さぁ私に扱かれてると思いながらやって?」
「っう、ぅぅ…」

 震えながら奏は果てる。
 神子はその姿を写メに撮る。

「まぁいっぱいでましたね!こんなの履いたら妊娠してしまう!」

 そういいながら、汚れた下着を神子は抓みながら奏を見る。

「オナ禁でもしてたの?いつもこの量?」
「いつ、も…」
「あー、いつも自慰してるんだー意外ー」
「し、してない!」
「どっちよ」
「ッ…」

 泣きそうな顔になる奏を可愛いと思う神子。

「躾けてあげますわ、だらしない下半身を。今日から貴方、私の犬におなり」
「な、なにそれ…」
「いうこと聞かないと、この痴態をバラまくわよ」
「!?」

 画像を見せ付けられて目を見開く奏。

「あ、もう時間ない…奏くん、これあげるわ」

 汚れた下着を握らせる。

「手当てありがとう」

 微笑んで神子は靴を履きなおし保健室から出て行く。

「…な、なんだったんだ」



   ****



 奏は帰宅するなり倒れこんだ。
 疲れた。
 すごく疲れた。
 彼女のことしか考えられなくなっていて。
 彼女のいうことは意味が解らなかった。
 しかし言われて、ふと何か思い出しそうな感覚に陥る。
 彼女の香りも知っている。
 頭の中がぼんやりするような甘く良い香り…
 そこから脳裏に浮かんでくるのは、土のような泥のような、湿っぽい匂い。

「っ…?」

 下半身が疼く。

「あ、ぅ…」

 自慰はいけないことだ、穢れてる。
 けどあの湿っぽい匂いを思い浮かべてしまうだけでこうなってしまう。
 幼い頃からそうだ、ずっとこうで…
 今日神子と出会って明確に、鮮明に、その匂いを思い出せるようになってしまった気がする。
 左手が上手く動かせない。
 いつもこうだ。こういうときに限って左手が動かせなくなる。
 さっきの神子との痴態も、左手が上手く動かなかった。

「はぁ…嫌だ、嫌…」

 嫌悪感を抱きながら快楽を追ってしまう。

「みこ…」

 意識が真っ白になっていく―――


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