酔った禄はあれだな、コピロクみたいになるんだなと気付いたクロバトであった。
 平和な時が流れ、禄も猛黒も緩んでいた。
 一つ大きなことを終わらせるとそのごしばらくは静かなものなのである。
 少々のあやかしたちの騒ぎはあれど、小さなことであった。
 旅に戻った奏はたまに戻ってくる。この間は光来家当主とその息子であり禄たちの兄である茜が帰ってきたときは少し騒ぎになったが。
 猛黒は茜のことが嫌いである。
 上から目線というか「お兄さん目線」を向けてくるのが凄く癪なのである。長生きしているのはこっちであるのに。
    
    「猛黒、貴方いつお屋敷に帰るの?」
    
     巻がご飯をよそいながら猛黒に問いかける。
    
    「俺の勝手だろ」
「勝手に居座られても困るわ。あ、解った!お父様が帰ってきてるんでしょ!」
「顔あわせるのが嫌なの、そろそろ直しなよ。親子っていいものだよ」
「うるせぇー」
    
     ふてくされながら猛黒はよそってもらったご飯をかきこむ。
    
    「禄、勝負しろ」
「えぇー食べてる時に?食べ比べは嫌だよ」
「…じゃあ飲み比べ」
「君、勝てる?」
「強くなってる!!」
「そうかなぁ、まぁいいけどね。お風呂入ってからやろうね」
「おう」
「いつもおかしな会話するわよね禄と猛黒」
    ****
    
    
 飲み比べを始めるが、やはり猛黒は勝てなかった。
    
    「なんでだ…なんで人間の禄に勝てねぇんだ…!!」
    
     ぐったりしている猛黒。
    
    「僕の勝ちだからお仕置きだね猛黒」
「そんな約束してねぇ!!」
「えー、そう?」
    
     禄はゆるやかな笑みを浮かびながら猛黒に被さってくる。
    
    「ま、まて!何をする気だ!!」
「気持ちのいいお仕置きだよぉ?」
「やめろ!うわ、ばかばか!」
    
     呪符で両手を封じられ、猛黒は本気で逃れようと暴れるが無駄であった。
 禄の手は猛黒の胸元を肌蹴させる。
    
    「正法院さんで練習してるから大丈夫だよ」
「退魔師になにやってんだよお前!!」
    
     禄は猛黒の胸元に舌を這わせ、そして突起に吸い付く。
    
    「ひぅっ…」
    
     ゾクゾクするが、唇を噛みしめて耐える。
    
    「や、あ、ぁっ…」
(えっちな顔するなぁ…)
    
     禄は楽しくなりながら、艶めかしく露出する猛黒の太ももに手で触れ、裾を捲るように撫でる。
    
    「禄?静かになったけど寝ちゃった?」
    
     巻が襖を開いてくる。
    
    「…」
「…」
    
     巻は無言で襖を閉めてどこかへいった…かと思えば戻ってきて猛黒の目の前で包みを広げでオモチャを並べ始める。
    
    「おおい!!!!」
「酔った禄のすることはわかっているわ、お仕置きでしょ?」
「察し良すぎだろ!!助けろよ!」
「嫌よ、貴方もう少し反省しなさい」
「なんで反省しなくちゃいけねぇんだよ!」
「はいはいその口もいつまで聞けるかしらね?ちなみに奏さんは即堕ちだったわ」
「退魔師可哀想すぎる」
    
     なにやら小皿に水と怪しい粉を混ぜはじめる巻。
 とろとろになっていく。
    
    「おい、それは…?」
「痛くしないようにのせめてもの情けよ。咲さんが特別な調合にしてあるからとても気持ちよくなるっていってたわ」
「咲ィィ!!!」
「巻、一緒にやろう」
「わかったわ禄」
「やめろ、やめろぉ…!!!」
    
     恐怖に引きつる猛黒をよそに、禄と巻はお互い片足ずつ抑えつつそのとろとろしたものを塗りこみはじめる。
    
    「ひぅっ!」
    
     塗りこまれた箇所がむずむずする。
 熱を帯びて、痒みがある、脚を閉じようとするのだが二人はそれを許してくれない。
    
    「禄ぅ!やめ、かゆい、それ、やめろぉ…!」
「だいじょうぶだいじょうぶ、馴染むととんでもないことになるからかゆみは少し我慢してね」
「よし、これでしばらく放置しちゃお」
「巻、鬼畜だねぇ」
「なぁ!?」
「夜は長いのよ猛黒」
「そうだねー」
「鬼どもめ…」
 禄と巻は談笑しながらお酒を飲んでいる。
 猛黒は禄に抱かれ、その身を震わせていた。
 下半身がむずむずして落ち着かない。
 触ってほしくて、擦ってほしくてたまらない。
    
    「くそっ…くそっ…!!ひっ」
    
     禄の脚が猛黒の脚の間にねじ込まれる。
    
    「うっ…うぅ…」
    
     身を強張らせる猛黒だが、禄も巻もそんな猛黒に気にもしていない。
 楽しげにどうでもいいことで笑っている。
    
    「はっ…はぁ…はぁ…」
    
     猛黒は虚ろな目で禄の脚に下半身を擦りつけはじめる。
     気持ちいい、熱と痒みを帯びたそこを擦ると満足感と快感に満たされる。
 尻の穴まで塗りこまれているが、そこは我慢するしかない。
    
    「あ、あっ…」
    
     猛黒はだらしなく涎を垂らしながら快感に身悶える。
    
    「猛黒、きもちいいね?」
「うっ…」
    
     身体を硬直させる猛黒。
    
    「いいよ動いて、ほら、気持ちいいんでしょう?」
「うわ、あっあっぁぁ…」
    
     禄の指が猛黒の中へ侵入し、押し寄せる快楽の波に耐えきれず猛黒は声を上げながら腰を揺らす。
    
    「ここが気持ちいいね?猛黒。ほら、ねぇ?気持ちいいでしょう?」
「ひぃっ!やぁ、やめ、あぁぁぁぁ…!!!」
    
     気持ちいところを擦る指の動きと猛黒の身悶える腰の動きに合わせて擦られる禄の脚に猛黒の理性は吹っ飛んだ。
    
    「眼、つかうなぁ…!」
    
     泣きじゃくりながら猛黒は禄に振り返り訴える。
 微かな光を帯びるその眼はゆるやかな笑みになる。
    
    「別に使わなくても見えっぱなしだからしかたないじゃないか猛黒。
    
     猛黒はここがきもちいいねぇ?」
    
    「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
    
     強制的に快楽を引きずり出される恐怖と、快楽に犯され体が禄の思うがままに反応する恐怖。
    
    「こわいくないよ、こわくない…びっくりしたね?ごめんね猛黒」
 優しい禄の声色。
    
    「きもちよくいこうね?」
   ****
「もう二度とお前とのまねぇ」
「えー!僕たち友達なのに!?!?」
「こういうときだけ友達ヅラすんじゃねぇ!!!」