かきかけのまま放置していたので掲載
雪国に氷人が育った修道院がある。
そこは小さい修道院で修道女と騎士の二人の姉弟しかいない不思議な場所であった。
「おかえりなさい氷人」
久しぶりに氷人がその修道院に帰ってきた。それを迎えるのはシスター・ダリアだ。
「今日は晴れてて良かったわね」
「うん、歩き易かったよ。金輪パパと骸髏パパもあとで来るよ」
「そう、あの二人はまぁどうでもいいわ…早く暖炉の前で温まって」
ダリアの言葉に苦笑する氷人。
氷人はダリアが好きだ。母親とまではいかないが、面倒見のいいお姉さん的存在だ。
親にあたる金輪と六道に対してのアタリが強いが、いろいろあるのだろう。
氷人から見ても金輪たちが世話になっているように見えるし。
「お、来たか氷人。」
ダリアの弟であるダイが奥から出てくる。
「ダイ兄さん!また一回り大きくなった?」
「鍛えてるからな〜」
ニコニコしながら楽し気に氷人とダイは談笑し始める。
そんな光景をほほえましくダリアは見守っていたが、虚ろな目に戻って振り返る。
「来たの」
「来るって伝えていたはずだが?」
金輪は渋い表情で呻くように言い返す。
「早すぎる」
「急いだからな。氷人をほっておけないだろう」
「私たちがいるからいいのよ。貴方、ちゃんと仕事していますか?」
「パパたちはちゃんとお仕事してたよ〜!」
氷人が答える。
ダリアは金輪を睨む。
「仕事をしている割には瘴気を貯めてますが?自力でどうにかできるようにならないと、貴方は魔物になりますよ」
金輪の胸元に無造作に手を当てるダリア。金輪は力が抜けたかのようによろける。
顔色がよくなり目の下の隈も消えた。
ダリアが六道から受けてため込んでいる瘴気を吸ったのだ。
「す、すまん…」
よろけながらも立ち上がる金輪。
「…骨の魔物は?」
「外に待たせてある」
「いれていいよね?ダリア姉さん…骸髏パパも僕の家族なんだ」
「穢れるから嫌なんですけど…『掃除』するの、私なのよ…」
「そこをなんとか〜!!」